貸したお金
卒業式のために17日からマシュマロちゃんが泊まりに来ている。
このブログのことは秘密なので、なかなかブログのアップが出来なかったが、今日は式の予行練習ということで、5時起きして一人で出て行った。
卒業式には、天空の村から両親や義理の姉たちもお祝いに上京してくる。しかし、彼らはお金がないので、バンコクまでの往復の交通費、ホテル代は彼女が支払う。そればかりか、式で着る服がないので、彼女は昨日戦勝記念塔近くの安いお店で、お父さん、お母さん、お姉さんの着る服を買い揃えた。先週、彼女はお兄さんから5万バーツを受け取っていた。この5万バーツは、この半年間の給料と言うわけではないが、もろもろ準備費としてくれたらしい。
彼女はこれまで化粧気がなく、上手に化粧をすることも出来なかったが、やはり戦勝記念塔近くのお店で安い化粧品を山ほど買って、YouTubeでお化粧のやり方のビデオを見て勉強し、美容院でやってもらうのと引けをとらないほど上手にお化粧をすることが出来るようになった。
「これで美容院代の3000Bを節約したわ。」
予約していた美容院は朝の4時の予約だったので、行くだけでも大変だったのだが、キャンセルして自分でやることにしたので、5時起きで済んだわけだ。
今月上旬、マシュマロいちご園を訪れた際、僕は彼女とお兄さんと遅い昼食を共にした。その時に、貸したお金を予定よりも早く返すつもりだとお兄さんは言った。
「お金は契約どおりに返してくれればいい。でもお兄さん、今回のいちご園の成功は、妹のお陰だということは忘れないで欲しい。彼女が居なかったら、立ち上げの資金はなかったわけだし、何日も女一人で畑も守ってきた。女なのに畑仕事も頑張ってやった。だから、3月には儲けたお金を独り占めせずに、彼女にも沢山あげて欲しい。」ビールを乾杯しながら、ちょっときつくそう言うと、
「分かっている。妹は本当に頑張ってくれた。ちゃんとお金は妹にも分けるから心配しないで欲しい。」
とお兄さんは言った。その表情を見て僕は少し安心した。
マシュマロちゃんの方は、僕がそんなことを言ったので眼が潤んでいたが、
「お兄ちゃんは私のことをとっても愛しているから、大丈夫よ。」と僕に言った。
モン族は家族のつながりが非常に強いので、実の妹を騙すようなことはしないだろうと思った。
「それで、今までここでいくら位稼いだのですか?」と聞くと、
「いろいろお金を使ったので全部残っているわけじゃないが、入ってきた金は300万バーツくらいだと思う。」とのことだった。
僕が貸した創業資金は10万バーツだった。年利単式の4%で貸した。
なので、利息は1300B程度なのだが、昨日僕の口座に10万5000バーツが振り込まれた。
印紙も貼った契約書に返済完了の旨を書き込んで署名し、僕が保管していた契約書を彼女に渡した。
こうして、タイ人に貸したお金が生まれた始めて戻ってきたことをここに報告します。
お金を貸した時に、多くの人から反対されて、「絶対戻ってこない」とも忠告されたが、僕は耳を貸さなかった。
お金は戻ってきたし、それよりも良かったのは、ひとつの家族が潤ったことと、マシュマロちゃんの近未来のための資金もきっともらえるだろうこと。
これまで無駄になくなるばかりだった僕の起業資金兼老後資金が始めて活かされた。
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