3度目の誕生日

昨日はマシュマロちゃんの誕生日だった。

彼女はワンナムキアオのマシュマロいちご園で働き、僕はカオヤイの新農園で働かなくてはならなかったので、離れ離れの誕生日になると思っていた。

一昨日、2人は徹夜でクルンテープのパクローン市場にいちごを仕入れに行った。

朝の5時過ぎにカオヤイの新農園に着き、買って来たいちごを下ろし、設置した広告パネルを彼女はチェックした。

「どうして、私が言ったようにしないのよ!。このパネルはここじゃなくて、あそこに設置すべきでしょう!」

「いや、あんたが指示した労働者の息子はあんたの指示をよく覚えていないと言って、何処に設置するか僕に聞いてきたから、僕の指示でこうしたんだ。こっちの方が分かり易くて良い。」

「はあ? 何が分かり易いの?。これじゃ、何処で曲がったら良いか分からないでしょ! あなたの考えは間違っているわ! 設置し直してもらいなさいよ!」

「いや、それは違う。この方が絶対分かりやすい。これはここで良いので設置し直す必要はない!」

この頃は、こんな具合にすぐに口論になる。

パネルは僕がデザインして彼女にデーターを渡していたのに、そのメモリースティックを何処かに失ってしまって、急遽彼女のデザインでオーダーしたのだった。

「折角、センスの良いデザインを作ったのに、がっかりだ。お前のデザインはダサすぎる。センス悪い。」

「あんたのデザインは、見難いし意味が分からないから使えないわ。」

「あほなこと言うな。広告はイメージだ。お前のは字ばかりで、まるで小学生の作品だ。全然ソフィスティケートされてない。今回は時間もお金もないから仕方がないけど、余裕が出来たら、取り替えてやる。」

「いいわ、勝手にあんたの好きなようにしなさいよ。私はワンナムキアオで好きなようにするから。」

お互い疲れているせいもあって(実際、重労働の後なのに睡眠時間は2時間)、30分前まで穏やかな会話をしていたのにも係わらず、ちょっとした意見の相違で直ぐにこんな感じの喧嘩になってしまう。

「じゃあ、私はもう行くからね。」

まだ暗い朝の5時半に、僕は一人農園に残って日が明けるのを待つ。彼女は、これから1時間余り更に車を飛ばしてワンナムキアオのいちご園に行って、いちごを食べに来ている野鳥を追っ払う。

だけど、この日は彼女の誕生日。こんな風に別れるのは悲しい。

そこで、走り掛けた車を呼び止めて、「何よ!」と無愛想に言う彼女のもとに行って、頭を撫でながら言った。

「誕生日、おめでとう。今日は三回目の誕生日だね。」

マシュマロちゃんの眼が少し潤った。

「ありがとう。私の誕生日なんかどうでもいいから、あなたはここで頑張ってね。」

「僕はお前の運転が心配だ。今、交通事故を起こしたら何もかも失うよ。80km以上出すな。安全運転で行けよ。」

彼女はそのまま去って、時速110kmでマシュマロいちご園に戻った。

その日のお昼頃、彼女から電話があった。

「今日は、カオヤイで使う噴霧器や荷物を持って帰るから、労働者だけ先に返して、あなたは農園で私を待っていて! それから2人で一緒に夕食を食べましょう。」

誕生日の夜を一人で過ごすのが寂しくなったらしい。

夕方、僕は店を30分開けて、近くのチョコレートファクトリーという観光客向けのレストランに行って、ショートケーキを買った。

夕食はチョコレートファクトリーでピザとワインにしようと思っていたが、高いのでムーカタで済ませた。

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ムーカタとケーキは似合わないが、別に気にしない。ケーキを先に食べたので、ムーカタは完食出来なかった。

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最近、彼女のお気に入りのレアチーズケーキ。日本で始めて食べてから好きになった。これはニューヨークチーズケーキという名前。90バーツもする。味は悪くはないが、日本の本物と比べたらまだまだ。

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名前忘れてしまったなあ。なんとかチョコレート。

カカオの量が多くて、カカオ好きな人じゃないと全部食べられないかも。95バーツ。

これはタイの気温ではベタベタに溶けてしまうので、要冷蔵。

ケーキはたくさん買ったので、今朝、彼女をワンナムキアオに送って行った際に、余ったケーキを妹さん夫婦に差し入れした。

「あらあ、今年はハムケンさんのケーキ食べられないと思っていたのに、嬉しい。」

妹さんは嬉しそう。

「カオヤイのチョコレート・ファクトリーのケーキだぞ。」恩着せがましく言ってみたが、

「チョコレート・ファクトリーって何?」

やっぱり知らなかった。

まあいい。

ささやかではあったが、一応誕生日は祝った。

来年、四度目の誕生日を祝えるかどうかは分からない。でも、もし祝えるならば、もう少しゆったりとした時間を過ごしたいと思った。

花のピラミッドの現状

去年の僕の自慢作、花のピラミッドは、今黒い骨格をさらけ出し、惨めな姿になっている。

一つは取り壊し、もう一つはペンキを塗り直してサフィニアのピラミッドにすることを考えていたが、マシュマロちゃんの独断で変わってしまった。

まず、壊れかけていた片方のピラミッドは、取り壊しではなく修復した。

P_20161111_081233

足が腐って、こんな風に傾いてしまって修復不能と思っていたが、住み込み労働者は足を付けなおして見事に修復した。

修復して見ると、人間が登ってもびくともせず、まだまだ使えそうだった。

取り壊しを止めて、修復することに同意したのには理由がある。

  1. 頂上付近に野鳥が巣作っていて、雛が育っていた。
  2. 西洋朝顔を這わせれば、良い花の塔になるというアイデアが浮上した。
  3. 取り壊したとしても、代わりに作るもののアイデアがなかった。

確かに、西洋朝顔ならピラミッドを埋め尽くすほど成長して、長く咲かせることだろう。手間も掛からないし良いアイデアだ。

しかし、僕が納得したのは主な理由は1。

随分前から住み込み労働者に取り壊すように指示していたのに、取り壊してないので、理由を聞いたら、これを見せてくれた。

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野鳥の雛は簡素な巣の中で2羽元気に育っていた。

覗いてみると、ちょうど羽が生えてきているところだった。

雛は茶色で目立たないが、成鳥は白い鳥だと労働者は言った。

僕の興味を引いたのは羽の生え方。以前から不思議だった。

もともと鱗だったはずだが、あのようにふさふさの羽がどのようにして皮膚から生えてくるのか、よく分からなかった。

今回、はっきりと分かった。

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こんな風に筒状の袋に包まれて生えてきて、それが跡で破れて、羽毛が拡がるのだった。

もしかして、何処かで習っていたかもしれないが、こうして実物を見て改めて納得。

羽ばたく時、付け根の皮膚が痛くないのだろうかと余計な心配までしてしまった。

こいつらが飛び去る前に取り壊してしまうのは気が引けた。

こんな風に、いつも優柔不断に僕の計画は変わってゆく。

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サラリーマンはもう飽きた。気がつけば人生の残りも僅か。ここはひとつ、窮屈な日本を抜け出し、活力あるのにどこかゆる~いタイを舞台に、自分らしい第二の人生に旅立つことを決めてしまった50代親父。

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