マーク島旅行記5:誕生日サプライズ
この週末にマシュマロちゃんと旅行することにしたのは、彼女の誕生日だったからだ。
誕生日を祝うということは、その人の存在を歓迎するということだが、この日は別の意味もあった。
彼女が気違いファランとの別れ話に揉めていた頃、モン族の占師が、
「今年はとても悪い。命に関わる災いがある。男とはすぐに離れて、田舎に帰らなければならない。どの男とも一緒に暮らせない。交通事故に合うだろう。これは、先祖の災いから来ている。お清めをして、山で暮らすこと。但し、この祟りは、次の誕生日で終わり、来年は幸せな年になるだろう。」
と占った。山の民の家族は、その占いを信じ、無理やり彼女を山に戻したわけだ。食品の検査会社に就職し、細菌検査を担当していたのに、わずか3ヶ月で退社。二人で借りたアパートも引き払い、僕とも離れ離れの生活となったわけだ。この間に、気違いファランから受けた仕打ちは酷いものがあり、彼女は心の底まで傷ついた。
その厄病神が誕生日を堺に去ってゆくという。全くもって科学的ではないが、安易に否定出来ないような事件もたくさん起こっていたし、祟とか精霊とか悪霊とかは、日本人でも未だに持ち続けている心でもある。
その悪霊や祟から開放されるという日を祝ってあげたかった。
このホテルのメインのレストラン。波打ち際から5mの距離にある。朝食と夕食はここで摂った。
バナナ・ヨーグルト・シェイク。500ml位あり、これで腹が膨れてしまいそう。
食事も終わり、なにかデザートでも食べようかとメニューを観ていると、
突然、レストランの明かりが消えた。
「何だ、どうしたんだ!?」とお客から声が上がったが、どうせちょっとした停電だろうと思って、僕は海を見ていた。
すると、「ハッピーバースデー・トゥー・ユー」の歌声が。
「えっ、まさか!?」と思ったが、ケーキを持ったミニ合唱団が僕達のテーブルの方に近づいてくる。
「ハッピーバースデー」の後に、マシュマロちゃんの名前が呼ばれ、彼女はローソクの火を吹き消した。
スタップとお客さん全員から拍手と祝辞を受け、二人とも目が涙で潤ってしまった。
プレゼントされたケーキは、直径20センチくらいのチョコレート・バターケーキ。ホテル側からのプレゼントで追加料金はもちろんない。ただ、満腹でとても食べきれなかった。部屋の冷蔵庫に入れて、翌日のお昼にやっと4分の3だけ食べた。
僕からホテルには誕生日のことは言っていなかった。ただ、チェックインの時に誕生日を書くところがあって、それで分かったのだと思う。
写真も一枚だけ撮ってもらった。これまでのシーンをもっとたくさん撮影しておけばよかったのだが、何しろサプライズな出来事だったので、写真を撮るのも忘れてしまった。
ホテルには、レストランの他にバーがある。食後はそちらに移動して、お酒を飲みながらくつろぐ。
これがそのバー。カウンターは小さい。
カウンターの前には巨大なチェスが。
BBQもある。
あまり種類は多くないが、新鮮で美味しかった。
僕らは、浜辺のテーブルでカクテルとBBQを摂った。
テーブルから海までは7メートル。
ワンコにイカ焼きをあげたら、食べないと思ったのに、美味しそうに食べた。
砂浜のロープに小さなカブトムシが留まっていた。
それをつかんで記念写真。
この無邪気な笑顔が消えませんように。
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