屋上ガーデンの小鳥:雛落ちる

熱でだるい身体に鞭打ち、2日に一回の水やりのために屋上ガーデンに登った。

鳥の巣に親鳥の姿はない。小鳥たちはどうなったのかと覗きこんでみた。まだ短いがすっかり羽が生えていて、目もパッチリ開けていた。つい数日までまでは羽も白い骸骨で眼は閉じたままだったのに。鳥類の成長はほんとうに速い。

なかなかピントが合わないので、もっと近づいてシャッターを切ろうとしたら、目が見えるようになった小鳥は驚いて巣から飛び立ってしまった。

SL141969

この直後に一匹が飛び出してしまった。

まだ羽が短いので上手く飛べない。でも、なんとか水平に4メートルほど飛んで、ベンチの上のランの鉢に止まった。捕まえて、巣に戻してやろうとすると、怖がってまた飛び立ち、壁にぶち当たって、大きな植木鉢の奥に落ちてしまった。

いくら探しても、何処にいるのかわからない。このままでは死んでしまうと思い、一生懸命捜索するも見つからない。雛は静かにしていた。

すると親鳥が帰ってきた。

始め巣のところに行くと、

「あらやだ、一匹居ないわ。」と言って少し高台に戻る。僕は物陰に隠れて様子を見ていると、親鳥はすぐに雛のいる場所が分かったらしく、植木鉢の奥に降りていった。親の鳴き声に雛が答えたのだろう。

「あら、坊や。そんなところにどうしているの? 飛んじゃったのね。まだあなたは飛べないのに。さあ、どうしましょう。」

と騒いでいる。それから

「ちょっと、あんた、大変! この子が落ちちゃった。すぐにこっちへ来て!」と大声で父親を呼ぶと、直ぐに父親は飛んできた。

それから両親は下に降りたり、木に止まったり、行ったり来たりで大慌て。

地上50cmくらいの木の上で、羽をばたつかせて

「坊や、こうやるのよ。こうやって、ここまで登って来なさい。」

雛鳥はバタバタ羽をバタつかせているが、狭い植木鉢の向こう側なので上がってこれない。

「諦めるな。こうやって飛んで登ってこい。お前ならできる!」そう父親も言って、一生懸命励ましている。

親鳥二羽は下りたり登ったり、羽をばたつかせて子供を呼んだりして大忙し。

もう水平飛行が出来るので、木を少しづつ登って、巣の高さまでくれば、後は一気に巣に戻れるのではないかと思った。

それまで雛の体力が続くかどうかが運命の分かれ道だ。

しかし、ともかく親鳥は助けようとしているので、巣に戻る前でも餌をあげることができるかもしれない。

20分ほど見ていたが、雛は上がってこれない。一度、植木鉢の上まで登ってきたが、また落ちてしまった。

親鳥達は諦める様子はない。

「さあ、頑張りなさい。こうやって飛んで、少しづつ上に登って来なさい。」

言葉は分からないが、そう言っているのは間違いない。雛も必死だ。

 

この話をプーにしたら、

「それは大変。どうして助けてあげないの?私助けに行ってくる。」と、一人屋上に登っていった。しかし、直ぐに

「何処にいるのよ。見えないわよ。ちょっと、あんたここに来て、何処にいるか教えて!」と呼び出しが。

 

重い身体を引きずって5階の屋上まで行ったものの、雛は静かにしていて、何処にいるか分からない。親鳥も居ない。

「もう一匹は巣にいるの?」

とプーが言うので、覗きこんでみると

SL141971

いました。

 

しかし、あろうことに、この直後にこの一羽も驚いて飛び立ってしまった。

そして、二羽とも植木鉢の奥に入ってしまった。プーは追いかけて捕まえようとするが、捕まえられない。

「あああ」と呆然としているとことろに、親鳥が帰ってきた。

「あら、二人共いなくなっちゃった。まあ大変。」

「ちょっとあんた!直ぐ来て。2羽ともいなくちゃっちゃったわよ!」

母鳥と父鳥は、子どもたちの居場所をすぐに見つけた。

そして、木の上で羽をばたつかせ、

「さあ、ここまでおいで。登っておいで。」と交代交代で雛を呼ぶ。

そのうち、一羽の雛が1メートルほどの樹の枝まで登ってきた。そして、思いっきり飛び立ち、巣より少し高い位置になる塀の上に止まった。

「あと一息だ。ここまでくれば、あそこから巣まで飛んで戻れるかもしれない。」そう言うと、プーは手に汗を握って見ている。

「あとは親鳥にまかせておこう。僕達では助けられない。親鳥は助け方を知っているみたいだし。」そう言って僕は一人下に降りてきてしまった。

しばらくして、戻ってきたプーは、

「きっと助かるわ。」

夕方、どうなったか見に行ってこようと思う。

 

 

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Topic : タイ・バンコク
Genre : ForeignCountries

Comments

救出できない理由

要は植木鉢が大きいか数が多いかでどけられないという話ですか。

その後、どうなったのでしょう。

Re: No title

> 二羽が飛んで巣に戻るのはむつかしいでしょう。
> 隅のほうに小さなダンボールでも置いてあげれば避難するのではないでしょうか?
親鳥も雛も見当たらなくなってしまいました。

No title

二羽が飛んで巣に戻るのはむつかしいでしょう。
隅のほうに小さなダンボールでも置いてあげれば避難するのではないでしょうか?

Re: 巣

> ダンボールなどで仮の巣を作ってあげたら如何でしょうか。
巣は未だあるんですよ。単ボールの巣で居着いてくれるのでしょうか?

ダンボールなどで仮の巣を作ってあげたら如何でしょうか。
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