スーパーセル
昨日はカオヤイ農園に僕一人だった。
お昼過ぎに遠くで雷鳴が盛んに聞こえ、少しづつ近付いて来た。
雷雲から数百メートルずれれば雨は降らないので、雷雲の動きを良く観察するようにしている。
昨日はその雷雲が妙だった。まるでアメリカの中部大平原に発生するスーパーセルのように雷雲が渦巻き、その中心部に雨が降っていた。
黒い雲がその中心部の周りを回ってだんだん大きくなってきた。
ああいうのが大きくなると竜巻が起こるんだなと思ったが、こっちに向かってくる様子はなかったので、あまり気にせずにいた。
しかし、そのうちに頭上の雲が凄い速さで動き出し、辺りもぐっと暗くなった。
「この感じはやばいな。突風が来そうだ。風が来る前に店を遮光布で囲っておこう。」
そう思って遮光布を取り出した時、急に山から風が降りてきた。突風である。風に煽られながらも、手早く遮光布を店の周りに巻き終わったその時、雹交じりの大粒の雨が降ってきた。風は轟音を立てて店を揺らし、店の中のプラスチック類等軽い物を吹き飛ばした。
ここはスーパーセルの中心部ではないから、これ程強い風は来ないと思ったが、中心部からのダウンストリームだろうと推察した。
雨はまたたく間に濁流になっていちご園を洪水にし、マシュマロちゃん作のStrawberry of loveのパネルをぶち壊した。
その後も1時間近く雨が降ったので、もういちご狩り客が来ても園内に入れないし、そもそも雨の中お客さんは来ないと判断し、午後3時前に店を閉じて家に帰った。
マシュマロちゃんも居ないし、一人で早く帰ってもやることがないが、久しぶりにパソコンの電源を入れ、いくつか問題があったアカウントを修正する作業が出来た。
家の中は、数日後に日本に輸出するハーブでごった返している。
翌朝の今日は、清々しく晴れて、山の緑も際立ってきた。
こんなに晴れた朝だったのに、昼過ぎにはまた雨が降った。
トイレにいたバッタ
トイレに居た蛾
雨のせいで溜池の水は20センチ程増えた。
カオヤイ農園の目の前にあるイタリアンレストランMemosaの看板。
ここのスパゲティーは美味しくて量が滅茶多い。
タイ料理の味も一流なのに、僕が頼むと露店の4倍量位盛ってきて、二食分以上になるのに、価格はメニューより安い。何度かいちごを差し上げたのが効いているのだろうか? ともかく、このレストランはお勧めだ。
そのレストランの店先に雨壺があって、そこにグッピーがうようよ居た。聞いて見ると、もう10年も生きているという。直径60センチ余りの小さな水溜りで10年も命絶えずにいるとは驚いた。
そこで、このグッピーちゃんを50匹程分けてもらって例の溜池に放流した。水草やそれに着く小さな生物がいっぱいなので、きっと増えてくれるだろう。
物凄く楽しみである。