睡れない理由
このひと月余り、マシュマロちゃんは眠れない夜が続いた。
仕事のことが色々頭を巡って、考えるのを止められないのだそうだ。
以前は、眠れないときは抗ヒスタミン薬や軽い3印環の薬剤を飲めば、30分もすれば眠りに着いて、8時間位眠らないと起きられなかった。
それ程、良く薬が効いた。
ところが、この1~2週間程は、薬を2種類飲んでも全然眠たくならないという。
睡眠不足に加え、長時間労働で、彼女は疲れ切ってしまった。
昨夜は薬が効かないと言うので、ウィスキーの水割りを飲ませたら、12時頃に運良く眠れたが、朝3時からガンガンに眼が醒めてしまい眠れなくなったようだった。
どうも変だ。これは普通じゃない。
原因は何だろうと考えていたら、僕も眠れなくなった。
しかし、いろいろ考えた結果、辿り着いた結論は、
「薬が間違っているに違い無い!」
そこで、朝起きて直ぐに、このところ飲んでいる2種類の薬の包装の写真を撮って、午前中にグーグル先生で調べてみたら、
「やっぱり間違っていた!」(包装はそっくり)
何と、1つは心臓血管を拡げる薬で、もう一つはアルツハイマーや鬱に効く薬だった。
マシュマロちゃんが数年前に血中酸素飽和度が下がって救急車でバンコク病院に搬送された時に処方された薬らしかった。
包装や錠剤の見た目が似ていたので、僕も抗ヒスタミン剤だと思い込んでいた。
この薬じゃ眠たくなる訳が無い。
寧ろ頭が冴えて眠れなくなって当然。
マシュマロちゃんは薬のことは分からず、僕の出す薬を飲むだけだったので、僕の責任である。
僕の大失敗だった。
ごめんね、マシュマロちゃん。許しておくれ。
今日正しい薬を買ってきたから、良く眠れる筈だ。
追記:
今思うと、以前の低酸素血症は、所謂「コロナ」だったのかも知れない。
まだ武漢ウイルス騒ぎが起きる前だったけれど。