至福のひととき
日本在住の時は、毎日お風呂の湯に浸かるのが当たり前だった。
そして、いつもお風呂にいろんな温泉の素を入れて楽しんだものだ。
お湯にゆっくり浸かり、お酒も回って良い気分になって、大きな声で昭和の鼻唄を歌うのが常だった。
そんな当たり前の普段がタイに来て無くなった。
お風呂自体がなかったからだ。
でも、新築の我が家にはお風呂を設置したのだ!
そして、高級な温泉の素はないものの、庶民的なバスクリンはタイでも手に入る(ネット販売サイトだけど)。
だから、10年ぶりに温泉もどきのお風呂に入れるようになった。
カオヤイの夜は意外と冷えるので、温かいバスクリンのお湯は有難い。
タイ人のマシュマロちゃんさえも、バスクリンのお湯が気に入って、タイ人にしては熱いと想う温度のお湯に浸かって喜んでいる。
僕が使ったお湯は汚いと言って流して入れ直すというタイ人特有の非常識に腹が立つが、自分が入ったお湯は汚くないらしく、途中で僕を呼び込む。
狭い湯舟に二人入るのは窮屈で、いまいち寛げないが、その代わり愛を感じられるので、僕らには至福の時間となる。
バスクリンは、取り敢えず柚子と新緑とラベンダーの3種類を買った。
色と匂いが違うだけだが、それでも今日はどれにするか考える瞬間が楽しい。
ここの簡易水道は井戸水なので、カルシウム濃度がとても高く、バスクリンの主成分である硫酸ナトリウムと併せると、意外と芯まで温まる。
身体を洗うのが面倒くさい時は、ボディーソープ等を湯に贅沢に流し込んで、湯舟の中で手で身体を擦れば、シャワーのお風呂よりも沢山の垢が落ちる。
このことは、多くのタイ女性と遊んだバンコクでの経験から実証済みである。