お裾直し
ノンタブリの僕の住む街は新興住宅街で、たくさんのスーパーやデパートがあって、服を買うのには不便はないのだが、そこにはお裾直しをやってくれるところがない。
お裾直しやボタン付け、ウエスト調整、ほころび直しをしてくれるお店は、古い下町にしかない。サトーンのスアンプルー通りには、道ベタで古いミシンを踏んでいるおばちゃんのお店が幾つかあった。だが、この近所には古い下町がない。
数日前にロータスで野良仕事用の丈夫で動き易い長袖長ズボンを数セット買った。(ロータスは僕が思うに質と価格のバランスが適正だ。BIG Cやパンティップは安かろう悪かろうだし、セントラルは高過ぎる。)
因みに長袖長ズボンは陽射しや蚊や毛虫や蛇から身を守るために必須。暑そうだが、陽射しに当たって真っ黒になったり虫に刺されたりするよりまし。
一着それぞれ1500円くらいで、長く使えそうな服を買えた。けれども、僕の腹周りに合わせると、裾が長過ぎて話にならない。僕の脚が短いのと腹が出ているという2つの理由で、下手すると15センチ程も切らないと合わない。
裾直しはミシンがないと出来ないので修繕屋さんを探したが、どうしても見つからないので、仕方なくマシュマロちゃんが通ったラングシット大学の学生街にある修繕屋に行ってきた。
大学の隣なのに、トタン屋根のみすぼらしい掘っ立て小屋で、裏は藻の匂いのする恐ろしく不潔え湿った場所だった。そこで優しそうなおばちゃんと、それを手伝うお父さん。仲の良さそうな夫婦がやっていた。
きっと儲からないだろうけど、こういう仕事が消えてゆくのは寂しい。
修繕費よりも安い中国製の服が巷にあふれたのが原因だと思う。