マシュマロいちご園オープン2週目

昨夜、独りでマシュマロいちご園から帰ってきた。

気候も涼しくなり、カオヤイへの観光客の数も増えてきたようだ。おかげ様で、週末の売上は昨年のオープン時と同程度になった。滑り出しとしてはまずまずだが、今のままの売上では損益分岐点以下。これから、一日あたりの売上を4倍にしないといけない。それをどうやって達成するか? あまりお金をかけないでやりたいので、なかなか難しい問題だ。

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自作の看板も、音楽も設置したが、あまり効果は感じられない。控えめすぎるのかなあ。

嬉しかったのは、この土日にタイ在住の友人二組がわざわざいちご園に応援に来てくれたこと。

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40個用意したいちごヨーグルトプリンは完売。遊びに来てくれたお子さんもご満悦の様子。

このプリン、マシュマロちゃんの妹の乳飲み子が喉を鳴らして喜んで食べる。

シンプルなデザートだが、当いちご園の目玉商品になれば嬉しい。

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まだいちご狩りは出来ないので、こうしていちごやいちご製品を買っていくのみ。

一人あたり平均5分の滞在。

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日本の大粒いちごは、小粒のまま赤くなってしまう。

まだ成り始めだからか?温度が高過ぎるのか?肥料が少ないのか?

もう少し株が充実するまで待つ必要がある。

このままずっと小粒だったら、わざわざ持ち込んだ意味ない。不安だなあ。

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グーズベリー。食用ホウズキ、ホウズキフルーツ。

マシュマロちゃんのアイデアで売ってみた。

珍しがって買う人もいたけど、あんまり量は売れなかった。

大抵のタイ人が初めて見る。僕も初めて食べた。甘酸っぱくて、フルーツの味。

タイ人は、料理は酸っぱ辛いのが好きなくせに、フルーツの酸っぱいのは苦手。

いちごに塩と唐辛子を付けて食べるのには驚いた。そんな食べ方は許せない。

やはり、酸っぱいいちごは甘い練乳につけて食べるべきだ!

でもタイ人にその習慣はない。

今度試させてやろう。いちごヨーグルトプリンが好きなら練乳いちごも好きなはず。

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新設置の看板。看板屋丸投げデザイン。2,000バーツもした。この看板はダサいので僕は大嫌いだ。

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IMG_20151129_163153_1夕方に水やりをする。これは周囲の花への水やりの様子。

チューブ直結のスプリンクラーからの水が夕陽に輝く。

ああ楽ちん。この広い花壇に手作業で水やりするのは不可能。

忘れ物事件その2

今日、仕事が終わって夕飯でも食べに行こうと思ったら、財布が見当たらない。

オフィスのどこにも財布はないし、昼過ぎ以降財布を触った記憶もない。

最後に財布を使ったのは、近所のセントラルの中にある郵便局でEMS郵送のための箱を35Bで買ったときだった。お金を支払うとき、手荷物が多くて財布を受付のデスクに置いたかもしれないし、途中で落としたのかもしれない。

現金が2500バーツほど入っていた。どの場合にも、もう財布は出てこないだろうと思った。

現金より痛いのは、クレジットカードとATMカードだ。

どうも最近、大切なものを忘れるような気がする。歳のせいだろうか?

とにかK,最後に使った郵便局に行って確認してみることにした。なにしろ、郵便局には前科がある。

セントラル内の郵便局は夜8時までやっている。7時半に行った時、すでに担当者は交代していた。

「あのう、今日夕方前にここに来てEMSの箱を35バーツで買ったのですが、その後財布が見つからないんです。何か心当たりはありませんか?」

「女の財布ですか?」なんで女の財布なんだろう?

「いいえ、僕の財布です。色は赤ですけど。」

「ここにはないわねえ。前の人に聞いてみるからちょっと待ってね。」

そう言って電話を掛けて聞いてくれた。

電話ではどうも要領が伝わらないようで、僕に直接電話で話すようにと携帯を手渡された。

「さっき箱を買った日本人です。35バーツ払って帰ったのですが、その後財布が見つからないんです。」

「ああ、あの日本人ね。ないのは女の財布ですか? 現金は入っていましたか?」

「いいえ、男の僕の財布です。色は赤ですが。現金は3000くらい入ってました。他にクレジットカードとか。」

「IDカードはないのよねえ。クレジットカードが入ってましたか。それで、あなたの名前は何ですか?」

「ハムケン(仮名)です」

「あなたの名前はハムケンさんですね。はい、財布を預かっています。今日はもう自宅に戻ったので返せませんが、明日の朝お持ちしますのでセントラルに取りに来てください。朝10時に開店しますので。」

やっぱり郵便局だった。すぐにあると言わないところがなかなかすごい。

大切なものは郵便局に忘れるのと、郵便局はちゃんと預かっておいてくれることが分かった。

日本なら、大切なものがちゃんと出てくるのは当たり前だが、タイで出てくるとは思わなかった。

僕の悪運が強いのか、タイの民意が高まったのか、あるいは郵便局が素晴らしいのか?

忘れ物事件その1

三週間ほど前のこと。

何処をどう探してもパスポートが見つからない。それはもう二日間かけて、あらゆるところを探したけれど見つからない。

最後にパスポートを使ったのは、マシュマロちゃんと一緒に郵便局にEMS郵便物を受け取りに行った時だ。本人確認のためにパスポートが必要なのだった。パスポートの方はコピーでも良いのだが、その日は現物を持参した。そして、郵便物を受け取った際、パスポートを返してもらったのを確かに覚えていた。

郵便局には僕が彼女の車を運転して行ったので、国際免許証とパスポートの両方を持参して行ったのだが、不思議なことに国際免許証だけが手元にちゃんとある。

以上から、郵便局以降どこかで落としたとしか考えられなかった。

パスポートの再発行は日本大使館で出来る。

しかし、

  1. 盗難証明書(ポリスレポート)
  2. パスポート用写真2枚
  3. 戸籍抄本(又は謄本)申請前6ヶ月以内に取得したもの
  4. 大使館窓口にある書類 「紛失一般旅券等届出書」「一般旅券発給申請書」
  5. 手数料 4,710バーツ

が必要となる。

ここで、多くの場合、戸籍抄本(又は謄本)申請前 が問題になる。そんなものを持ってることは滅多にないだろうから。もちろん、僕も持ってなかった。そこで、まず日本の家族に頼んで、戸籍抄本または謄本を代理で取ってもらい(そのために委任状の現物を家族に郵送しないといけない)、得られた戸籍抄本を郵送してもらわないといけないことになる。(しかしながら、未確認情報だが、実際には戸籍抄本(又は謄本)はなくても、亡くしたパスポートのコピー、住民票等役所が発行した本人確認の助けになる書類のコピーがあればなんとかなる場合が多いらしい。)

ノンイミグラントビザは、大使館が発行する再発行依頼書をその土地のイミグレーションに行って示せば、新しいパスポートにビザを記載しなおしてくれるらしい。

どうにもならないのはリエントリーパーミットで、これはもう一度お金を払って再発行してもらうしかない。

いずれにしても、膨大な時間と手間とお金のロスとなる。

しかしやるしかないので、まずは警察に行って盗難証明書を書いてもらうことにした。

ここで、僕にはその後もう2つEMSが日本から届いていた。車の経路から、まずは郵便局に行ってEMSを受け取り、その帰りに警察署に行くことにした。

郵便局では、以前から用意していたパスポートのコピーを使用してEMSを受け取ることが出来た。

用事が済んで郵便局を後にしようとしたその時、念の為にパスポートが落し物等でなかったかどうか聞いてみた。

「数日前に、ここでパスポートを使ってEMSを受け取ったのですが、その後パスポートが見つからないんです。何か心当たりはありませんか?」

すると、どうでしょう。EMSを手渡してくれたときは何も言わなかった職員が、

「ああ、もしかしてこれか?」と引き出しから僕のパスポートを取り出した。

警察に届けることもなく、一週間もそのまま郵便局で預かっていたのだった。

数日前に大きな郵便物を受け取る際に、僕は返してもらっていたパスポートを机に置いて、そのまま忘れてしまったらしい。

さっき使ったパスポートのコピーと照らしあわせ、僕のパスポートは帰ってきた。

その時の安堵感といったら表現しようがないほどだった。やっぱりパスポートは命の次に大切。僕は警察に行く必要もなくなり、晴れ晴れした気分でオフィスに戻った。

ところで、こうした場合、忘れ物はそのまま預かっておくのと警察に届けるのと、どちらが正しいのだろうか? 警察なら、警察組織であるイミグレに問い合わせて僕の所在が分かったかもしれないが、ワンステップ入ることで迷子になる可能性もあった。

郵便局で預かっていてくれたのと、念のために聞いてみたのと、警察所の前に郵便局に行ったのがラッキーだった。

ロイクラトーンの夜2015

タイに来て三度目になる今年のロイクラトーン。

僕は月曜の深夜にノンタブリに帰ってきていた。去年のロイクラトーンはマシュマロちゃんと一緒だったが、今年はいちご園で忙しいので彼女はいない。女がいなければ、僕が他の女を誘ってロイクラトーンに行くことを見抜いた彼女は先手を打った。僕と同じように相手がいないであろうプーに、僕を誘い出すように頼んだのだ。

「今夜はあの人を早めに誘い出して付き合ってあげて。一人で寂しそうだから。」

プーの娘はニュージーランドから帰って来ていたが、別れた父親とロイクラトーンを一緒に過ごすということでプーも独りぼっちだったので、プーにとっても都合のいい話だった。

「あなたロイクラトーンに行きたい? 良かったらこれからご飯でも食べて、それから近所のチャオプラヤーにロイクラトーンに行きましょう。OKね。じゃあ、サロンで待ってるわ。」という誘いがプーから来たのは5時半頃だった。

別に予定もなかった僕は、たとえプーおばちゃんでも独りでオフィスに隠っているよりましと思い、誘いに乗った。

夕食は、この8月にオープンしたばかりのチェーンワタナのドイツビアガーデン、赤い夕陽のタワンデーンだった。

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タワンデーンはタイに三箇所ある。一つはラーマ3にあり、僕も何度か行った()。もう一つはラミントラにある。今回初めて行ったチェーンワタナのタワンデーンは、一番新しく、箱も大きくすべてがよく設計された立派なビア・ホールだった。

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チェーンワタナといっても実際はオフィスから5kmほどのパークレットにある。早い時間に行ったのでガラガラだった。

入り口でタイの正装の女性がロイクラトンの写真を一緒に撮してくれたので、実際に川まで行くことなくロイクラトーンの気分を味わうことが出来た。美女と写真も撮れたので、混雑した川に行く必要はないかもしれない。

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ここのタワンデーンは、他の2店と違ってやたらと日本食が多かった。本来のタイやドイツのメニューは片隅で、お寿司や刺し身系のメニューが一杯だった。お寿司は一貫100B以上、刺し身は300B以上するが、日本の魚の刺し身を使っているようだった。

日本酒もあった。飲みたかったが日本の三倍以上の値段なので止めておいた。

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驚いたことに、ビア・ホール内にお寿司コーナーまであった。日本の料理店等と提携しているのだろうか。チェーンワタナはお役人の街で、それほどお金持ちはいないような気がするがどうなんだろう?

僕からすれば高すぎる値段だが、普段食べられない本格的なお寿司にはお金を使う人たちが結構いるとみた。

しかし、僕達は定番の大きな豚足を揚げたやつとソーセージのセットを頼んだ。

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ビールはドイツビールで、この場所で作っている。ビールは500mlで100-150Bと、比較的リーズナブルな値段だ。

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6時半頃から始まったショーは、音楽も映像も驚くほどレベルが高く、僕はとても楽しめた。タイの古典歌謡からアメリカンポップまで幅広く、歌手も入れ替わり立ち代り10名以上いた。バックのドラムが2台あって、そのリズム感が活かしていた。

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歌謡とダンスのショーは3時間半、一時も休む間もなく続いた。新しい店ということで、ショーには相当力を入れているようだ。その証拠に、ホール中央の一番いい場所にミキサー席がドンと設置されていた。

お酒と女の身体と音楽に陶酔することだけに生きがいを感じる僕にとっては、充実した楽しい時間だった。

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ユニークなトイレの案内

10時頃に退席し、チャオプラヤー川の辺りでクラトーンを買った。たった40バーツだった。

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川に流すことはしなかったが、玄関先のグッピーがいる水瓶に浮かべてロイクラトンを祝おう。

マシュマロいちご園グランドオープン

先週の土日に、マシュマロいちご園はグランドオープンした。

正式名は、ファーサイいちご園という。ファーはスカイブルー。サイは透き通ったという意味で、ファーサイで清涼な語感となるらしい。

マシュマロいちご園がある通りは、国道2号線からかカオヤイに向かう道の延長上にあって、15以上のいちご園がある。去年は1-2しかなかったのに急に増えた。

マシュマロいちご園は304号線からカオヤイに向かう場合には、最初のいちご園となる。カオヤイから来ると最後のいちご園だ。どのいちご園も綺麗に飾ってあって競合が激しいが、人が言うにはマシュマロいちご園が「この辺りで一番きれいないちご園」らしい。

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いちごピラミッドの日本いちごも元気に育っている。

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成り行きで、いちごワインやいちごウォッカまで売ることになってしまった。

いちごワインは意外に受けが良く、一週間で完売した。

他に、イチゴジャム、イチゴジュース、乾燥イチゴなどがある。

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看板に使った案内図はこれ。

僕は土日と、クリスマスから年始にかけて、マシュマロいちご園に居る。興味ある方は是非訪れてみてください。ただ、イチゴ狩りをしたいのなら、12月に入ってからのほうがいいかな。今はまだ成り始めたばかり。

ただ、「ブログで見た」というのはNG にしてほしい。個人的に僕から聞いたことにしておいてください。

当初目標にしていた電気はオープンまでになんとか間に合わせた。まだ仮設置で暗いので、もう少しちゃんとする予定。

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電気工事は、プロに頼もうとしたら、近くで別のいちご園を手伝っているマシュマロちゃんの親戚の若い衆が「そんなのは俺がやってやる」というのでやってもらった。220ボルトでかなり危険と思ったが手慣れたものだった。こういうのは違法だろうが、一応配電盤の後方なので、電気泥棒ではない。作業の手数料はもちろんなし。それが田舎のモン族の親族の間では常識らしい。

電気が通ったのでBGMも開始した。マシュマロちゃんの妹が、乳飲み子を抱えながらの仕事なので、乳飲み子が寝ている間はあまり音量を上げられないのが難点。僕にとっての思い出の名曲集を流してみたが、マシュマロちゃん一家には、あまり受けが良くなかった。でも、何度も聞いているうちにきっと好きになるだろうと勝手に思っている。

いちごの受粉を助けるため、ミツバチの巣も作った。

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しかし、三日間砂糖水を置いてみたが、今のところ一匹のミツバチも現れない。

一応、ネットで調べて、直射日光が当たらず、風が当たらず、地上1m以上に設置し、入り口を下に傾斜して、上部に熱が逃げる小さな空気口を付けてみたので、見つけてくれれば気に入ってくれるものと信じている。

ミツバチの種類が未定なので、入り口が大きすぎるのかもしれない。巣分かれの時期も知らない。ミツバチを誘うランの花や蜜蝋も手に入らなかったので使っていない。

この巣箱にミツバチが巣作ってくれるのは何時の日になるだろうか?

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コーヒーとストロベリーヨーグルトセーキはまだ準備中だが、ストロベリーヨーグルト・プリンは発売に漕ぎ着けた。評判は上々。一個60バーツ。単体での利益率は高くないが、一部が傷んだ売れないいちご利用しているので、トータルでの採算率アップに貢献しそう。日曜は40個が昼過ぎに完売した。

オープンの日の売上は、昨年よりかなり劣っているが先週の倍以上になって、このまま行けば採算ベースには乗るように思う。金曜の深夜に仕入れたいちごも二日間で完売した。

ところで、日曜日はマシュマロちゃんの誕生日だった。

去年はマーク島に豪華に旅行したが、今年はささやかな身内のパーティーのみ。

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こういうケーキは近所のお店には売ってなく、「ナコンラチャシマの街まで行かないと洒落たケーキなんてないよ。」と市場の人から言われていたので、国道304を闇雲に片道35km飛ばしているうちに、ガソリンスタンドとセットになったMini Big Cの隣にケーキ屋を偶然見つけたので、そこで買って来たものだ。求めよ、さらば与えられん。まあラッキーだったと思う。ケーキの味は予想に反して上等だった。

マシュマロちゃんの顔は、日焼けで農民そのものの見られない顔になってしまったのでカット。

この後、男連中と夜遅くまで全くわからないモン語と北部タイ語での会話にまみれてウイスキーを飲み交わした。僕のタイ語も酔っぱらいには何故か通じた。

カシオペア

夕食後にポンプが止まった。

400メートル先のポンプをチェックしに行かないといけない。しかし、道は真っ暗のけもの道。どんなヘビが出るか分からない。

一人では危険すぎるので、男二人で2つの懐中電灯と刃渡り40センチの剣(ナイフ)を持って、真っ暗な藪を下った。

途中、僕の長靴の中に冷たい何かが入ってゾッとしたが、幸い剣を使わずしてポンプに辿り着いた。ポンプに電気を送る分電機の過負荷が原因で遮断機が作動していたのだった。

こうしたことは、水の出口を全部閉じて、なおポンプを作動している時に起こりやすい。何処か末端を開けておかないと、ポンプに負荷が掛かり過ぎるためだ。

遮断機をリセットすると、塩化ビニール管の中に水が流れる振動が微かに感じられた。

それで二人は家への道を戻った。

途中、長い登り坂で息が切れて空を見上げると、うっすらと銀河が見えた。

カシオペアと北極星は低い位置にあった。

何年間もの間、キーンと寒い冬の日本の夜空に輝くオリオンを見て、心から涙が枯れたのを感じてきた。そのオリオンはタイの夜空では見つからなかった。

「あっ、戻ってきた。水、出たよー!」

という女の声に迎えられ、登り坂で高まった息も弾んだ。

生を謳歌している感じがした。

いちご園プレオープン

いちご園は今週の土日にオープンする予定だったが、マシュマロちゃんが急に先週末にオープンしたいと言い出したので、まだ準備が出来てなかったのにもかかわらず、プレオープンしてみた。

いちご園にはまだいちごがほとんど成ってないので、前の日の夜中の2時に、いちごを32キログラム仕入れて、徹夜で運んで早朝にパックに入れて、朝7時に開店した。仕入れ値は約5700バーツ。これに軽油代がプラス700バーツ。運搬の人件費は加味しないとして、6400バーツの元手がかかったことになる。

しかし、土曜はお客さんが来ない。お昼からチラチラ来だしたが、この日の売上は、他のジュース等の売上を加えても2400バーツ程度。

「まだいちご買わなければよかった。あなたのお金を借りて買ったのに、売れなかったらどうしよう? 私って何てバカなの。まだ早いという皆の意見を聞くべきだった。」

マシュマロちゃんは泣きべそを描いた。

「まだ誰もオープンしたことを知らない訳だし、初めから沢山の人が来るわけないよ。僕のプロダクトは未だに売り切れてないのは知ってるだろう? 僕の場合よりも大分良いよ。今日はプレオープンで、テスト見たいなものだから気にすることないよ。明日は今日より観光客が来るから、きっと全部売り切れる。」

そう言うと、子供のようにうなずいて泣き止んだ。

実際に、翌日の日曜は朝から結構お客さんが来て、いちごは完売できた。2日間で15000バーツ程の売上になった。マシュマロちゃんの気持ちが解れたのは言うまでもない。僕も妹さん夫婦も、ひとまず安心した。

プレオープンして良かったことは、お客さんの行動を観察したお陰で、問題点が幾つか明らかになった。

お客さんの行動パターンはこうだった。

  1. 駐車場に入って来るお客さんは希で、多くは道路脇に駐車してしまう。
  2. 道路脇で停車してこちらの様子を見るが、駐車せずに行ってしまう。
  3. 小さな花壇やパラソルの前で写真を撮って、何も買わずに去ってしまう。
  4. まだいちご狩りが出来ないことを知って残念がって帰ってしまう。

上の1,2については、

  • 駐車場へのアクセスが分からない
  • 駐車場までの道が悪く、駐車場まで行きたくない
  • お店のすぐ脇に駐車したい
  • 道路からお店までどうアプローチしていいのか分かりにくい

というのが原因と考えられた。

そこで、月曜日に早速クボタの小さなブルドーザーを呼んで、お店の前と駐車場への道を整地してもらった。

それから内部を見難くしていた多くの看板を全部取っ払って、再配置を考えることにした。かなりスッキリした。

駐車場には自分たちの車を停めた。そしたら、効果抜群。人は寂れてそうな所には来ないものだ。

さて、今週末にグランドオープンするこのいちご園の運命は如何に。

日曜日はマシュマロちゃんの誕生日。美味しいビールの乾杯が出来るだろうか?

炊事は焚火

このいちご畑は、もともとあったリムチーの枝をばっさりカットして開けた場所に作った。

その時に出た枝を干した木片がダンプカー一杯分ある。

その木片は焚き火にして、蚊を追い払うために使っていたのだが、当然料理にも使える訳で、これまでのプロパンガスの使用をやめ、焚き火で料理するようになったので、ますますキャンプ生活らしくなった。

キャンプ料理といえばカレーライスが定番。

日本のカレーはタイ人にも人気なので、一昨日は僕がカレーライスを作ってご披露した。マシュマロちゃんの妹さん家族は、日本のカレーは初体験だったが、食べっぷりからすると美味しかったようだ。

この暑さでの農作業は僕には無理なので、僕の仕事は火起こし、料理、子守り、買い物くらいしかない。

それにしても、この暑さ。なんとかして欲しい。

11月なのに、カオヤイの麓なのに、日中は34℃になる。ただ、朝は高原らしく結構冷えて、21℃くらいになる。だから、いちごの花が咲きだした。

日本は寒波で寒いみたいなので、気温差が大きくなってきた。

土と日光と水 泥と日焼けと汗

ここに来て一週間が経った。

朝5 時の暁の頃に起き、6 時のタラートで最小限の物を買い、陽が上がったら長靴を履いて、暗くなる迄、野良仕事。7 時に夕食を食べて、8時半に床に就く。モン族の家族には当たり前の暮らしだが、僕にとっては新しい生活だ。

日中の作業は辛い。日差しが真夏の砂浜のように熱く、顔から吹き出た汗が眼鏡の裏に垂れて前が見えなくなる。僕の場合、不思議にも顔の左半分からの汗の量が右に比べて異常に多い。

熱中症にならないように、2リットルに水を飲んでも、あまり小便は出ない。「暑い」、「しんどい」以外の感情も思考も無くなる。

辛いのは、言葉がモン語で9割は何も分からず、僕の意見も殆ど伝わらない。

指示したこととやることが全く一致しない。

自分のイメージ通りにやれないなら、きっと事業はうまく行かない。

でも、この一週間で施肥用のウォーターシステム、ピラミッド2基とそのウォーターシステム、ショップの飾り付け、案内看板の製作はほぼ完成した。

やっぱり水漏れしたが、コンクリートを塗って簡易型修理。

一鉢ずつ配水管を設置するのだが、太い幹線チューブが固くて取り回すのに四苦八苦した。

大き過ぎると皆に言われた看板も、こうして見ると小さ過ぎて見えない。

看板の数は20枚だが、全然足りないことが分かった。

すっかり日焼けしてしまって、海水浴帰りのようになった。

顔などはイサーンのタイ人よりも黒い。

昨夜は久々に自分のベッドで眠った。と言っても、二時間だけだったが。

一時に起きて、サンペン市場の向こう側にあるパックローン市場という花市場の片隅にあるイチゴの卸に2時半に行き、プレオープンの為のいちごを5分で仕入れて、その足でコラートのいちご園に戻って来た。

いちご園には朝6時半に着いて、そのまま夜まで働いたので、かなり疲れた気がする。

市場の慌ただしく込み入った路地の市場では、車を長く停められないので、ゆっくり選んでいる時間はない。皆、時間との勝負で思い荷物を走って運んでいる。

しっかりチェックする間もなく言われるままに選んだので、夜1時にメーホーソンから届いたばかりの新鮮いちごを買うはずが、大粒に関しては傷んだ古いいちごを買わされてしまった。

いちごピラミッド2基未完成

持ち込んだ日本のいちごを何処でどう栽培するか?

僕にとっては一番重要な問題が未解決のままここまで来た。

ピンクの花を咲かせる品種は、天空の村では6月から8月中沢山の花を咲かせ、次ぎ次に実を成らせたのだが、この間の目的は子株をできるだけ多く取ることだったので、花はひたすら摘んでしまった。

そうしてこの地に持って来た子株たちは、この気候に合わなのか、栽培方法が悪いのか、6割方が枯れてしまった。というより、根付かなかったと言った方が当たっている。

ただ、生き残った株は元気だし、品種に依っては死亡率ゼロのいちごもある。

そうしたジャパンいちごを普通の畑に植えるのではなく、もっと目立つようにしたかった。そこで、マシュマロちゃんのアイデアは、ピラミッド型のいちご棚を作って欲しいというものだった。

初めは作りにくそうなのと、二方面が日陰になるという理由で反対していたのだが、他に良いアイデアが浮かばず、彼女の希望通りピラミッド型いちご棚を作ることのなった。

設計は僕。施工は僕とマシュマロちゃんの妹さんの旦那さん。

ツーバイフォー材があれば簡単だが、例によって丸太材だ。真っ直ぐでなく、太さも違う丸太材で棚を作るのが一番厄介だった。

これが、そのピラミッド。

思いの外、材料費がかかった。細い丸太は一本20バーツ。太いのは40-60バーツ。ピラミッド2基で100本近く使ったので、材料費だけで5000バーツくらいかかってしまった。

頂上に登ると見晴らし良くいい気分。

頂上からのマシュマロいちご園全景。

ショップの両隣に2基建てた。

僕が白く色を塗ることを提案した時、マシュマロちゃんは反対した。

妹さんが賛成したので、白く塗ることを決定。翌日、朝からペンキを買って来ると、反対していたマシュマロちゃんも含めて、皆で寄って集って色を塗った。

空はこんなに晴れて日光が熱いのに、塗り終えた頃にどしゃ降りの雨になってペンキが流されてしまった。

昨夜は暗くなる迄頑張って色を塗ったのに、夜中に豪雨が降ってまた色が剥げてしまった。

三回目の挑戦でなんとか一通り塗り終えたが、まだ塗れてない場所や剥げた場所を仕上げため、もう一日晴れた日に塗らないとダメだ。

時計とピンクのテーブルクロスを敷いて、ほぼ完成のショップ。

ピラミッドの方はウォーターシステムをどう設置するのか未解決のままだ。

ピラミッド!では、ジャパンいちごの二割も置けないので、別の棚か畑を用意しないといけない。

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サラリーマンはもう飽きた。気がつけば人生の残りも僅か。ここはひとつ、窮屈な日本を抜け出し、活力あるのにどこかゆる~いタイを舞台に、自分らしい第二の人生に旅立つことを決めてしまった親父。
タイに来て早10年。挑戦と冒険の心を忘れずに、異国でセカンドライフを謳歌している60代のオヤジです。

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