セックスレス
タイには元気な若者やスケベなハゲ親父が、「楽しめる性」を求めてやってくるが、その背後には「セックスレス」という日本の深刻な問題があることが多いと思う。
下の図は、コンドームメーカーである相模ゴム工業のHPに載っているデータであるが、セックス・パートナーがいるにも関わらず、一ヶ月のセックス回数は20代で3.9 - 4.4 回、50代では 1.2 - 1.6 回という少なさだ。
これは国際的に見て、異常に少ない数字である。
コンドーム市場で世界シェア4分の1を占めるメーカー、デュレックス社が行った調査結果によると、「1週間以内に性交渉がありましたか」という質問に対して「はい」と回答したのは、
- ギリシャ 87%
- 中国 78%
- スペイン 72%
- タイ 65%
- アメリカ 53%
- 日本 34%
相模ゴム工業の調査では(2013年)、「結婚相手・交際相手と世間一般にいうセックスレスだと思いますか?」という質問に対して「セックスレスだと思う」と回答したのは
- 交際中 29%
- 既婚者 55.2%
- 40~50代の男性 60%
こんなデータもある。1年間のセックス回数。やっぱりギリシャは凄い。日本はやっぱりダントツの最下位。
最近では、若い草食系男子がセックスを敬遠して、若い女性がセックスレスに悩んでいるとも聞く。
僕は、いい歳こいて、この2日間で商売女を含めて3人の女性とセックスをしたが、このペースはちょっと異常で最近の生活の平均というわけではないし、タイに来る前はセックスレスに近い状況だったので、日本の状況が決して理解できないというわけではない。しかし、タイで生活してみると、人々の生活の中で(未成年から中年に至るまで)セックスのウエイトがとても高いことを実感する。町に出てみても、田舎に行ってみても、そこら中セックスだらけ。それに比べて、日本は職場や家庭にセックスの匂いがしない。
セックスレスになる原因は人それぞれいろいろあって、とても一言でまとめることは出来ない。家庭的で貞操な良妻でいる間に、獣のように淫乱な女を「家庭から」追い出してしまって行き場がなくなってしまった女もいる。出産を機に激変する妻の身体と心に、もはや欲情を抱けなくなってしまう男もいるだろう。「早すぎる」とか「立たない」といったちょっとしたことが、コンプレックスになってしまって、自ら逃げ込んでしまうケースも多いと思う。
しかし、原因、理由がどうであれ、日本のセックスレスは病的な状態であって、もっとこの問題を前向きに正面から向き合ったほうがいいと感じている。アメリカでもタイでも、一週間セックスしない状態が続いたら、浮気されたり離婚要求されても仕方がないという話もあるくらいだ。
タイの町に溢れるセックス産業の多くは、日本からの輸入品だ。MPもカラオケもエロマーッサージも。アダルトビデオだって日本のものが一番有名で多いし、ありとあらゆる変態ものも揃っている。多くのスケベ日本人がタイで遊んでいくものだから、日本人はタイ人から「スケベでセックス狂」と思われているのだが、実のところ、日本は世界の中で著しくセックスの頻度が低い社会で、なおかつ性生活に対する満足度も著しく低い社会なのだそうだ。本当は、淫乱なことがやりたいのに出来ない。仕方がないから外でやるということか。
では、何故そうなっているのか?
上記の記事を書いた人の考察では、「相手の顔色をうかがい、嫌われないように振る舞い、自分の快感を置き去りにするセックスばかりしている人は自分を蔑ろにしていますし、『愛の証し』と大上段に構える人ほどつまらないセックスをしている。セックスは相手への愛や忠誠心の証しではなく、自分を曝け出し、本能を共有する行為と思ったほうがいいのではないでしょうか。」
セックスレスの夫婦は、セックスに関する話題に触れることを遠ざける。一緒にアダルトビデオを見ようなんて、仮に言ったとしても、相手にされないことまちがいなし。「もっと欲しい」とか「セックスレスが不満である」ことすら言いにくい状況がある。そのうちに、相手を思いやる気持ちも少なくなり、セックスレスから回復する道も閉ざされてしまう。これを放っておくと、お父さん、お母さんという立場があるだけの夫婦になってしまう。
「愛はセックスから生まれ、セックスレスは愛を閉ざす。」 これは絶対の自信を持って言える真理。
快楽に重きを置く人も、愛に重きを置く人も、セックスには励んだほうがいい。
セックスを差し置いて、他に優先してやるべきことなんて滅多にない。
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Topic : タイ・バンコク
Genre : ForeignCountries