いちご96番の悲劇
四季なり性を備えた貴重な品種96番が悲劇的な結末を迎えた。
種100粒から苗32株を取り、順調に行けば子株が500株位得られるはずだった。
小苗のときにスリップスにやられ、強い農薬をちょいかけ過ぎて24株まで減らしてしまったが、大きくなったので白いビニール(ポリエチレン)袋に定植して、カオヤイ農園に持ち込んだ。
カオヤイ農園に持ち込んだ数日後、僕たちは休暇を取ってバンコクに出掛けた。その留守の間に、農園に住み込んでいるワーカーが気を利かせて水をあげてくれたのだが、、、
近くのタンクに溜まっていた水を確認せずにあげてくれた。
その水には、除草剤が入っていた。
タンクに除草剤が残っていることを僕は教えてなかったので、彼は知らなかった訳だが、除草剤で緑色になっていた得体の知れない水を不注意に与えてしまったわけだ。
結果はこれ。
6株を残して枯れた。
残った6株も瀕死状態で、この先持ち直す見込みはあまり無い。かくして、5000円の経費と4ヶ月の時間は無駄に終わり、僕の将来をかけた実験(ちょっとオーバー)は失敗に終わったのだった。
無教養のタイ人はこんな感じ。
彼の実家の5ライものキャベツ畑は、一ヶ月前に彼の妹の旦那が濃すぎる肥料をかけて全滅させた。
何事もこんな感じで、要は万事注意が足りないのだ。
除草剤をかけたことを知ったときは、まじで殴り倒してやろうかと思ったほど怒った。
だけども、不注意ながら彼は除草剤がタンクに残っていることを知らなかった訳で、気を聞かせて水やりしてくれた訳だから、怒るのは控えた。
その代わり泣いた。
新年に身がなる品種を探して導入することが絶対に必要で、最も期待できる品種の一つだったのに。
また一年を無駄にしてしまった。
こんなテンポでは、とてもじゃないけど成功しない。