シラチャー逃避行
8月初旬のこと。絶不調の最中。
イギリスから気違いがやってきて、僕のオフィスを襲撃すると予告してきた。
彼は正しく精神異常としか思えず、何をするか全く予想がつかない。完全なる言い掛かりであって、僕は無実なのだが、変なトラブルに巻き込まれて警察沙汰になるのは嫌だ。
僕は恐ろしくてたまらなかった。仕事にも全く手がつかない。
懸命なのは、ここを脱出して気違いと会わないことだろう。
たまたま、お昼を一緒に食べたモンとプーに、
「少しの間、ここに居たくない。何処かに逃げたい。」そう言うと、二人は怯える僕を見て、
「そうよ、何処かへ行っちゃえばいいのよ。じゃ、今から行きましょう!!」
そして3人は、昼食後、オフィスに戻らずにそのままシラチャーに向けて車を飛ばした。
「元気出しなよ。大丈夫だから。」
モンの服は、僕が別の女に着せるつもりで買っておいたサバイサバイなリゾートドレス。トイレで着替えて、即効旅行モードに。
それにしても、この二人は、なんでこんなに元気なのか?
日本町。変な感じ。
僕だけ気分が乗らない。
僕を励ますとか言って、自分たちだけで楽しんでいるフシもある。
それから海岸のレストランに行って食事をすることに。そこにプーの新しい彼氏も加わった。
雨の振りそうな夕べだ。
ビールと美味しい料理で気分上々のモン。
いろんなポーズ写真を撮るが、僕の顔は暗い。
それでも、底抜けにはしゃぐ二人に助けられ、いくらかは気が紛れた。
シラチャーの夜も暮れてきた。
この後、バンコクに帰りたくなかったので、モンと一緒にパタヤまで行って泊まることにした。
僕は色んな所に行っているものの、パタヤはあまり好きになれず、パタヤの繁華街に来るのは初めてだった。モンの方は、前の彼氏と何度も来たことがあって、パタヤは得意中の得意という感じだった。どこのホテルがいいとか悪いとかよく知っていて、アゴダであっという間に予約してくれた。
モンと二人で、ウォーキング・ストリートを歩いた。
ゴーゴー・バーに入って、「あの娘がいいんじゃない?胸も大きいし、きっと性格もいいわ。スッキリしておいで。」
とモンに言われたが、全くその気になれずに1時間程度でホテルに戻って寝た。
翌日、恐る恐るオフィスに戻ると何事も無いようだった。
しかし、チャットで女を調達して泊まりに来てもらい、初対面のその女と一緒に、翌朝早くからチャーン島に向けて2泊3日の逃避行を続けたのであった。
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Topic : タイ・バンコク
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