いちご軍団勢揃い
昨日、妹さん夫婦がチェンマイの天空の村からワンナムキアオに参上し、いちご軍団がこの地区に勢揃いした。
無論一番乗りは僕らだ。何しろ5月からやってる。
8月になって、兄さん夫婦やその他の親戚軍団、ライバル軍団が続々とやってきて、畑にココナッツポットを並べ始めた。
その中で、大御所兄貴が先週いちごの定植の一番乗りを果たした。前代未聞の早さで、恐らくいちごの第一波は雨季の中になってしまうが、第二波が計画では新年に来るように、今までで一番早く定植した。気候にもよるが、去年と同じ気候だったら、彼の目論見は外れて、新年にやっぱりいちごがない時期が来ると僕は冷たく観ているが、もしも彼の目論見通りになれば、稼ぎ時にバッチリ稼げることになるだろう。
彼は、マシュマロちゃん一族で最初にワンナムキアオでいちご園を始め、何時も美味しいいちごを上手に育てる。僕らは彼から教わったようなものだ。しかし、去年は彼が進出した2つのいちご園が流行らず、散々の結果となった。家を新築したことも重なり、今季のいちご園を始める為の資金が用意できなくなった。僕らは、昨年彼のいちご園の為に数十万バーツを貸したが、彼は返せなかった。その線で行けば、今季のいちご園の為に再びお金を貸すなんて有り得ないが、彼には恩義がある。
「もう一度お兄さんにチャンスをあげて!」と静かに懇願するマシュマロちゃんの眼を見て、僕は首を横には振れなかった。
多分、彼は全額は返せないと思うが、お金は天下の周り物。ケチ言って後悔したくないし、彼はきっと妹を守るから、今季も数十万バーツを貸し出した。
だから、彼には頑張って成功して欲しい訳だが、その頑張りというか経営戦略が異例の早植えなのだった。
僕は彼の戦略には疑問があるのだが、僕の言うことは信用しないのに兄貴の言うことは信用するマシュマロちゃんは、彼の理論に感化されて、僕らのいちご園も今月末に一回目の定植すると言い出した。去年よりひと月も早い。
僕は、早植えしても第二派早く来ないだろうから意味なしと思っているが、特に積極的に反対する理由もないので、彼女の計画に従うことにした。
11月に例年より低温が続けば、運良く新年に第二波が来る可能性はある。
でも僕の結論は、80番を使っての露地栽培をする限り、ここの気候では何をやっても空白時期が来るのは避けられない。それより四季なり性のある別品種を持ってくるのが正解。
カオヤイもワンナムキアオも、新しいいちご園が出来つつあり、競争が激化しそうだ。
いちごに命を掛けたいと言う訳ではないが、どうせやるなら全力で一番を走り抜けたい。