カヌンの逆襲
天空の村のマシュマロちゃん宅から帰る直前、庭のカヌンことジャックフルーツの巨大な実が、歩いていた僕の前方3メートルに突然落ちて来た。
落ちたカヌンは、重さ20kgはある大物だった。長さ50センチ、太さ30センチ。表面は硬いトゲトゲで、こんなのが頭に当たったら、頭蓋骨が持ったかどうか分かったもんじゃない。
見上げると、未だ10個以上の実が成っていた。
落ちた時は、物凄く大きな音がした。
僕はちょっとビックリした程度だったが、家中の者達が駆け寄ってきて、口々に、
「いやあ、危ないところだった。」
落ちたカヌンの実には割れ目が入って、プーンと甘く熟した匂いが立ち込めた。
トゲトゲと重さで男達でも落ちあげられなかったので、地面の上で包丁で二つに切り分け回収した。そのうちの一つが、僕らへのお土産になった。
僕はカヌンの実は大好物なのだが、落ちたカヌンはちょうど食べ頃に熟していて(だから落ちたのだが)、とても甘く香ばしくて、二日で食べきってしまった。
村でも、カヌンの実が落ちて頭に当たったは居ないらしい。
ハムケンは悪運が良いのか悪いのか?