クラウン冷却
今、クラウン冷却というのをやってみようか検討している。
クラウン冷却というのは、いちごの茎の基部(クラウンと言う)を冷水で冷やして花芽誘導することを言う。
僕らが使っている王室プロジェクト80番という品種は、もともとは栃木県のいちごが元であるので、花芽が出来るには低温が必要だ。凡そ20度以下の最低気温が何日か続く必要がある。
ところが、ここカオヤイやワンナムキアオでは12月にならないと、そこまで気温が下がらない。この為に、例年クリスマスから新年の肝心要な時期にいちごが成らない。
気温を下げれば良いのだが、露地栽培で気温を下げるなんてほぼ無理。温室と強力なエアコンを使えば冷やせるかも知れないが、そのためのコストが掛かり過ぎて現実的ではない。
そういう訳で、僕らは四季なり品種の導入を試みている訳だ。
しかし、他に冷やして花芽を誘導する方法がないわけではない。
ポイントは、
① 昼間の気温は必ずしも冷やす必要はない。
② 花芽が出来るのはクラウン部分なので、夜間にそこだけ冷やせば良い。
その方法がクラウン冷却というもの。
詳しくはここに書いてある。
簡単に言うと、ポリエチレンチューブをいちごの株のクラウンの近くに設置し、夜間にポンプで冷水を循環させて冷やす。
この方法だと、
① 温室は不要
② 低コストで設置可能
③ クラウン部を確実に冷やせる
というメリットがある。
実は日本の実家近くのいちご園経営者と協同で実証試験をやってみようという話が持ち上がっている。
高い輸送コストで日本のいちごを持ってくるより、海外現地で日本のいちごが栽培出来ればより新鮮で安くて美味しいいちごが提供出来る様になるかも知れないというのが日本のいちご園経営者が興味あるところ。
僕としても、それで80番の中休みが無くなれば御の字だし、日本のいちご栽培の道も開けるかも知れない訳なので、試してみない手は無いように思う。
ただ、相棒のマシュマロちゃんは、こういう誰もまだ成功していない新しい試みを行うことには何時も反対するので、未だ合意が得られていない。
もうひとつの問題は、小規模試験なら低コストで出来るが、いちご園全体にスケールアップすることができるものかどうか定かでないことがある。
小規模試験では、冷水は氷とアイスボックスを使う。流路の長さも100メートル程度で済む。
全体となると氷が何トン要るか分からないし、流路も8km以上になる。
また、実証試験で効果を測定するためには、当然収穫量を測らなければならず、その区域はいちご狩り禁止としなければならないという難問もある。
どうしようかな。
小規模試験くらいはやってみたいな。