ワンナムキアオの今
この数日は、連日ワンナムキアオのマシュマロいちご園の整備に通っている。カオヤイからか日雇い労働者をピックアップトラックの荷台にぎゅうぎゅう詰めにして、道の真ん中で自由を楽しむワンコを避けながら、霧のワインディングロードをかっ飛ばして行く。
僕らには見慣れた風景だが、カオヤイの日雇い労働者達は、ワンナムキアオに行く機会も少ないらしく、道中の風景を楽しんでいる。
時速80キロだと、風が眼に当たって痛い。眼が乾くので1時間15分余りのドライブのあとには、皆さん眼が真っ赤になっている。
彼らが風景について何か話す度に、見慣れた風景を改めて眺めてみると、確かにワンナムキアオは美しい土地だと僕も思う。
標高が400~500メートルある割に、平坦で緩やかな丘陵が続いている。土地は厚い土で覆われていて、耕作に適する。カオヤイは急な山だが、ワンナムキアオは丘陵なのだ。
とてもタイらしくなく、モネかルノアールが描いたフランスの田園風景みたいでもある。
所謂高原地帯なので、リゾートやフルーツ農園、ワイナリー等もあって、タイ人から見てもちょっと異国情緒があるらしい。
そういう訳で、今となっては地価が上がり過ぎてしまったが、その点を除けば、涼しくて住むには良いところだと思う。
今朝は、朝8時にマシュマロいちご園に着いたが、辺りは朝霧に囲まれて、肌寒い位だった。その時の気温は23℃。
荷台に乗っていた労働者達は、寒さで震え上がっていた。
今日は、カオヤイから連れて行った人と、現地の知り合いのお母さんの村の若者達で、総勢15人の大部隊になった。
連日のように、午後に雨が降るので、作業効率は良くないのだが、それでも3日間でいちご園の約半分を整備出来た。
ワンナムキアオのマシュマロいちご園は、カオヤイと違って洪水にはならないし、畝も余り崩れてないので、鍬をガンガンと鍬を振り下ろす必要はなく、比較的楽に作業が進んだ。
僕は2軒隣の男を手足にして、ウォーターシステムの電気配線直しと、基幹水路の拡張を行っている(これがなかなかの大作業。後日紹介予定)。今日は雨水も使い切ってしまい、トイレを流す水もなくなったので、早急にウォーターシステムを復旧しないといけない。
因みに、カオヤイの方は、畝直し、洪水対策は終わったが、ココナッツを使い切ってしまって、新たにココナッツを買わないとそれ以上やれないので、ワンナムキアオに来たのだった。
毎日人件費だけで約5000バーツずつ使っている。
これに加えて、皆に着せる雨カッパ、長靴、飲料水、氷、コーラか栄養ドリンクなどが要るので、お金がどんどん減ってゆく。
けれども、自分達だけで気の遠くなるような野良仕事を何週間も続けて、毎日クタクタになって、他に何にも出来ないよりは、大勢で一気にやってしまい、出来た時間で次の一歩を練ったり、或いは小旅行に出掛けてリフレッシュした方が良い。
昨夜、マシュマロちゃんも言った。
「いちご植える前に、アンコールワット行きたいね。3~4日休みを取って。行けるでしょ?」
「まだ、あれもこれもやることが山ほどあるから、そんな時間はないかもなあ。だけど、もし早く畑が出来たら行きたいね。」
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