子供を作りたくなった理由
マシュマロちゃんと知り合った時、彼女は未だ24歳だった。
しかし、今はもう30歳。あと5ヶ月で31歳になる。
知り合った頃は気付かなかったが、彼女はとても子供好きだ。
親類の子供か、他人の子供かには関係がない。
FBで誰かの子供の可愛い動画、おかしな動画を見付けると、凄く興奮して何度も観て笑う。それから、
「観てみてこの子、こんなに可笑しい。」と必ず僕に見せつける。
妹や兄の夫婦の間に出来た子供たちなどは、可愛くて仕方ない。会えば必ず親から子供をぶん取って抱き抱える。
住込みワーカーの胃のない胎児TJもとても可愛いがる。
人の子の為に、何着服を買ったか分からない。
お菓子作りも子供達に上げたいからやってるんじゃないか?
とにかく、僕は今まで彼女ほど子供が好きな女性を見たことがない。
けれども、不運なことに、子供ができないジジイを好きになってしまった。
僕が子供ができない、つまり不妊手術(タイ語でผ่าตัดทำหมันまたは単にทำหมัน タンマン)していることは当初から知っていたので、「僕に子供を作ってくれ」とか、「子供が欲しいからなんとかしてくれ」とか言ったことはないが、本当は欲しくて仕方がなかったと思う。
僕は、そもそももう子供は要らないと思って不妊していた訳だし、もう先が長くないかも知れない60歳を超えて子供を作るなんて非常識、無責任だと思っていた。
仮に来年子供が出来たとすると、子供が成人する時は81か82歳になっている訳で、がんか何かで死んでる可能性だってある。
もう会社勤めは終わっているので、養育費だって大いに不安だ。
そんな責任持てないようなことをしたら、彼女や子供を不幸にするだけで、まともな人間がすることじゃない。
そんなふうに考えていた。
だけども、彼女が子供を持てた場合と持てないまま人生が終わる場合と、彼女は何方が幸せだろうかと問えば、明らかに子供がいた方が幸せだと思えるようになった。
タイの田舎では、日本と違って子育てにそれ程お金はかからない。場合によっては、僕の少ない年金だけでも生きて行ける。教育費だって、彼女の親はマシュマロちゃんの小学校から大学まで一銭も払ってないが、公費でちゃんと学べた。認知すれば、今どきの日本なら高校まで行かせて貰えるかも知れない。
彼女の親戚で大学まで言ったのは彼女だけで、他は高校までか高校も出ていないが、ちゃんと良い人生を送っている(稼ぎは悪いけど)。
普通に若くして子供を持っても、早くして病死や事故死することもあるし、離婚して離れ離れになってしまう事もある訳なので、余り将来のことを考えても仕方がないかも知れない。
それより、今この時を幸せにしてあげたいと思うと、やはり子供を持った方が良さそうだ。
自分では、自分のDNAが良いとは思ってなく、どうせなら別の良いDNAを使いたいところなので、彼女に浮気でもしてもらえば良いが意外と簡単じゃない。
医者の力を借りて他人の精子で体外受精するとか、精子バンクや善意の提供者から生きの良い精子を貰って(買って)使うことも考えたが、法的にも精神的にも問題が多くて簡単じゃなさそうだった。
因みに、タイでも日本でも、法的な配偶者間でない精子を不妊対策として病院で使うことは、法律でも学会でも許されていない。
(タイで、いろんな女とやりまくって10数名のガキを作った日本人もいるが)
それに、子供の話をしたら、驚いたことに彼女は、
「あなたの子供が欲しい。」と言った。
何故かと聞けば、
「あなたは私より鼻が高くて、髪の毛が多くて、私より性格が良いから。」からだそうだ。訳が分からんが、僕の精子が良いのだそうだ。
そんな訳で、僕の精子で子供を作ることに挑戦してみることにした。
子供が出来れば、彼女は子供に夢中になって、僕などほったらかしになること請け合いだが、毎日笑顔が溢れる生活になりそうだ。
子供がいれば、仮に僕がくたばっても彼女は独りにならずに住む。運が良けりゃ、将来子供が彼女の面倒を見てくれるかも知れない。
いちご園との両立は簡単じゃないが、妹さんも産まれて半年の子供を連れて僕らいちご園に来て働いた訳なので、出来ないことはない。
僕自身も、まだまだくたばれなくなるので、健康に留意し、しっかり働いて、第二の人生にいっそう張り合いが出来るだろう。
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