うれし恥ずかし:植物性コラーゲン
「あのおバカ幼妻が買った植物性コラーゲンとかが届いていたよ。一箱680バーツで4箱。お金無いくせに馬鹿だよなあ、あんなの買って。」
「あ、あれ届いたの? 私が買ったのよ。スターも飲んでて18歳の肌に戻れるんだって!」
見れば、箱にエイティーンと書いてある。
「これから毎朝2錠ずつ飲んで若返りたいの。急ぐ人は2錠飲むんだって。あなたも一緒に飲みなさいね。18歳の肌になれるかもよ。」
いくら2錠飲んだって、40年前の肌には戻れる訳がない。
もっとも、40年前の僕の肌は油ぎってニキビだらけだったので、戻れても戻りたくないが。
成分を見ると、いろんなフルーツの抽出液を合わせただけのもので、18歳の肌に戻す魔法の成分なんて何も入っていなかった。
そもそも植物にコラーゲンなんてない。
この国ではこういう商売が出来て、僕もかつて手掛けようとしたが、とても僕には無理な世界だった。
今朝起きて顔を洗うと、彼女は言った。
「あれ。あなたの顔、ちょっと白くなったみたい!」
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