おじさん
いちご園に来てくれた若くて可愛いお母さんから、「おじさん」と呼ばれた。
そのお母さんは、学生時代の同級マドンナにそっくりで、思わず彼女にしたいと思ったくらいなので、その彼女から「おじさん」と呼ばれて、一瞬チクリと違和感を感じた。
タイに来てから、付き合う女性は皆30未満だったし、いちご農園でも関係者は皆若かったので、自分も同じ位若いように錯覚していたのかも知れない。
しかし、その若いお母さんは多分自分の娘よりも若いので、僕は多分彼女のお父さんよりも年寄りである。
もうじき60になる親父であって、お父さんよりも歳が上なら、「おじさん」という呼び方は全く持って正しい。
そんな当たり前なことも忘れているほど、僕の気持ちは若返っていたのだろうか?
「おじさん」どころか、「お爺さん」と呼ばれたって可笑しくない言うのに。
自分ではまだ少年のつもりのお爺さん。