住込みワーカーの家の新築1
世の中は大戦争に向かって一直線なのに、僕はと言えば、ここ一週間程、住込みワーカーの家の建て直しに奔走している。
睡眠時間も十分に取れないほど、設計や施工に時間を費やしている。
と言うのも、凡その設計が出来た頃に、マシュマロちゃん等からイチャモンが入り、何度も設計変更させられたから。
難しいのは、如何にしてお金を掛けないで丈夫に作るか。
住込みワーカーの胃のない胎児が食道と胃を繋げる手術が終わって、ワンナムキアオのマシュマロいちご園にある掘っ立て小屋に帰る時、チュラロンコーンの医者が掘っ立て小屋の写真を見て、
「こんな劣悪で不衛生な環境なんですかあ? これでは退院させられないですね。もっと清潔な家が建てられるように、政府に打診してみます。」と言われた。
(結局、政府からの補助はなかった。)
確かに掘っ立て小屋はみすぼらしいものだが、決して不衛生じゃなくて、不衛生なのは住込みワーカーの生活習慣だったので、「オイラが一生懸命作ってやった家にケチ付けやがって」と少し頭に来た。
「ゴミや食べ残しを庭先に投げ捨てるな。扇風機は数カ月に一回は埃まるけのファンを拭け。食器は洗ってから家の中にしまえ。布団は半月に一回は陽で干せ。」などなど。
しかし、何一つ改善されなかった。
そして、二回建て直した掘っ立て小屋も、既に2年が経ち、丸太の柱がシロアリやカミキリに食われた。特に地面との付け根が腐って、暴風が吹けば倒壊する恐れが出ていた。
「建替え時だな。」と思った。
もともと、超低価格の丸太小屋は、2~3年しか耐久性がないので、今年建て直す時期でもあった。
ただ、掘っ立て小屋の環境が衛生環境が悪くいが故に、胃のない胎児の子供TJ君が健全に育てられないと言われるのは、オーナーとして遺憾なので、お金はなくても、建て直すならもうちょっとマシな家にしたかった。
それで、ユーカリの安丸太は止めて、全部鉄の角材で骨格を作るか、コンクリートの柱に2バイ4のような木材で家を作ろうと思った。
紆余曲折の結果、コンクリート柱と鉄角材の床と屋根で作ることになった。
つまり、カオヤイのショップと似た基本構造だ。
こういう鉄骨入りコンクリート柱を使うことにした。
地面を測り、直角をとって、穴を掘り、砂利を敷いて、同水準になる様にセメントを入れて固めた穴にコンクリート柱を立て、垂直を取って、セメントで土台を固めた。
ここ迄来るのに丸2日。柱の一つが直角と水準がずれてしまっていることに気付いたが、もう直せない。
コンクリート柱と5インチの厚めのCチャンネル鉄角材をボルトで留めて、薄い鉄角柱を載せて溶接。
お金があれば、もっと丈夫に美しく出来るだろうが、最低限の材料と最低限の技術で出来るように考えた結果、こうなった。
コンクリートの上部、屋根も鉄材にして、遂に丸太掘っ立て小屋から脱却した。
この辺りの溶接に苦労した(と言っても、僕は何処をどうするか指示するだけで溶接作業はしなかった。超下手なので。)
ここ迄で4日間。予定の倍の時間が掛かってしまった。
次回は、屋根と壁と床の製作について記録したい。
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