幼妻の腹痛:夜間救急医療

昨日の夕方まで、住込みワーカーの幼妻は、僕が案山子の骨格を作るのを元気に手伝った。

ところが、その夜8時頃、急に腹痛と下痢と嘔吐が始まって、それが深夜になっても治まらないから、アナマイ(タイの保健所)に行きたくなった。けれど、彼らはこの地のアナマイが何処にあって、どう対応したら良いか分からないので助けてくれと電話して来た。

アナマイ(保健所)には普通医師は居ないけれど、健康問題が生じた時や妊娠後期やヘビに噛まれた時に行くと、保健婦が観てくれて(薬局で買えるような)簡単な薬(痛み止め、解熱剤など)なら処方してくれるし、必要に応じて病院と連絡をとってくれる。24時間オープンで費用も安く庶民の味方である。

昨夜はウトウトしていた夜の12時半頃だったが、仕方無く起きて、近所の保健所に幼妻と旦那とガキンチョを連れて行った。(良くも悪くも、家族はいつもセットなのだ。)

ところが、何故が保健所はもぬけの殻。コンピューターが4~5台動いていて、複数の部屋の照明も着いていたし、扉も開いていたのに呼んでも誰も出て来ない。きっと、奥で寝ているんだろう。

ちょっと困ったが、考えてみると、医師も居なくて検査機器もない所に夜遅く駆け込んだからと言って、いったい何のメリットがあると言うのだろう。

一文無しなら病院には行きたくないかも知れないが、病院に行かずにアナマイで済む程度なら、家で寝てれば良いのだ。逆に、原因も分からず寝てられないほど苦しんでいるなら、病院に行かなければ意味がない。

そう思って、保健所は止めてパクチョン市内の公立病院の救急医療ERに連れて行くことにした。

そこは勝手知ったる場所。今迄にワーカーの為に何度か行ったことがある。

いきなりER(救急医療室)に乗り付けて、彼女をERにぶち込んだは良いが、問題はその後何の情報も提供されない。

僕らはERには入れて貰えない。今何をしていて、今後どうなるのかさっぱり分からない。

待つこと数時間。夜が明けてきた。

その間、10分起きにひっきりなしに救急患者がERに運ばれて来た。

咳が止まらない子供、血だらけの交通事故被害者、産気付いた妊婦など、実に賑やかだった。

この町に、こんなに多くの救急患者が居たとは驚きだ。

勿論、一睡も出来なかった。

朝6時頃になって、漸くERから出て来て、入院病棟に移された。

その間、医師からの説明は一切無し。検査結果も見せてもらえない。

看護婦に尋ねたところ、どうやら急性虫垂炎つまり盲腸で、明日手術すると言う。

正直、僕は唐辛子の食べ過ぎの腹痛位にしか思ってなかった。熱は無さそうだったし、夕方迄一緒に元気に案山子作ってた訳だし。

病棟移動中に尿検査の結果だけサッと見ることが出来たが、何の異常値もなかった。本当に虫垂炎なのか?

ともかく、お陰様で一睡も出来ないまま、今日のいちご園に出勤して働く破目になった。

今夜聞いた話では、夕方3時に彼女は虫垂炎の手術を受けたらしい。

昨日の夜から、旦那とガキンチョは病棟に付きっきりだ。

今週後半は4連休で、お客さんが大勢来て超忙しい予定なのに、有り難いことに一家揃って長期休暇である。

こういう家族の寄添いが良いのか悪いのかは分からないが、二人の欠員は僕のいちご園にとっては悪い兆候である。

ところで、タイの公立病院は、お金の無い人にとっては、そこに行くしか他に選択肢はないし、実際超安価で最低限の医療は受けられる。大抵は患者の教育レベルも低いので、医学的な説明をしたところで、多分通じない。医師が独断で全てを決めてやるしかない。

大多数の貧困者にはとても有り難い貴重な社会的基盤だと思うが、もしも僕自身かマシュマロちゃんが病気や事故に会った場合は、たとえお金が無くても、借金してでも、良い私立病院に行きたいと思う。

胃のない胎児だったTJ君は、ここからチュラロンコーン大学病院に回されたから助かった。

カオヤイに来て2ヶ月でB型肝炎で亡くなったワーカーは、スキルス胃がんだったはずなのに、死ぬまで一度もX線検査はなく、ここの臨床検査技師による超音波検査で胃袋周辺の多くのしこりが見えただけだった。

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サラリーマンはもう飽きた。気がつけば人生の残りも僅か。ここはひとつ、窮屈な日本を抜け出し、活力あるのにどこかゆる~いタイを舞台に、自分らしい第二の人生に旅立つことを決めてしまった親父。
タイに来て早10年。挑戦と冒険の心を忘れずに、異国でセカンドライフを謳歌している60代のオヤジです。

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