マシュマロいちご園ポンプ交換
マシュマロいちご園の水中投げ込み式深井戸ポンプは、使って三年になる。
去年、ポンプのモーターとコントローラー(三相生成器兼過電流遮断器)が壊れたので新調した。だから、今年も未だ使えると思っていたら、どうも動かない。
動かなかった理由はいくつもある。
先ず、400メートルの三相電線が、なんと3箇所も切断されていた。PVCの被覆が剥けて漏電していた箇所は10箇所以上。水を送るPVCパイプの破損箇所も5箇所以上。
コントローラーは過熱してコンデンサーのPCVのような液が漏れていた。
ポンプはなんや知らん動かない。
つまりズタズタ、ボロボロ。
コントローラーは買い替えるしかないが、4000バーツもする。
どうしようか考えていたら、偶然立ち寄った道具屋で安い水中投げ込み式深井戸ポンプを発見。なんと4200バーツ! しかも単相。
スペックを見ると、最大揚水高度は86メートルと十分。実際に近い44メートルでは、100リットル/分。1.5馬力。 使えるじゃん!
と言うことで、もう古いポンプを使うのはやめて、ポンプを新調交換することにした。
これが池から上げた古いポンプ。
15000バーツくらいしたかなあ?
修理して使えるようにしておこう。
これが新しいやつ。箱の写真しかない。
台湾製とのことだったが、ドイツ製みたい。
マシュマロちゃんやワーカーは、そんな安いポンプはパワーが足りずに、水が揚がらないだろうと心配した。僕はスペックを信じるので心配しない。タイ人はスペックを理解しないし、理解したとしても書いた物を信用しない。それで喧嘩になった。
まる一日かけて、電線とPVCパイプを修理し、夕方に新ポンプを池に投入設置して、さあいよいよ電源投入!
しかし、水は揚がって来ない!
何故だ?
その日は時間切れで帰った。それ見たことか、安物買いの銭失い、ちゃんと技術者に聞いて買ったのか? と非難轟々。そして喧嘩の再開。何で俺様の言うことを信じないのか!
ただ、僕は凡その原因が分かっていた。
ポンプが逆回転している。そうに違いない。
赤色と黒色の電線は、ショート防止の為、黒いアルミニウム電線を二本に離して張ってある。赤と黒を間違えないように、10メートル毎に赤い線の方に赤い紐を縛って区別した。なので、間違える筈はない。去年は三相だったので、間違えないように何度も森の中の400メートルの電線をチェックした。
それにもかかわらず、何故か間違っていてポンプは逆回転した。
今回も電線修理の際に、この点を間違えないように最新の留意をしたし、修理後も数回確認した。なので、間違える筈はない。
しかし、去年の前例がある。何か知らないが、何処かで電線が交差していて、それが見えてないのかも知れない。
そこで翌日、次のことをした。
先ず、ポンプ近くのPVCパイプに細い分岐パイプとパルブを付けて、ポンプを作動してみた。ポンプが作動しているのは、池の波と音で分かった。しかし、分岐パイプから水が出ない。ポンプからが空気を吸っているがような音がした。
それで分かった。やはり逆回転だったのだ。
単相なので逆相もクソもないのだが、電線を入れた時にポンプを正しい方法に回転させるためのスターターの線がもう一本ある。これは銅線で張ってあるので入れ間違えることはない。しかし、赤と黒の線が逆だと、逆回転してしまうのだ。
僕はワーカーに赤と黒の線を入れ替えるように指示し、その後電源を入れると、分岐パイプから10メートルも噴水が上がった。おまけに、直したはずの本流にあった穴からも水しぶきが高く上がった。
すべて修理し、いちご園に上がってみると、ちゃんと予定通り水が揚がっていた。
池といちご園を何往復もして、足腰が疲れたが、ほっと一安心。
水量を計測してみると、ほぼスペック通りだった。
これで、住込みワーカーは思う存分シャワーを浴びられる(ちょっと魚臭いけど)。
トイレのうんちもたっぷりの水で流せる。
食器も洗える。
今年住込みに来てくれてから一週間、さぞかし不便だっただろう。済まなかった。でも、もうこれで落ち着いて住める。
水がなければ、農業は出来ないし、人も生きていけない。
水がなければ、何にも出来ない。