池の魚
溜池が浮草で覆われて、水が腐りだしたので、放流した魚達がどうなったのか心配だった。
しかし、この頃は水の匂いも消え、浮草に隙間も出来てきたので、死滅はしてないだろうと思っていた。
今は僕らの家ではなく農園で生活している住込み労働者が、今日休みを取って、何処に行ったのかと思ったら、溜池で勝手に魚釣りをしていた。
その結果、
これが5枚
ブルーギルと思っていたが、こりゃ違うな。
腹が真っ赤。誰が分かる人教えて!
2ヶ月ほど前に彼が釣った時と同じ大きさで、約20センチ。だから、これが成魚なんだろうと思う。
プラニンことティラピアは釣れなかった。
しかし、釣りをした奴の話によれば、ナマズが50センチ程に成長していて、掛かるけれども一瞬で釣り糸が切れるんだそうだ。
うまそうな話じゃないか。
なにしろナマズは1000匹以上放流した。
しかも、美味い。
幸か不幸か、僕は今のところ釣り糸を垂らす時間が取れない。
しかし、遅くてもいちごのシーズンが終われば時間は出来るので、その時水が少なくなった溜池に仕掛けをセットして、売るほど採ってやろうと思っている。
ただ、釣りもやりたいので、店やいちご園を従業員に任せて、僕はのんびり釣りを楽しむ日も作ってみよう。釣れた魚を持って店に帰ると、レジに1000バーツ札束がいっぱい、ってのが最高。
住込み従業員が釣った魚は、僕が借りてる敷地に池を掘って(拡張して)溜池にし、水を入れて、稚魚を放流したのだから、所有権は僕のものに決まっている。従業員が休んで勝手に釣ったからといって、所有権が彼に移行するわけではない。
そこで、5匹釣った魚のうち、2匹を頂くことにした。というか、3匹を彼に譲ったと言った方が正しい。
当然、その2匹は今夜のメインディッシュになった。彼の取り分の3匹も、当然彼等のメインディッシュになった。
マシュマロちゃんはいなかったので、彼女の友人の女性の手料理で釣った魚と、いちご畑で作ったサラダ菜がおかずにして二人で食べた。
僕らは二人だったので2匹、彼らはガキンチョを入れて三人なので3匹というのは、丁度いい分配だったと思う。
不安なのは、これから毎日、朝夕に彼が僕の目を盗んで魚を失敬して食べちゃうんじゃないか。
農園の掘っ立て小屋に引っ越した当日は、野ねずみを2匹捕まえて食べたらしい。今日は魚。きっと野菜やいちごも好き勝手に採って食べてることだろう。