クンター吉田さんの新作

確か土日の忙しい時間だったと思う。

いちごスムージーを作るため、轟音を立てるブレンダーと格闘していた時、僕よりは年忌が入った一人の日本人がいちご園を訪れた。

「ハムケンさんですね。吉田です。」

とその人は言った。

見覚えの無い顔だった。はて、吉田さんという人からここに来るという連絡を貰っていただろうか? 毎週何人かの日本人から連絡を貰っていたが、ほとんどの場合、名前は覚えられずにいた。

記憶をま探りながらも、取り敢えず、

「ああ、吉田さんですか。いらっしゃい。」と答えたが、吉田という名前に思い当たらないままだった。

その後、二言三言何かを話したような気もするが、何を話したかは覚えていない。

そのままいちごスムージー作りに忙殺されてしまった。

それからしばらくして、不意に

「吉田さんとは、ひょっとしてあのクンター吉田さんでは?」という疑念が頭を離れなくなった。

クンター吉田さんとは、このブログでもリンクしている

タイ山岳民族の村に暮らす」というブログを書いておられたフリーライターで、

小説「遺された者こそ喰らえ」の作者 吉田清さんである。

この本は僕がタイに来る前に読んだ。

マシュマロちゃんはモン族、オムコイのラーはカレン族(ガリアン)で、民族は異なるが、同じタイ北部山岳地帯で暮らす少数民族で、暮らしぶりなどが似ている点が多く、面白く読ませて頂いた。

そのオムコイでの暮らしを綴ったのが、ブログ「タイ山岳民族の村に暮らす」である。

しかし、久々にそのブログを閲覧してみると、クンター吉田さんは、もうオムコイには居らず、チェンマイの別の場所で暮らし始めたようだ。

その新しいブログは「チェンマイで悠々として急げ」。

そこで彼の新作が発売されたことを知って、さっそくKindle版を購入し、今日読み干した。

アマゾンの紹介文には次のように書かれている。

---

肺癌で妻を亡くした「私」は、介護中に発した極度の不眠と鬱に見舞われ自死への誘惑と絶望の淵に沈んでいた。だが、ひょんな偶然から銀座のマッサージ店で落陽出身の女子留学生小黄に出会う。純朴な彼女との触れ合いを通じて「日常のリズム」を取り戻した「私」は、春休みで帰省した彼女の実家を訪ねるべく、北京、上海経由で落陽に向かうことになった。だが、不眠と鬱の反動から一転して異様な「躁」状態に転じていた私は、向こう見ずな狂躁の中で取材の行き過ぎを起こし売春マフィアに拉致されたり、銀行員との乱闘事件を巻き起こしたり、市民さえ怖れる公安警察にひとり乗り込んだり。無軌道な旅の混乱に翻弄されながらも、なぜか人間との出会いに恵まれる。人のいい能天気な売春婦の小霊、落陽のホテル・ビジネスセンターで「私」の世話を焼く切れ者少女小楊、雲南省麗江納西族長老の娘で出戻りタクシードライバーの小洪などなど、男女の仲を超えた人間的な触れ合いを重ねてゆく。そうして、最後にはタイのチェンマイで山岳民族カレン族女性との運命的な邂逅を果たし、山奥のカレン集落で人生崖っぷちの“生き直し”を図り始める・・・。「第一回開高健ノンフィクション大賞」最終候補作家が、自らの壮絶な実体験を容赦なく晒し、えぐる“喪失のあがきと狂躁のもがき”。そうして、ようやく辿りついた自給自足の村で見出した「生きる原点」とは? 2019年1月新刊行の<アジア・ノンフィクション文庫>第一弾『「遺された者こそ喰らえ」とトォン師は言った』の前編に当たる待望の新作小説が、いま<アジア・フィクション文庫>第一弾となって堂々の刊行! 
 愛する者に遺された人、そうして人生の意味を求めて旅をさすらうすべての老若男女に贈る“”感涙必至の名著“、ここに誕生!

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Comments

Re: No title

色変えてみました。バックは黒ですか白ですか? 黒の筈だけど。。。

No title

字が緑色になると見にくいです…。。

Re: No title

ヨットで釣り三昧。良いですね。

No title

自給自足、良いですね。私の家は山口の島の出で、その島は今は限界集落になっていて、親父はその再興を目指していました。結局何もできずに終わってしまいましたが、私は研究開発に追われる毎日から逃れ、好きなヨットに乗り、釣りをしながら、野菜を育て、電力もソーラー発電で自給自足して、そこでのんびり暮らしたいと思うのです。
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ハムケン

Author:ハムケン
サラリーマンはもう飽きた。気がつけば人生の残りも僅か。ここはひとつ、窮屈な日本を抜け出し、活力あるのにどこかゆる~いタイを舞台に、自分らしい第二の人生に旅立つことを決めてしまった親父。
タイに来て早10年。挑戦と冒険の心を忘れずに、異国でセカンドライフを謳歌している60代のオヤジです。

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