マシュマロ・ピックアップ
ついに来た。
マシュマロちゃんが買ったピックアップトラック。
いすゞD-Max 2.5Hi-Lander。
去年、いちご園で働いてもらったお金を頭金にしてローンで買った。
タイでは頭金に50%も出す人はいない。15,20,25%のいずれかがほとんど。25%になると保証人等の要件が軽くなる。総額(税・保険込み)で870,000THBだった。ピックアップは税率が低いので、他の乗用車より割安感がある。
マシュマロちゃんは、頭金を25%を選んだ。いちご園で兄からもらった給金だけでは足りず、僕の会社で働いた給料を足して、なんとか頭金を払った。ローンは6年払いで、毎月10,500THB位になる。ローンは今年のいちご園の上がりから支払う予定だ。
ということで、目出度く完全無欠のマシュマロちゃん名義の新車だ。
農業で使うので、ピックアップが必要だった。
しかし、兄弟が皆ピックアップを持っているし、荷台がいっぱいになるほど荷物を運ぶ機会はそれほど多くない一方、3人以上が乗る機会や、雨に濡らしたくない荷物を運ぶ機会が多いだろうということで、4ドアにした。
買ったのはチェンマイのいすゞ。
田舎のほうが給料等の審査が甘いという理由でそうした。
しかし、実際には1回目の審査は落ちてしまった。サラリー収入のみしか考慮されなかったのだが、そうすると給与支給が6ヶ月未満で、且つ毎月返済金が給与の50%以上となるというのが不合格になった主な理由だ。他にも、一時的に僕のお金をマシュマロの口座に振り込んで、ステートメントを飾ったのが逆に怪しまれたらしい。この審査ではバンコクの基準と同じで、チェンマイで買うメリットは何もない。
しかし、いちご畑が主な収入源であることを大前提にするように念を押し、給料もこれからも出続けるということにして、更にローンを5年から6年にしたことで、返済額が現在の給与の50%以下になるようにし、信販会社もいすゞの二番目の指定のところに変えたら審査が通った。
実際には車は用意出来ていて、審査が通った翌日にはお兄さんが車を受け取りに行った。そして、約1週間後の今日、お兄さんがチェンマイから運んできてくれたのだった。
車の方は乗ってみると、そのデカさに驚いた。トヨタのフォーチュナーよりもかなり長い感じがする。
ディーゼル車に乗ったのは初めてだが、思いのほか室内はエンジン音が静かだった。2台のインタークーラー付きターボが乗っていて、2.5Lでも十分なトルクを感じた。
ピカピカのエンジンは気持ちがいい。まるで自分の車を買ったような気分。
せっかく車が来たので、今まで近所なのに行きにくかったお店に繰り出して夕食をとった。僕はビールを飲んだので、帰りはまだ免許が取れてないマシュマロちゃんが運転して帰った。
350Bもした魚料理。辛かったが美味しかった。
僕の街は、金曜の夜には人影がなくなり車も消えるので、絶好の練習場になる。今日は、縦列駐車の練習をした。
彼女は、バックだと、まだどちらにハンドルを切っていいのか感覚が掴めてないうえに、車幅感覚がまるでないので、当然下手くそこの上ない運転になる。僕は思わず声を高くして、「ハンドルを戻せ。アクセルを踏め。ウインカーを出せ。内輪差を考えろ。」などと怒鳴るのだが、怒鳴ったところで、どの言葉も全く通じない。アクセルはスピードといい、ブレーキはブレークといい、ウインカーは知らない別の用語を使うので通じるわけがない。ちなみに、エンジンはモーター、ガソリンはオイル(ナンマン)、ハンドルとは言わないで別の言葉を使う。僕はただ一人で熱くなるばかりだ。
来週、この車とともに彼女は一旦チェンマイに戻り、諸々用意してから家族と一緒にいちご園のあるカオヤイにやってくるのだが、その時までに免許が取れるとは思えないので、どうなるのか先が読めない。
はっきりしていることは、彼女がもうじきいなくなるということだけだ。
僕の事業も、彼女のいちご園も、これからが正念場だ。
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