電気ドリルで手に穴
ワンナムキアオのマシュマロいちご園の販売カウンターを作っていた。
気が硬いため、下穴を開けてから木ネジで締めていたが、電気ドリルが一つしかないので、いちいち十字ドライバーのビットと下穴を開けるドリルビットを交換しなければならず、面倒くさかった。
それでも木ネジの十字穴が潰れ、作業に時間がかかった。
マシュマロいちご園に住込みの男が手伝ってくれていたが、ビット交換は面倒なので下穴なしで直接ネジ締めしようと言い出した。
タイの男は大抵、問題をまずは筋力で解決しようとする。
それで僕が木を押さえ、彼がネジを締めた。
ドライバーの先端がネジ穴から外れるので、彼は思いっきり体重をかけてねじ込もうとした。
僕はそういうやり方が嫌なので下穴を開けるようにしたのだ。因みに、下穴なしでは釘も曲がって打てない。
そして、案の定、ドライバーがネジ穴から外れて、30センチも離れた場所で木を押さえていた僕の手を直撃した。
運良く指の間の柔らかい部分に刺さり、骨や神経は避けられた。
ビットの形の穴が空いていて、抑えると黄色い脂肪組織がグチュグチュと出て来た。
その後、痛みをこらえて作業を続けていたが、彼が操るビットの先に僕の肉がついたままになっているのを見て、すっかり働く意欲が喪失した。
その夜は痛くて泣きたくなった。
口で支持して手は出さないことにした。