コスモス終了
僕達のいちご園を飾ってくれたコスモスが早くも終了してしまった。
本当はこまめに花積みをして、花がほぼ終了したら切り戻しをして、しっかり肥料をやれば又花がたくさん咲いて、2月まで美しく維持することできるのだが、なにしろ人手不足で花積が出来なかったので、一気に種が出来て、そのまま枯れてしまった。
種がいっぱい。
草もいっぱい。
ここまで来たらもう駄目なので、お店そっちのけで種を集めた。
もともとガーデニングが趣味で、世界中の草花の種を集め、種保存の専用冷蔵庫まで持っていた僕としては、この種集めは楽しくて仕方がない。たくさん種が取れるとワクワクして来る。
好きなことを思いっきりするのがストレス解消には一番。
スッキリした。
実際問題、いちごのたたき売りはストレスフル。
「何で天下の日本人がタイ人に頭下げていちご売リなんかしてるわけ?」
とタイ人によく聞かれる。
260バーツだと言っても、素直に支払う客よりも値切る客の方が多い。値切り自体は慣行事例なので構わないが、高飛車な態度のお客さんも居て、その対応がストレスフルなのだ。
「たくさん買ったんだから、もっと負けなさいよ。200バーツね。200バーツで決まり!」と客が勝手に値段を決めて、その額しか払わずに商品を持ち帰ろうとする。そういうのに作り笑顔で、なんとか落としどころを探すのだが、正直疲れる。
先進国で一流の教育を受け、最先端の技術で世界を相手に戦ってきた元サラリーマンのプライドはズタズタ。
それに、物売りなんて誰でも出来るので、外国人はやっちゃいけないと外国人事業法で決まっている。カオヤイ警察は、そこらへん全然気にしてないようだが、イミグレに通報されたら非常にやばいことになる。
僕だって、いちごのたたき売りがやりたくてやってる訳じゃない。いい売り子が見つからない、または足りないので仕方なくやっているんだ。
だから、ストレスが溜まる。
お客が少く売り子がいる時は、麦藁帽子被って、
「ちょっと出かけてくるから、あとを頼む。」と言って種集めをする。
お店が心配なので、15分刻みでお店に戻る小刻みな作業だが、問題がなければ直ぐに種集めに戻る。
一日で小さい段ボール箱ひと箱。
7段ボール分の種を集めた。
あー楽しかった。
集めた種は、よく乾燥させた後、竹細工のバスケットで濾過して、大きいゴミや茎を取り除き、次に扇風機の風で種ではない軽いゴミを吹き飛ばして種を精製する。
こうして、90%純度の種約3kgを得た。
これだけあれば、5ライあるカオヤイ農園だって全部コスモス畑に出来る。