ヘルメットなんか死んでも被りたくない
自分が交通事故にあったから言う訳ではないが、タイは世界最悪級に交通事故死が多い国だ。
世界保健機関(WHO)がまとめた2018年版の交通事故に関する報告に依ると、タイは2016年の人口10万人当たりの交通事故死者数が32.7人とアジア最悪、堂々世界第二位だったようだ。
ついでに、他の国の状況を見てみると、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国の交通事故死者数は、
ベトナム26.4人
マレーシア23.6人
ミャンマー19.9人
カンボジア17.8人
ラオス16.6人
フィリピン12.3人
インドネシア12.2人
シンガポール2.8人
ASEAN以外の主要国では、
インド22人
中国18.2人
ロシア18人
米国12.4人
韓国9.8人
ドイツ4.1人
日本4.1人
英国3.1人
だそうだ。
日本は随分少なくなったものだ。
タイの交通事故死が多い理由の一つは、オートバイ、バイクによる死亡者数が多いことで、死亡者数の約70%がバイクによる死亡で、これも堂々世界第二位である。
バイク事故による死亡が多い理由は、
○ ヘルメットを被らない
○ 運転免許証を持ってない
○ ブレーキのアンチロックシステム未装着率が高い
○ 飲酒運転が多い
などがあるようだが、ヘルメットを被らない率は驚くほど凄い。
警察等の努力で、バンコク圏の無免許率とヘルメット無装着率は下がったが、バンコク以外の地方では、バンコクから来る高級バイクに乗るツーリング族以外は先ずヘルメットを被らない。
カオヤイ、ワンナムキアオ付近では地元モトサイのヘルメット装着率は5%以外と思う。
無免許も多く、免許を持っている人より断然多い。つまり無免許が普通なのだ(そういうハムケンもバイクの免許持ってない!)。
なにしろ、小学校高学年の生徒が後部座席に低学年の弟か妹を載せて通学しているのだ。勿論、無免許、ヘルメット無装着当たり前。これがタイの地方の普通の姿なのだ。
田舎で生活の足としてオートバイに乗っている人にヘルメットを被れと言っても、免許証を取得しろと言うより無理な注文のようだ。
そもそもヘルメットなんか持ってない。
僕とマシュマロちゃんは事故の後、住込みワーカーにヘルメットをするように指示し、座席の下に備え付けの赤いヘルメット以外に、二人乗りのために昔買った優良ヘルメットを進呈したが、彼らはその後もタダの一度もヘルメットを被ったことがない。
つまり、仮に持っていても被らない。
何故ヘルメットを被らないのか問い正したら、
暑い、臭い、うっとうしい
確かに雨の日以外は蒸し暑いし汗臭くなるが、それでも事故で頭が割れるよりマシだろうと思って、再度ヘルメットを被るように指示したが、その後もやはり一度も被らない。差し上げたヘルメットは捨てられたまま。
死んでもヘルメットなんか絶対に被りたくないらしい。
だけど、バイクは転びやすい。道路の泥や石でも転ぶし、急ブレーキを掛けたり、自動車や人とぶつかったりしたら転ぶ。
転ぶとかなり痛い。
僕を跳ねた少年も、ヘルメットがなかったので耳が剥げ落ちた。
転ぶと頭を打つ確率が高い。頭が割れて、脳味噌が飛び出す。
皆そういう事故を目の当たりにしているのに、それでもヘルメットは被らない。
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