やっぱりオイラは日本人
タイに来て早7年半になり、身体も心も半分タイ人化した僕だが、今だにどうしてもタイ飯が好きになれない。
殆ど毎日安いタイ飯を食べていて、唐辛子さえ沢山入れなければ、どんなタイ飯でも食べられるが、今だに正直余り美味しいとは思わない。
僕が心から美味しいと思うのは、ガキの頃から青年期迄に食べたお母さんが作ってくれた日本の家庭料理の味なんだ。
例えば、
熱々の白ご飯にふりかけを掛けたやつ。
味噌汁と海苔と小さなアジの干物。
脂で焦げてない目玉焼き。
少し甘い出汁たっぷりの玉子焼き。
ラードで揚げたコロッケ。
懐かしのメンチカツ。
鶏ガラを煮込んたスープで作ったラーメン。
トンカツ。
キャベツたっぷりのお好み焼き。
翌朝のカレーライス。
鯖の味噌煮込み。
言い出したら止まらない。
そういった物は、どれもバンコクならあってもカオヤイにはない。
食べたければ、自分で作るしかないのだ。
🍚🍛🍜🍱
昨日、テスコロータスで、一匹17バーツの冷凍鯖を見つけた。明らかに真鯖じゃないけれど、30センチ以上あって美味しそうだった。4匹買っても、たったの68バーツ(約240円)。
急に鯖の味噌煮込みか塩焼きが食べたくなって買って来た。
レシピを観て、さっと熱湯で臭みを取ってから、味噌煮込みと保存用の水煮を作った。
身は乱れて美しくないが、味は懐かしの鯖の味で、思わず「ウメー!」と唸った。
自分で作った日本食が一番美味しいと思うのは自然の摂理。
マシュマロちゃんは、タイ人にしては日本食が好きな方だが、僕の作る日本食は美味しくないらしく、いつも残す。折角美味しいのを作ったのにと腹が立つが、仕方がない。
何が美味しいのかは育った習慣で決まるものだから。唐辛子を齧りながら白飯を食って来た人と、納豆掛けて白飯を食って来た人とは、美味しい感じる物が異なるのだ。
先日は、餃子を自分で作って食べたら、やっぱり最高に美味かった。
餃子などはロータスにもビッグCにもセントラルにもロビンソンの日本食レストランにもあるのだけれど、自分で作った餃子が一番美味く感じるのは何故だろう。
やっぱり僕は日本人なんだ。これは死ぬまで変わらない。
🍇
先日はデラウエアの様なブドウが1キロ40バーツで売っていたので買った。100バーツ払ったら、お釣りが50バーツしか帰って来なかったので、
「おい親父!キロ40バーツと書いてあるのに、何でお釣りが50バーツなんだ?」
と問い正したら、
「ああ、料金書き間違えた!これはキロ50バーツだった。」
と主張する。
自分より年下の親父に向かって、
「ふざけんなよ。この糞親父め!」
と食ってかかろうとしたが、たった10バーツで騒ぐなんて天下の日本男児の恥になるから止めておいた。
話は逸れたが、このブドウが美味かった。
写真の様に、房から外れたブドウを掌にいっぱい載せて、それを全部一揆に口の中に押し込む。
口の中のブドウを激しく噛み砕いて、口から溢れそうになる果汁を飲み込むと(種なしブドウだった)、ガキの頃から忘れかけていた超美味いブドウジュースの味に感動した。
「なんだこの美味さは!?」
ブドウってこんなに美味いものだったかな?
皮に白く着いた酵母菌が口の中で少しワインになったみたい。
僕の田舎はブドウの産地で、特にデラウエアが多かった。デラウエアの実には、カブトムシやカナブンが集っていて、腐りかけるとアルコールと酸の匂いが立ち込めた。
カブトムシを取ってあげれば、少しくらいブドウを食べても誰も気にしなかった。
その時の美味さが思い出されて、掌いっぱいのブドウを何度も口の中に放り込んだ。