プラユット氏の演説を聞いてきた
バンコクで開かれた日経フォーラムで、プラユット首相の話を聞く機会があった。
物々しい警備を想像していたが、特に警備員らしい人も見当たらず、持ち物検査も地下鉄入り口 並みだった。
プラユット氏は演説でこんなことを言っていた。僕の記憶で書いているので、講演の要約という意味ではないし、バイアスも入っていると思う。
「タイは長いこと中進国の罠から抜けだせないでいる。産業の構造改革をしなければいけない。研究開発を推進したい。人材を育成したい。
そのためにBOIのルールも変えた。日本人はどうしてあんなに速いスピードで経済発展したのかわからないが、日本の力と指導が欲しい。
あなた達から私は1バーツたりとも貰いたいと思わない。日本に追いつこうなどとは考えてない。
テストコース(車の開発のためのサーキットコース)をタイに作るという話があるが、あれは是非実現したい。(テストコースの話は3回以上出てきた)
日本に行って気が付いたが、会社や国以外の組織の活動がある。共済会や農協や、色々な業界の団体がある。中には凄く大きくて力のある組織もあるが、始めはみんな小さな組織から始まっている。だからタイでも出来るはずだ。
私は軍人出身で、どちらかと言うと田舎の貧しい人の生活を見てきた。タイは基本は農業国だ。だから農業の近代化もやりたい。
タイの農業はどうしてこんなに後れを取ってしまったのか?それはきっと、農民が幸せすぎたからだと思う。タイでも洪水や今年の干ばつといった災害がないわけではないが、寒い冬もなく、地震も火山もない。暖かくて苦労しなくても食料が穫れるので、みんな幸せすぎてのんびりしている。日本の農業や農産物加工技術は発達しているので、是非タイにそういった技術をタイで拡めて欲しい。
新幹線にも乗った。チェンマイと首都を結ぶ高速鉄道に、日本の新幹線を走らせたい。だけど、お金がないのでいろいろな工夫をして欲しい。
ITなどの研究開発拠点も欲しい。規模は労働集約型の工場と比べて小さいかも知れないが、それでもいい。BOIで優遇もしているのでよく調べて欲しい。人材育成で日本の協力を期待している。
周辺諸国と助けあってAECを進めていきたい。他の国を置いてゆくとか自分だけ有利に進めることは考えていない。タイ1国で発展することなど出来るわけないからだ。
日本とタイとは130年以上の協力関係があるが、もっともっとこれを続けて行きたい。」
レセプションではBOI長官とも話ができた。
「あなたの商社の資本金はいくらですか?」
「200万です」
「じゃあ来年国際貿易センターとして申請してください。待ってます。」
リップサービスであるが、資本金が1000万バーツという条件以外は撤廃されて門戸は開かれたことは事実。
何時の日になるかわからないが、何時かそんな日が来ることを期待して頑張りたい。


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