マシュマロちゃん緊急入院2
金曜日の夜、マシュマロちゃんは激しく咳込み、治らない、死んじゃう言ってと荒れた。
日中は、咳が出ない時間が長く、表情も明るくなっていたのに、ぶり返して来たのだろうか?
それで、土曜の朝、もう一度胸のレントゲンを撮った。
肺炎の典型
土曜の朝、丸っぽい陰影が増えている。
検査技師の推定は、
1、重症肺炎
2、がんの肺転移
画像からは、ICUでの処置と抗生剤の点滴で改善が見られない。
担当医が言うには、
「インフルエンザは検査したがネガティブ、喀痰から肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)が検出されたので、それによる肺炎だろうということで、抗生剤で治療してきた訳だが、レントゲン像は改善していない。がんの転移だと怖いが、自分はがんや呼吸器の専門ではないので分からない。専門医の居るもっと大きな病院に転送する。」
僕は少したじろいた。
若くて健康な人が肺炎球菌による市中感染で急に酷い肺炎になるなんて変だ。もしそうなら使った抗生剤が効かないはずはないので、レジオネラかマイコプラズマかあるいはもっと稀な原因菌なのだろうか。
がんについては、確かに丸く肺転移の像に似たところがある気がする。進行が速い小細胞肺がんというのがあるが、画像から肺が原発のがんとは見えない。リンパ腫としたら、他のリンパ節に腫れがあるはずだが、そんなのは一切無い。乳房のしこりも全くない。この若さだし、以前にがんを疑うような症状なんてなかった。よって、冷静に考えれば、がんの転移じゃない。
しかし、画像は尋常じゃないので、ここは至急専門医の居る大きな病院に替えたほうが良いと思った。
バンコク病院は、全国に結構沢山あるが、この近くでパクチョンより大きい所というと、コラートとバンコクしかない。
コラートのバンコク病院には昔何度か会った女が働いていて、その彼女と同居している友人も同病院に務めていて、そこの医師の愛人だった。彼女らとはもう会いたくなかったし、専門医が居る可能性ならバンコクの方が断然高い。
そこで、バンコクはペップリーのバンコク病院に行くことに決めた。それなら、オンラインで画像も検査データも共有出来るだろうと思った(これは間違っていた)。
しかし、バンコクのバンコク病院からは、2時間後にこんな連絡があった。
「救急車をバンコクから手配します。そこには救急医療の医師と看護師が同行します。病院に着いたら、ICUに入ってもらうことになります。救急搬送料として、車内での処置にも依リますが、通常25,000~30,000バーツかかります。ICUは一泊最低100,000バーツ掛かり、数日入ってもらう可能性があリます。これには処置料や他の検査料やお薬代は入っていません。それに了解頂けますか?了解頂けたら、デポジットとして100,000バーツを直ぐに払って下さい。入金が確認されたら、救急車を手配します。」
僕は、ちょっとムカついた。
「えっ?まだ手配してないんですか? そうすると、これからお金払って、それからバンコクからここに来てバンコクの病院に戻ると、6時間かかるから、6時か7時過ぎちゃいますね。今まで連絡を待ってた2時間でコラートだったら行けちゃいますよ。それに患者の様態は安定していて救急車は不要と思います。僕が車を運転して連れていきます。パクチョンでもICUは出て一般病室に居るのに、医師の診察もする前に、ICUって決めないで下さい。」
「患者さんの安全を優先しての提案です。」
お金を取ることを優先してるんじゃないかと思える対応だ。
しかし、ここは大事なマシュマロちゃんの為にベストを尽くそうと思い、全て同意してお金を振込む準備をした。
その間に、いろいろ考えた。病気については上に書いた様に、尋常じゃないところあるが、緊急を要する程じゃなく、ただ呼吸器の専門医に見てもらいたかっただけだ。
その割にバンコクのバンコク病院は高過ぎるし、バンコク迄行ってしまうと、その後不便だ。お金の話ばかりして、払ってからじゃないと何もしない病院の態度も気に入らない。
僕はパクチョン病院の看護師と相談して、急に判断を変えた。
バンコクはやめてコラートのバンコク病院(バンコク病院ラチャシーマ)に行くことを決めた。
看護師にキャンセルとコラート病院に行く手配をしてもらい、午後3時にコラート病院を後にした。
マシュマロちゃんの咳は減り、熱も下がっていた。
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