彼女の涙

バンコク病院は医療は良いが、お金持ち専用であって、貧乏人は相手にされない。

マシュマロちゃんが重度の肺炎でパクチョンのバンコク病院で対応出来なくなり、バンコクのバンコク病院に搬送させようとした際、バンコクの病院からの連絡は、

「救急車をバンコクから手配します。そこには救急医療の医師と看護師が同行します。病院に着いたら、ICUに入ってもらうことになります。救急搬送料として、車内での処置にも依リますが、通常25,000~30,000バーツかかります。ICUは一泊最低100,000バーツ掛かり、数日入ってもらう可能性があリます。これには処置料や他の検査料やお薬代は入っていません。それに了解頂けますか?了解頂けたら、デポジットとして100,000バーツを直ぐに払って下さい。」

とのことだった。救急車を数時間待っても来ないので問い合わせたら、「入金が確認されたら、救急車を手配します。」とのこと。

それで、僕らはバンコクのバンコク病院は止めて、コラートのバンコク病院に搬送して貰った。

コラートのバンコク病院は、僕が交通事故で入院していた病院で、バンコクよりは安いものの、ナコンラチャシーマでは一番高く、貧乏人は相手にしないことは同じである。

さて、僕がコラートのバンコク病院に事故で運ばれた際、僕らは貧乏人だった。ちょうど開園直後でお金を使い果たしてしまっていた。

マシュマロちゃんの銀行口座には15000バーツしか入っていなかった。

僕は意識不明だったのでお金の引き出しは出来なかったが、出来たとしても同程度しか残っていなかった。

バンコク病院でマシュマロちゃんが言われたことは、

「先ず病院に30万バーツをデポジットとして振込んで下さい。振込みが確認されたら治療を始めます。」

15000しかないのに30万バーツなんて振込める筈がない。払えないなら他に行くしかない。彼女は窮地に立たされた。

それでも、「マハラート病院じゃ助からない。」と考えた彼女は、いろんな所に泣きながら電話しまくってお金を掻き集めようとした。

幸い、妹さんから50000バーツ、旧友から50000バーツ、同業の知り合いから20000バーツが集まった。

マシュマロちゃんは、バンコク病院の日本語通訳を使って、日本の妻にも電話してお金を送って貰おうとした。

突然お金を送ってくれと言われても、騙し取られるかも知れないし、海外送金は直ぐに出来るものじゃない。そもそも、日本人に「お金を事前に病院に入れないと治療して貰えない。」なんて話は理解不能。あり得ない話なので、妻の答えは「出来ない」だったらしい。マシュマロちゃんは、もうどうして良いか分からず、僕が家族から愛されていないと感じてまた泣いた。

東京海上の保険屋にも電話した。保険は規定通り支払われるが、デポジットというのはない。病院の対応に保険担当の女性は怒って、バンコク病院に電話した。

「患者は弊社の被保険者で規定金額までは弊社がちゃんと支払います。それより、病院は患者を治療するのが仕事でしょう。30万バーツ先に払わないと治療しないなんておかしいんじゃないですか?」

と迫ってくれたらしい。それが効いたのかどうか知らないが、18万バーツのデポジットで僕の治療が始まった。

初めに入ったICUでは、1時間に1回だけしか入室出来ない。僕が死んでしまうかも知れないと思っていた彼女はずっと涙が止まらず、妹さんに朝まで付き合ってもらった。1時間に一度、彼女は毎回僕の耳元で、

「もう大丈夫だからね。心配しなくていいからね。私がずっと側に居るからね。」

と何度も囁いた。その時の事を僕は微かに覚えている。

泣ける話だ。

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