先週木曜日にワンナムキアオのマシュマロいちご園の揚水ポンプが止まった。
原因は不明。住込み従業員じゃ何が問題なのか分からない。
原因として考えられるのが、
1. コントローラー(オシレーター)の破損
2. 電源ケーブルの破断または接触不良
3 . ポンプのモーターのショート
そこで、土曜に調べに行った。
コントローラーが正常なのはすぐに分かった。電源ケーブルについて、直ぐに分かるだろうと思ったが、これに難航した。
難航した理由は、テスターがなかったから。テスターじゃなくて、昔の発光ダイオードの通電チェックドライバーしかワンナムキアオでは入手出来なかった。
これが微かにしか発光しなくて、明るい外では光っているのかどうか判別しにくい。
おまけに、単相交流では、片側しか光らない。コントローラーからは3本電線が出ていて、これの通電をどうやって調べるか。
始め、ポンプ付近ではどの3本にも通電がなくて、予想通り途中で断線しているらしかった。
そこで森に入って、コントローラーから通電したまま電源ケーブルのところどころの塩ビ被覆をカッターで剥き、通電チェックドライバーを当ててチェック。光れば、そこまでは通電していることになる。
簡単な作業のようで実に難航した。
森の中は乾季で乾いてはいたものの、蚊がたくさん居たし、落ち葉で足が滑って歩きにくい。発光のチェックはじっとして微かな光を見るので、その間に体中が蚊の餌食になる。
「ここは光らない。ってことは、あそこからここ迄の何処かで切れているってことだな。」
少し戻って通電チェック。通電を確認して、元の場所に戻ると今度は微かに光が見えて通電している。
通電チェックドライバーの光が弱すぎて見逃したのか、接触不良で電圧が下っていて光が弱いのか?
通電チェックドライバーが信頼出来ないので、最終確認は人間チェッカーとなる。つまり、触って230ボルトの衝撃があれば良し。なければ切れている。従業員は怖がってしないので、人間チェッカーはハムケン。ビビッと来ると何故か嬉しい。
「あれ?さっきはここ迄通電していたのに、今は来てない。どういうことだ?」
そんなことの繰り返し。
土曜は一日森の中をかけ釣り回って、何度も測り直し、それでも結局通電しているのかどうかさえ突き止められなかった。
続いて、日曜日。
再度電線のチェック。三ケ所のショートを見つけた。電線の継ぎ目に水が入って錆びていたので、全ての継ぎ手を継ぎ直した。
こうして、400メートル標高差45メートルの電線3本を修理し、通電を確認した。
その日も大きなヤブ蚊に沢山刺された。森の中の山道を登ったり降りたり、足腰が痛くなった。
しかし、ポンプは動かなかった。。。
ポンプを池から取り出し、コントローラーの場所迄持ち上げて来て、怪しい電線を避けて直接コントローラーに繋いでみたが、コトコトと不安定に回るだけだった。
モーターが壊れているとなると、自分で直せないので修理に出すしかないが、もう水が4日も出ていないので待ったなしだ。
何しろ、いちごの培地はカラカラ。あと一日できっと萎れる。
また、トイレには流せないうんちが山積。あんたのうんちだ、お前のだと連日言い争いだし、とにかく臭い。
つまり、至急ポンプを新調するしかない。
月曜日にパクチョンの大型左官店でポンプとテスターを買って、急いでワンナムキアオに向かった。
買ったポンプは、三菱電機の15000バーツの高級品。水中投げ込み式の深井戸ポンプ。滅多にない一年保証付き。

上から4つ目のモデル。44メートルで毎分100リットルの仕様。

こんな風にコードの色が違うのが間違いのもと。
壊れたポンプは、中国製の4200バーツ格安品。安過ぎて使えないと皆から言われたが、僕は価格じゃない!と言い張って使い、実際立派に使えた。
しかし、半年で壊れた。
後日、修理屋からの連絡に依れば、内部でショートしているので修理不可、買った方が安い、と言われた。
どうしてモーターが数カ月でショートしたのか僕には原因が分からない。やはり安物だったからか。
月曜日の夕方、ようやくいちご園に水が揚がり、トイレに溜まったうんちも流せた。
住込みワーカーもシャワーを浴びられる。
しかし、悪い話はこれから始まる。
やれやれ、これでいちごが全滅することは避けられたと安心したら、急に身体がだるくなり、発熱してきた。
そのうち、頭痛がガンガン、首や身体中の関節や筋肉が痛み出した。
それは翌日の夕方迄続き、珍しく僕は仕事を休んだ。
喉は痛くなく、咳は出ず、腹痛も下痢もない。
マシュマロちゃんは、デング熱を心配した。デング熱については、僕は思ってもなかったが、調べてみると確かに怪しかった。森に入って蚊に刺され、2-3日後に急な発熱。頭痛、全身の関節痛。その後血小板が減少して、治癒過程で発疹や発赤が出ることがある。多くは自然治癒するが、何割かは重症化してデング出血熱となる。因みに、タイではデング熱を、出血熱という。デンギーといえば、デング熱のこと。デング熱の一部がデング出血熱になるだけだが、なると辛い。
他にも、タイで蚊に刺されてかかるかも知れない病気として、ジカ熱、日本脳炎、マラリアなどがある。
ここ数年、病気で病院に行ったことがない僕も心配になって、翌日の水曜日、カオヤイのバンコク病院診療所に受診した。経緯症状を告げると、医師も気になるのか、パクチョンのバンコク病院に搬送すると言い出した。
そこには、血算や血液生化学検査検索が一時間で出来る機械がある他、デング熱の抗体検出も出来る。

救急車に乗るのは嫌だったので、マシュマロちゃん運転のヤリスで行き、そこでまた別の医師の診察を受けて、上記の検査を全部やることになった(と言っても1回採血されて、一時間半待つだけだが)。
一時間半後、結果を受け取りに行ったら、デングを含む3種類の抗体検査結果はネガティブ。血小板数も正常。
結局、原因は不明のまま。
金曜日の今日、発熱は治まったが、頭痛が少し残る。明日には全快しそう。
もう懲り懲りだ。
もう森には入りたくない。