パノンワン遺跡再び
マシュマロ DーMax号の修理工場から20分ほどのところに、パノンワン遺跡があったので寄ってきた。
この遺跡は、6年ほど前、僕がまだ観光客だったときに、ネットで知り合ったコラートに住むナットちゃんの案内で来たことがある。僕が長距離バスに乗りバンコク以外の所に始めて出掛けた時のことだった。その時は、コラートでタクシーをチャーターして、ピマーイ遺跡やバーンプラサート遺跡など幾つかの見どころを周ったのを覚えている。その中で、パノンワン遺跡が一番心に残り、いつかまた訪れたいと思っていた。
マシュマロちゃんは遺跡に関心がないようだが、僕は大好きで、特に彫刻に秘められたメッセージを想像するのが好きだ。
パノム·ワン: ナコンラチャシーマ市郊外にあるクメール遺跡で、プラサートヒンパノムワンとも言う。その歴史は12世紀に遡る。
この地域は古代クメール王朝に栄えた町「ラタナプラ」という名でも知られている。出土した経典によると、遺跡はもともとヒンドゥー寺院であり、のちに仏教寺院となった。
この遺跡はクメール様式の美しい建築スタイルが特徴で、10年以上続いた復元作業はつい最近終了したばかりだが、敷地内にはまだ美しい彫刻が残った砂岩が沢山散乱している。しかし、以前来たときよりも、小さい破片などが大幅に少なくなっている。修復で使われたのか、誰かに持ち去られたのか定かではない。
隣接のワット·パノムワンから無料で入れる。
前回来たときもそうだったが、観光客の姿はなく、とても静か。メインのピマーイ遺跡よりも規模は小さいが、遺跡マニアならこちらの方が好きだろうと思う。周辺には幾つかの遺跡の基礎が残っていて当時は多くの建造物がある大規模な建造物だったと思われる。今は、この辺りには人は住んでいない。
砂岩で出来た主祠堂は東を向いて建てられている。その前には「マンダバ」と呼ばれる仏塔があり、長さ25、5m、幅10、2mの歩道で結ばれている。
南西には「ブランノイ」という建物があり、仏像が納められている。遺跡のラテライトの壁の東西南北には楼門が設けられている。
前回訪れた時は、中央の白い塔はまだ無かった。その後修復された模様。しかし修復はあまり丁寧ではない。当時の彫刻が残っている岩と比べると、修復されたところと当時の姿は雲泥の差があるのが分かる。
こういう回廊が取り囲んでいる。ピマーイもアンコールも同じ様式。当時は屋根があったはずだ。
何処に使っていいか分からなかったのか、放置されたままの石。
いわゆるまぐさ石。何を彫ってあるのか分からない。
こちらはきれいに残った彫刻。
唐草文様に似ている気がする。この遺跡には艶めかしい女体の姿は少ない。
ナーガが残っている。その奥に王と王妃か? 残念ながら頭部は残されていない。
全景。
新たに修復された塔が白く目立つ。当時も白かったのだろうか?
塔内部には仏像が。現在は仏教寺院として使われている。
生贄を祀った場所(嘘)
彫刻はないのっぺらぼうの岩で修復されている。タイのどこの遺跡も同様。多分当時の彫刻は経費がかかり過ぎて再現不可能なのだろう。
この遺跡はあまり人気がないようだが、一度は訪れてみるべきところと思う。
ナットちゃんは今頃どうしているのだろう。
時は流れ、僕の状況も変わった。もう結婚して子供がいるんだろうな。