新しい住込みワーカーの男
カオヤイ農園の畑管理の男が足りなかったので、去年まで働いていた野郎に「また今年も来ないか?」と誘ったら、「喜んで行く。飛行機で明日行くから、飛行機代3000バーツ送ってくれろ。」と言うので送ってやったら、来なかった。
「金貰っといて来ないとは、幾らお前でも酷いんじゃないか?」
と詰めたら、
「行くつもりで今の職場に話したら、前払いして貰っていた5000バーツを返す迄は、辞められないと言われた。」と言う。
当たり前だ。
「そんな事も未解決のまま来るつもりだったのか? ともかく、来ない以上、送った金は返せ。」
そう言ったら、
「すまん。使ってしまって金は無くなった。勿論、出来次第返す。」と言う。
情けない男だ。
「お前みたいな情けない男はもう要らん。」とは言わなかったが、心からそう思ったので、他を探すことにした。
他を探すと言っても、カオヤイ周辺のイサーン人にろくな奴は居ないことは分かっているので、一月前に来た住込み夫婦に、
「誰か畑仕事が出来る男一人見つけてくれないか?」と頼んだら、数日後に見付けたと言う。
「その人は、血は繋がってないが俺の兄貴で、畑仕事が出来る。歳は40際くらいで、酒もタバコもヤーバーもやらない。3日後に来るというから、バス代の3000バーツを送ってやってくれ。その金は給料から引いてくれれば良い。」
と言う。
「また、そのパターンか。何で家族持ちの大の男が、バス代1000バーツも無いんだ!」と思った。
足りないのが1000バーツなのに、3000バーツ送って欲しい理由は、
「子供の食費と学費に2000バーツ置いて来ないと行けないから。」らしい。
その男、つまり住込みワーカーの男の兄さんは、住込みワーカーの妻の女の兄さんでもあるらしい。
訳が分からん。
ともかく、その男は予定を一日遅れてやって来た。
来てみると、小柄ながら真面目な奴だった。
無口で綺麗好きと言う理想的な性格で、僕は気に入った。おしゃべりで不潔はワーカーとして最悪である。
しかも、住込み夫婦の兄弟なので、衣食住や仕事のやり方など、僕が細かく言わなくても、彼ら同士でやってくれるのでとても助かる。
なんか今期の今後は、上手く行きそうだ。
美味しい酒が飲めた。
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