幻の五角獣
シャワーを浴びて素っ裸で寛いでいると、いつものクイッティオ屋のガキンチョがオートバイで家の前までやって来て、何やら僕の名前を呼んでいる。
取り敢えずタオル一丁で出て行くと、五角獣が採れたと言うことで売りに来たのだった。
五角獣と言えば、チェンマイ辺りで多く見られる羽が茶色のやつが普通だ。
これが未だカオヤイで見ていない五角獣。
三角獣、すなわちアトラスカブトムシは先週紹介した。
ついに五角獣の生きたやつを見れるのかとガキンチョが持ってきたカブトを見ると、上の五角獣とは違う。三角獣でもない。
「何じゃこりゃー!?」と思わず叫ぶ。
ガキンチョ曰く、ここ二年採れなかった非常に珍しい種類だと言う。
メーソートから来ている住込みワーカーに見せても、
「背中が茶色のやつはいっぱい居るが、これは見たことない。」と言う。
ははーん、さては人工交配のF1を持って来たな?と思ったが、兎に角写真撮って詳しく見てみないと分からないので、商売上手なガキンチョから買わせて貰うことにした。
幾らだと聞くと、二年ぶりの初物だから、一匹350バーツだと言う。ガキンチョのくせに足元見やがって。
しかし、もしも人工交配のF1だったり、新種だったりしたら、それは貴重な虫なので、言い値で買取ることにした。
そしたら、流石に悪徳商法と思ったのか、一匹同じ種のオスをおまけしてくれた。
更に、十分後、多分お母さんに叱られて、同じ種のメス二匹をおまけで持ってきてくれた。
つまり、珍しい五角獣2ペア4匹で350バーツになった訳だ。
その五角獣とは、
大きい方の個体
体長6センチくらい。
五角獣と言っても、二つの角は小さい出っ張り程度で、一見三角獣みたいだが、角の形、背中のツヤなどが違う。
こちらは小さい方の個体
こちらがメス
ドキドキしながらネットで調べてみると、どうやら
シャムゴホンツノカブト(Eupatorus siamensis)
らしい。
これを調べているうちに、もう一つ発見して驚いたことがある。
カオヤイ等の昆虫や自然を素晴らしい写真で紹介しているブログ。このブログのお陰で、シャムゴホンツノカブトであることが分かった。
2016年でブログ更新が途絶えているが、未だタイにご在中なのだろうか? 是非お会いしてみたいものだ。
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