朝の小鳥のノック
カオヤイの借家には、毎朝6時半になると小鳥が数組み来て、ベッドサイドの窓をトントンと叩く。
「朝ですよ。もう起きなさい。トントントン。」
ほんとに毎朝、飽きもせずトントン突く。
初めは可愛かったが、だんだん煩わしくなってきた。
「頼むから、もうちょっと寝かせてくれ!」
どうして小鳥が窓を叩くのか?
それは、その窓が金属蒸着された半反射ガラスだから。それで、強い西陽をカットし、外から中を見え難くしている。
朝、外が明るくなると、外から暗い室内は見えず、鏡のようになる。まるでマジックミラー。
小鳥は、鏡に映った自分の姿が、ライバルのオスに見えるので、追い払うために鏡を叩く。
でも、映っているのは自分だから、何度やってもライバルは消えない。
「えい、あっちに行け! あっ、また居た。あっちに行け!」の繰り返し。あんまり頭良くないらしい。
その悲しき動画はこちら。
小鳥には中の人間が見えないので、10センチくらいまで顔を近づけても気が付かない。