砂利敷いて看板立てた
Facebookのお陰で、マシュマロいちご園は有名になった。
しかし、マシュマロいちご園の欠点は入り口が分かりにくい。車で走っていると街路樹のせいで入り口が何処か非常に分かりにくいのだ。
せっかくマシュマロいちご園に来ようとしたお客さんが、うっかり通り越してしまったり、迎え側の入り口の広い別のいちご園に入ってしまう。
「向こうのいちご園がなかったら、売上は倍になったんじゃないかな?」とマシュマロちゃんは悔しがる。
街路樹は切り倒せないので、何らかの方法で入口を際立たせる必要がある。
しかし、パネルを沢山立てると、パネルに隠れて余計に入口が見えなくなる。
そこで、僕は始め白のマーカー(炭酸カルシウム)で路上に矢印を書いた。これは効果があったように思えたが、欠点はすぐに消えてしまうこと。
その欠点を補うため、人工芝で大きな矢印を作り、それを路面に貼り付けることを考えた。予算は2000Bで出来る。
この方法の欠点は、多少美観が悪くなるのと、土の路面への人工芝の貼り付け方が難しいこと。釘状のもので打ち付けるしかないが、外れるとタイヤをパンクさせそうで危険。
僕はこの方法を強力に主張したが、マシュマロちゃんは気が進まないらしかった。
そこで次の手を考えた。砂利を敷くのだ。
もともと路面は雨で削れて凸凹がきつく、車高の低い乗用車だとフロントを擦ることがある。あるいは、駐車場まで徐行しても、車が大きく左右に揺れてしまう。雨が降れば、ぬかるんでタイヤに泥がべっとり付く。
砂利を敷けば、遠くからでも何処が入り口であることが分かるし、凸凹や泥の問題も解結する。
しかし、何故かこの案もマシュマロちゃんは実行しようとせず、僕は腹を立てた(タイ語で土木業者に砂利を頼む交渉なんて、僕にはとても出来ないので、やってもらうしかないのだ)。僕が考えたことをやってもらわなければ投資した意味が無いし、僕の考え自体が軽視されている気がして自尊心(未だあるのか?)が傷つけられた。
翌日、ノンタブリにロットゥーで帰る際も、僕は不機嫌で彼女とあまり口を利かなかった。
「あなた、私のこと怒ってるでしょう?」と聞くので、
「ああ、怒ってるよ。僕はいちご売りのお手伝いさんじゃない!」
そう言って顔を背けると、彼女は下を向いて、
「怒らないで。」と言って涙目になってしまった。
ロットゥーは出発し、バンコクに近づいたころ、
「私、明日砂利を敷くわ。」とラインにメッセージが入った。
「それから、いちご園の名前ももっと分かるようにする。」
そうして、敷かれたのがこの砂利。15トンくらいで4000バーツだった。
少し物入りだったが、砂利は来年も効果が持続するだろうから費用対効果は悪くないだろう。
砂利のお陰で、お店の両側の駐車場への細道が分かりやすくなった。
効果はてきめんで、店の前に停める車は減り、素直に奥の駐車場へ登っていく車の割合が増えた。フロントを擦る車も無くなった。
しかし、中には、砂利のある場所が駐車場だと勘違いして、道をせき止める形で駐車してしまう人もいる。
こうした言葉に依らないサインは、思うように伝わらないこともあるものだ。
それから、いちご園の名前を書いた看板も入り口に立てた。
これだと、視界を遮らないので上出来だと思う。
グーグルマップのドロップマークが活かしている。