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カオヤイ国立公園の奥

カオヤイ国立公園には、もう20回以上行ったが、行けるところを全部周った訳ではなく、寧ろ入口付近の僅かな地域しか行ったことがない。

誕生日の翌日、久しぶりに国立公園に入り、奥のビューポイントを回ってきた。

行ったのは、タイエアーフォースのレーダー基地に近いパー·ディアオ·ダイというビューポイント。

例に依って良く整備されたトレッキングコースが整備されている。

森の中の、鉄骨と硬い木で作られたコースを降りて行くと、蝉しぐれと鳥の声しか聞こえなくなる。

ここがビューポイントの断崖絶壁。

断崖には柵がないので要注意。下の木が見えない位高い垂直の断崖絶壁。落ちたらお陀仏。

崖の向こうは延々と深い森が続いている。

眼下に鷲か鷹が優雅に飛んでいた。遥か向こうの山まで人気はない原生林。白く霞んだところは雨。

崖近くの木を見上げた。上手いこと枝葉が空間を棲み分けている。

マシュマロちゃんはカメラに夢中。

丁度広い盆地の様になっている森。

この中には普通は入れない。

***

さて、この日カオヤイ国立公園公園で出会った生き物達

Prevost's squirrel or Asian tri-colored squirrel

翼を開くと1メートル以上のビッグホーンことGreat hornbill

ロッテチョコボールの鳥

カオヤイ農園の奥の山にも時々出て来る。

サル。サルは何種類か住んでいる。

鹿。人のいる地域にウロウロしている大型の鹿とは別種。

蝉は相当数の種類がいるのが声で分かるが、意外に警戒心が強く近寄ると鳴きやんでしまうので、姿を見つけるのは至難の技。

ラムタコーンあれこれ

僕らの取水口より500メートル程の下ったところにある天然湧水プール。

誕生日の朝、行ってきました。

人は少なく、水は済んで気持ち良かった。

忍法カエル浮き。

ここは水深2メートル程。

この湧水より下流は水が涸れない。

***

それからぐっと下流に行って、国道2号線とラムタコーンが接する地点にラムタコーンカフェがある。

僕らは、こういうカプチーノの模様が未だに出来ない。

地面より10メートル位下にラムタコーンが清らかに流れていて、そこに涼しいカフェがある。僕らは、ここでコーヒーと朝食を摂った。

おそらく湧水がいくつかあるのだろう。下流に行く程、水量が増える。

一度、カヌーでラムタコーンを下ってみたい。

生贄を捧げた日2

昨日は大御所兄貴のいちご園にて、生贄を捧げる宴会に参加して来た。

但し、昨日の生贄は豚じゃなくて牛。

100kg以上ありそうな仔牛だった。

牛と言っても、タイで良く放牧されている耳が大きくて褐色の痩せ牛で、価格は8000バーツだったそうだ。

以下、かなりエグいがいくつか様子を紹介したい。

これが生贄の仔牛

屠殺の前に土地の精霊に祈ります。モン語なので何言っているのか全然分かりません。

大きな金槌で頭を打って、頭蓋骨を陥没させ意識不明にしてから、太刀で頸動脈を切って鮮血を受ける。

皮を剥ぐ。

内蔵の中で一番大きいのは胃袋。

内蔵を取り出すと、胴体部分に余り肉はない痩せ牛だ。

肝臓を取り出しているところ。

赤身と鮮血を混ぜ、包丁で良く叩いてラープを作る。牛のラープは豚のより美味。

香辛料をたっぷり入れて良く練って出来上がり。

日本では禁止されている肝臓の刺身。

コリコリでめっちゃ美味い。

出血性の毒性の強い腸内細菌が10%位の確率で肝臓から検出されるらしく、微量の細菌でも重大な食中毒になる恐れが排除出来ないそうで、ニホンでは禁止となったが、これ程美味いものは滅多にない。

僕は大昔に西表島でハブに噛まれて弱った牛から得た肝の刺身を食べたことが一度だけある。その旨さが忘れられず、昨日もたっぷり食べてしまった。

見た目は綺麗な肝臓だったが、生食すると出血性の下痢の他に、肝臓に寄生虫が付くこともあるので、お勧めは出来ない。

火を通せば大丈夫。屠殺直後、焼き立ての牛肉はめちゃくちゃ美味しい。

ステーキも沢山食べた。柔らかくて臭みのない美味しい肉だった。

先日の豚と今回の牛とで、冷凍庫は肉でいっぱいになった。当分、肉は買わなくても済みそう。

ところで、兄のいちご園は今年も不調だった。欲張って三ケ所開園したが、二箇所はお客さんが入らず、早々に開店休業になってしまった。残り一箇所もライバル農園に押されて売上は低迷。もう来年はワンナムキアオではやらないそうだ。但し、トマトを雨季にやるらしい。

5年前、この兄がワンナムキアオでいちご園を始めた。その時、マシュマロちゃんが手伝いに駆り出された。

4年前、僕らはその給料とノウハウで自分達のいちご園を持った。その時、妹さん夫婦が手伝いに来てくれた。

3年前、妹さん夫婦は僕らが払った給料と観光いちご狩り園のノウハウを持って、自分達のいちご園を開園した。僕らもカオヤイに2軒目の農園を開園した。

こんな風に兄からすべて始まり、今ではマシュマロちゃん家族以外にも多くのモン族によるいちご園が出来た。

5年前は、この地域では、いちご狩り自体が未だ珍しかったが、今ではかなり知られるようになり、お客さんの殆どがいちごを買いに来るのではなく、いちご狩りを楽しみに来るようになった。

そんなパイオニア的な兄が競争に負けて去ってゆくのは複雑な思いだ。

僕らは彼に50万バーツ超貸してあるので、出来るだけの支援と言うか恩返しはしたつもりだ。

兄には、別の場所でいちご狩り園を始めて成功するのを祈るばかりだ。

ポンコツ育苗室完成

突貫工事で育苗室を作った。

幅1.5m 長さ6mのイメージ図を書いてサイズとポイントをワーカーに説明。

「よし分かった!簡単だ。」と言うので、あとは任せておいたら、幅50cm 長さ3mのが出来上がった。何も伝わってなかったようだ。

そのサイズじゃ使い物にならないので、せめて幅だけでも1.5mに拡張した。

一切長さを測定せず、目分量で作るので、まるで子供の工作の用に見窄らしい育苗室になってしまったが、取り敢えずは用を足しそうだ。但し、耐用年数は6ヶ月。この前の様な嵐が来たら、多分壊れる。

やっぱり自分が細かく指示を出して作らせるべきだった。

まあ出来てしまったものは仕方がない。いくつかの補強を入れて使うことにした。

屋根材はファイバー入りで10年使えるらしい。ホントかな。光の透過度は丁度良い感じ。

無造作に張ってある白い布は、実は赤外線をカットするハイテク製品。タイにはない。

暑い。真夏だ。日本で経験したどんな夏よりも夏だ。

ポンコツだが、強烈な陽射しも、滝のような雨にも負けない。

シロアリと風には滅法弱い。

号外:セントラルワールドが燃えている

セントラルワールドが燃えています。

飛び降りた人が死んでいるようです。

現場からは以上です。

化石発見

カオヤイの辺りは石灰岩もしくは方解石で出来ていて、太古の昔は海であったことが分かる。

なので、岩には珊瑚の跡が至るところに見られる。

先日は、珊瑚というより海うちわの茎か貝みたいで、何かは僕には分からないが、かつての群生生物の化石を見つけた。

同心円状の白い模様が見える。一つの丸の直径は5~8ミリくらい。

イサーン大地は良く化石の出る地域で、コンケーン辺りでは多くの恐竜化石が見つかっている。

あるいは、時代はもっと下るが、新石器時代の人類の遺跡や骨が、ウドンタニからコラートの広い範囲で発見されている。

生贄を捧げた日

モン族には、昔の日本と同じような精霊信仰が根強く残っている。

大きな木や、土地や川にはそれぞれの精霊が宿っていて、彼らを怒らせないように気を使って暮らしている。

例えば、お酒やビール飲む時は、まず初めに少量のお酒を土にこぼす。それから自分が飲む。こうすることで、土地の精霊に真っ先にお酒を飲ませ、焼き餅を起こさせないようにする。

人生の重要な節目には、豚や鶏を大地に捧げる。

いちご園が終了する際に必ずやらなくてはいけないのが、土地の精霊に豊穣の感謝と来季の恵みを祈願する為に、豚の生贄を捧げることだ。これを怠ると、来季は災いが起きて大地の恵みは頂けないことになる。

そこで、今日カオヤイ農園にて、豚を捧げた。

生贄の豚ちゃんは、35kg級を3500バーツで農家から買ってきた。安いと思う。そのくらいの子供の豚ちゃんは、肉が柔らかくて美味い。体長1メートル位。

大規模養豚場ではなくて、庭で10~20頭位飼っている農家から直接仕入れる。糞尿にまみれて、余り衛生状態は良くないように見えるが、自然食の餌で健康そうな豚だ。肉は全く臭くない。

手足と口を縛ってから、首元から太刀を入れて心臓をさす。

そこから勢い良く流れ出る鮮血こそ、土地の精霊に授ける最も大切なもの。今回は、僕がその鮮血をステンレスのボールに受けた。

刺された豚は口から鮮血を勢いよく吐いたが、1分程で絶命した。

赤いゴミムシかハンミョウ、そしてハエが直ぐに集まって来る。

後で全身を開いた際に分かったことだが、思った通り、太刀は胸部大動脈と気道を切っていたが、心臓は無傷だった。もう少し深く刺さないと駄目だ。ただ、大動脈を切られて脳への血流がなくなるので、結果同程度の時間で絶命する。

この日のために、子供を含めて25名が集まった。

子供好きなマシュマロちゃんは、人の子供を取り上げておんぶ。

男は僕を含めて8名。僕以外の男達は、手際よく豚の体毛と皮膚を焼き、真皮を削ってから解体した。肺から直腸迄、全く内蔵を傷つけずに一気に取り出した。

肉を区分けして刻む者、内蔵を洗って食べられるようにする者、火を起こして肉を焼く者、見ていてビールを飲むだけの者(僕)など、誰の指示もないのに分業作業は捗る。

マシュマロちゃんの兄が僕に、この豚でどんな料理が食べたいか聞いてきたので、僕は大好物のラープと答えた。

モン族特有の生肉、生血料理で、一見危なそうだが、危なくなく実に美味なのだ。

使うのは、赤身、屠殺した時に受けた鮮血、30種類以上のハーブ、塩、味の素。それを良く混ぜて、茹でた肝臓や肉を加える。

赤身に鮮血を加え、徹底的にミンチにしてこねる。

ハーブや具を加えて出来上がり!

血も滴る美味しさ。野菜の葉の上に、適量を載せて、巻いて食らうのがスタイル。

全く血生臭くない。脂臭くもない。最高の味。豚を解体したその日じゃないと食べられない貴重な料理。日本は一日寝かせた肉しか食肉市場から出せないので、日本じゃ食べられない。

これを食べたことのある日本人は少ないのではないか。

尚、上は僕用に唐辛子を少な目にしたもの。1kg位僕用に取ってから、残りは皆さん用に唐辛子をたっぷり加えた。

彼らは、内蔵等、寄生虫の危険性がある部分は必ず火を通して食べる。だから、肝臓の刺身は食べない。

朝9時半に殺して、10時から、3時迄宴会。

連日の雷雨で、すっかり新緑になった裏山。

住込み野郎故郷に帰る

顔も頭も悪くて、物凄く汗臭いので、皆から嫌われていた住込み野郎が、僕の誕生日の朝に故郷のチェンマイに帰って行った。

前日の夕方、感謝の印か、ビール缶一本をご馳走になった。僕が奢ったビールは軽く100本を超えるが、お返しはたったの一本だった。

彼は、タイの最下層の中の最下層に属する人間で、僕を裏切ったお馬鹿幼妻からも、嫌われていたし馬鹿にされてもいた。

マシュマロちゃんも大嫌いみたいだった。

しかし、彼は僕の右腕として唯一2年働いてくれた野郎だ。

教育はゼロで、蓄膿症で脳みそが腐っていたものの、あれやれこれやれと言う僕の命令をそれなりにこなしてくれた。

流石に2年間もやっていれば、ポンプやウォーターシステムのことや、肥料のことや、いちごの世話のことはマスターしてくれて、細かいことを言わずしても自分で問題点を見つけて対応出来るまでに育っていた。

何故か皆は、彼の性格が悪いだの、お金を盗むだの、ヤーバーをやってるだの、女たらしだのといろいろ言うが、僕は彼が大好きだった。毎朝オッスと挨拶するのが気持ちよかった。

また、僕が自分でやるには力が足りないとか、面倒くさいとか、汚いからやりたくないことは、何でも彼に言いつけてやってもらった。彼は嫌な顔せず良く働いてくれたので、大切な右腕だった。

彼に言わせれば、性格が悪いのは自分で、そのお陰で妻に嫌われた。妻は性格が良く教養もあって自分には勿体無いくらいなのに、自分の性格が悪くて不幸にしていると嘆いていた。

確かに、少ない稼ぎなのに、ビールを隔日で飲んでしまったり、タバコを止められずに毎日一箱買ってしまったりで、奥さんへの仕送りが低迷した。そういう自我のコントロールが出来ないのは難点ではあるが、そういう僕も酒やタバコも止められないのは同じだし、女好きなのは僕の方が上だ。

毎日のように、閉店後に彼にビールを買いに行かせ、半分彼に上げて一緒に飲めば、疲れも癒やされた。

彼は蓄膿症の為に発音が鼻に掛かり、何を言っているのか7割は分からないが、何となく言いたいことは分かるし、どうせ大したことは言ってないから聞き流していた。

彼の名誉の為に言うが、100バーツ以上のお金をチョロまかしたことはない。ヤーバーもやってない。お金が無いので浮気もしていない。

一ヶ月14400バーツの給料のうち、平均で50%を奥さんに送金していた。

全部飲んじゃって送金してないとか、他の女に送金してるとか皆は言うけど、僕自身が彼に頼まれて奥さんの口座に振込んでいたのだから間違いはない(と思う)。

残りを7000バーツとすると、一日平均で233バーツになる。3度の飯と、彼の好きなコーラとコーヒーをミックスした飲料水と、タバコとたまのビールを考慮すると、残るお金はゼロ。給料日前になると、タバコもお酒も飲まないので、お金が尽きていたのが分かる。

僕は僕なりに大切に扱ったと思う。彼も帰り際にしきりにキットゥンと言っていた。

来年は、韓国に出稼ぎに行って、しっかりお金を貯めたいから、もう僕のいちご園には来ないと言っているが、どうせ悪徳ブローカーが嘘のビザで送り込んで、たんまりピンハネするに決まっているし、最近の韓国の経済が最悪だから、止めといた方が良いんじゃないと言っておいたが、どうなることか。

行くにも70000バーツ程の準備金が要るそうだから、きっと一生行けない気もする。

行けなかったら、喜んでまた使ってやるから安心しろ。今度はもっと大切にしてあげるからな。

お前がいないと、僕一人じゃ何にも出来ないから。

😫😫ストロベリー枯れた😫😫

還暦の誕生日の日、僕はマシュマロちゃんの勧め通り、何も考えずに一日を過ごした。正確には、一泊と半日。

仕事のことは本当に忘れてリフレッシュ出来た。

しかし、こともあろうに、来期を掛けて大切に育てていた四季なりいちご苗のことも見事に忘れてしまった。

一泊二日の休暇からカオヤイ農園に戻って愕然とした。

強烈な陽射しに、未だ幼いいちご株が乾燥してカラカラになっていた。

葉っぱを掴むと、お茶の葉みたいにパラパラと砕けた。

何も考えないにも程がある。どうしてワーカーに水やりを頼むのも忘れたのか。あるいは翌朝思い出して、水やりに来ることだって出来たはずなのに。

諦めの悪い僕は、「未だきっと枯れてない、水を与えれば、きっと再生する。」と自分に言い聞かせて、水やりしていると、今度はまたもや嵐がやってきた。

その嵐は過去2回の嵐を上回る凄さで、店を閉めて商品が濡れるのを防ぐのがやっとだった。

雨は怒涛のように地面を叩き付け、農園はあっという間に洪水になった。

そのうち、いちごのハリボテモニュメントが吹き飛ばされて、辺り一面が真っ白になった。

積乱雲が崩壊するダウンストリームだ。

僕はびしょびしょに濡れるのを覚悟で外に飛び出した。

その瞬間、バリバリという轟音を立てて直径50センチ高さ20メートルはある大木が目の前で倒れた。その大木は根株部分が虫に侵されて弱くなっていて、倒れるんじゃないかと心配していたところだった。

翌朝の様子。

大木は始め電線ロールのテーブルに当たり、その上の大切ないちご苗のプラグトレーを吹き飛ばし、手前の木に当たって上部の枝が折れて、そのお陰でお店を直撃するのが寸でのところで免れた。

これも不幸中の幸いで、電線を切って停電はさせたものの、人的被害は出なかった。

嵐のあと、呆然としながら飛び散って雨に流されたいちご株を拾って集めた。

乾燥してカレカレになったものを含めて、祈るような気持ちで植え直した。

せっかくリフレッシュしたはずだったのに、泣き叫びたい気持ちでいっぱいになった。

どんなに凄い風だったかは、絶対壊れないと思っていたKHAOYAIのパネルが倒れたことからも伺い知れた。セメントと鉄骨とセメントボードで作ったのに。どんなに凄い風だったことだろう。隣のテーサバーン(自治体)の大木も倒れて道を塞いだ。電線も切ってくれた。そんな複合的災害で、停電は6時間続き、商品のアイスクリームはドロドロに融けてしまった。被害額4500バーツ。

友人らに作って貰った大切な新店舗が壊れなかったのが有難かった。

数日後、祈る気持ちでいちご苗を観察したが、僅かな希望も絶たれ、ほとんどの苗がもうあの世に行ってしまったことがはっきりした。全体で2割弱が一命を取り留めたが、僕の数ヶ月は徒労に終わった。

日本人らしく表情には出さなかったが、心の中で泣いたよ。

少しだけ緑があるのは回復してくれた株。それにしても、大部分はもう戻って来ない。

年末年始のいちごのない時期をなくすべき四季なり性いちごの導入に掛けている僕だが、どうしても無理な運命なのだろうか?

4年もやって、未だに四季なりの導入も、それを育てる温室さえ出来ないなんて。いったい何をやっているんだ!

でも、まだ諦めない。

今度は完全室内、完全人工光で育苗するぞ。

まだ間に合うかも知れないから。

仮に予定数を大幅に下回ったとしても、来々季までには絶対殖やせるだろうから、挫折したわけじゃない。

まだなんとかなる。頑張れハムケン!

還暦の誕生日

何も考えず、ただ風に揺れる木の葉や流れる雲を見ていた。

鳥達が飛ぶのを目で追いかけ、野の花を想う。聴こえてくるのは、鳥の声と風の音だけ。

プールで泳いで濡れたままの身体をソファーのブランコに横たえて、涼しい風が心地良かった。

こんな風に身も心もリラックスした時を過ごすのは久しぶりだった。

4日は僕の還暦の誕生日ということで、マシュマロちゃんがカオヤイのリゾートホテルを予約してくれた。

「今日明日は何にも考えずにゆっくりしてね。」

その言葉通りに、何も考えないことにした。朝から彼女に連れられれるまま、ラムタコーンのカフェで朝食を摂った。そのカフェは同じラムタコーンとは思えないほどの清流で感激したので、別の機会に紹介したい。

誕生日の日に泊まったホテルは、Sala Resort Khaoyai という。カオヤイ農園とワンナムキアオのマシュマロいちご園の中間地点にある。ゆったりとした丘陵地帯の一番高い丘の上にあって(標高585メートル)、周りには民家が全くない。風が涼しい。

丘の上に大きなプールとレストランがあって、その周りにプール付きのビラが4棟あるのみ。各ビラは他から見えずプライバシーは抜群。

僕らが利用したビラはこれ。屋上に夕暮れや夜に寛ぐソファーがある。昼は日陰が無いので暑くて居られない。この時は、にわか雨の後だったので、カバーが付けられていた。

こちらが正面側。前には何もなく、裸で居ても誰にも見られない。小さなプライベートプールが有難かった。

顔がタイ人より真っ黒で嫌になる。

部屋の中は白基調。曲線が多く角が無い作り。

やけに広くて、この部屋は138平米とのこと。プライベートプールもあるし、高そうだったので、

「このホテル高かったんじゃない? 4000バーツ位したんじゃない?」

と聞いたら、マシュマロちゃんは、直ぐには答えなかったが、朝食付きで7800バーツだったと後で教えてくれた。7800と言ったら、タイじゃちょっと凄いぞ。何しろ、税込みで3万円だよ。何も考えるなと言っても、貧乏人はお金が気になるじゃないか。

「一年に一回だけの日なんだから、高くないわ。私、時間をかけていろいろ探したけど、ここならゆっくりリラックス出来ると思って選んだの。気に入ったでしょ? 何も気にせずゆっくり休んでね。」

プライバシー重視のリゾートホテルだけあって、お客さんは、レズビアンのカップル、中年とミヤノイのカップルがいた。他はシンガポールからの観光客と僕ら。タイのリゾートホテルでコンドームがアメニティーにあるのを見たのは初めてだった。

ライラックとクチナシのようなうっとりする香りがホテル中に香っていた。このホテルのオーナーは、植栽には拘っているのが分かる。小鳥もこれらの木が大好きで、沢山寄ってきて美しい声で鳴く。

「私達の庭にも、綺麗で香りが良くて、小鳥が好きな蜜や実がなる木を植えましょうね。」とマシュマロちゃん。

やっとのことで水から上がった彼らが、やがて大空を飛び回るようになるなんて、誰が想像出来ただろうか。

真っ赤な夕焼け。イサーンの夕焼けは何時も美しい。

これはメコン大ナマズではなかっただろうか?

夕食のお値段はまあこんなところかな。他にレストランはないし、わざわざ遠くの安くて不味いローカルレストランに出掛けることもないので、ここでじっくり味わいましょ。

本当に何も考えずに一日を過ごした。

シアリスを仕込んだのに、息子も主人もその日はぐっすり夢の中。

で、

アーサー!

日の出。

それから二度寝。起き上がったのは8時半。

いろんなコーヒーを飲んだけど、ここのコーヒーはいまいち。僕らのお店のコーヒーの方が断然美味いでヤンス。

多分、この日だけで1.5kgは肥った。

マシュマロちゃん、ありがとう! とっても素敵な誕生日だったよ。脱世間で静かに過ごすには最高のリゾートだと思う。

還暦の身で、美人じゃないけど心優しい年若き女性から愛されるなんて、それだけでセカンドライフはハッピーなんだろう。

日本なら、会社首になって、警察に逮捕されて、一家離散ものかも。自由度が低く、がんじがらめで無表情の日本よ、さようなら。

自由で自然でおおらかで明日のことなんか考えないタイよ。ありがとう。

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ハムケン

Author:ハムケン
サラリーマンはもう飽きた。気がつけば人生の残りも僅か。ここはひとつ、窮屈な日本を抜け出し、活力あるのにどこかゆる~いタイを舞台に、自分らしい第二の人生に旅立つことを決めてしまった50代親父。

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