定期抗体検査
このブログを一番利用しているのは多分僕自身だろうと思う。
日記のようなものなので、何時頃何を考え何をしていたかを振り返るのに便利だ。
「そういえば、最近HIV抗体検査に行った記憶がないなあ」と思って調べてみると、なんと前回の検査は6ヶ月以上前のことだった。
タイに来た時から3ヶ月毎に検査するように心に誓ったのだが、実は前回も半年開けてしまったので、うっかりと連続2回目半年も開けてしまったことになる。この半年の僕の行いは、まるで人が変わったように大人しく健全であって、危ないことはあまりなかったのだが、可能性がゼロかと言われると、そうとも言い切れない。
6ヶ月前というと、ちょうどマシュマロちゃんが来た頃で、その後検査していないので、万が一感染していたら彼女にも危険が及んだかもしれず、それを放置しておくのは人間として不味いと思って、バンコクに出る用事があったときに、いつものHIVリサーチセンターのアノミマス病院に行って来た。(詳細はこちらとこちら)
行ってみると、受付システムが更新中でかなり混乱があった。
ますはじめに、銀行に行った時などに要件ごとに受付番号を発行する時に使うような機械で、来院目的のボタンを押す。ボランティアらしい補佐員がいるので字が読めなくても大丈夫。
1番と書いてあるその機械のところに行き、「HIVの抗体検査に来た」と言えばいい。「エイズ、スクリーニング」でも大丈夫。で、それは一番上にある。他には、抗HIV薬を処方して貰いに来たとか、病気の進展を検査しに来たとか、他のウイルス検査に来たとか、性生活上の相談に来たとかがあったと思う。
1番上のボタンを押すと、受付番号が印刷されたスリップが出てくるので、それを受け取り、次に2番と書いているコーナーに行き、登録作業を行う。
ところが、登録を行うパソコンが2台しかなく、待ち行列ができる。今何番の人が作業しているのか示されないので、いつまで待てばいいのか分からない。機械が空いたので、僕は勝手に作業を始めたら、係員に「まだ、お前じゃない」と言われ、作業中だったのにどかされてしまった。
作業中の人の整理番号を覗きこんで、あと何人か確認するしかなかったが、これはあまりお行儀が良くない。この辺り、システムの改善が必要なところだろう。
順番が来て、画面を見ると、まずタイ語か英語かを選ぶ。英語を選ぶと、次に診察券の番号を入力する。
診察券がない場合や初診の場合は、住所氏名、ID番号またはパスポート、その他いろいろな背景情報を入力しないといけないので結構時間が掛かる。
診察券の番号を入力すると、本人確認のため、
- ID番号またはパスポート番号
- 電話番号
- 生年月日
のいずれかを選び入力する。正しければ本人確認ができたことになる。
本人確認ができれば、横の特殊なプリンターからバーコードが印刷されたシールが2枚出てくる。一枚は採血表に、もう一枚は採血管に貼るためだ。
僕の場合、上の3つのどれをやっても本人確認ができなかった。システム屋と思われる人が来て、いろいろ試してくれたが、どうやってもダメ。
こういうことは結構な頻度で起こるらしかった。多分、データベースの入力に間違いがあったのだろう。
「もういいから、4番に受付に行ってください」というので、4番に行くと、
そこにはカルテ情報が見えるパソコンがある。
「今日は抗体検査だけですか?」というので、そうだと答えると、「前回は2月に来てますね」という具合に僕の情報はちゃんと入っていた。
ここで、外国人の場合は200Bを払う。
領収書をもらって、今度は2階の5番に行けと言われる。僕の場合、バーコードがなくて、1番で貰った整理番号表があるだけたったが、それでも問題ないようだった。5番は採血室。
通常、10~30分待つと順番が来る。1番でもらった整理番号で呼ばれる。採血室にはちゃんとバーコードが二枚あった。
僕は血管が見えないことにかけては人一倍長けていて、いつも看護婦を泣かせる。僕も何度も針を刺されるのは嫌なので、秘密の場所を教えてあげる。
「ここの深いところにあるから、ここからこの方向で挿せばいい」と言うと、何度も指先で触ってから、
「確かにあるわね」と言った。僕のリコメンデーションに従いたくない看護婦だと、手首の近くや手の甲の血管を使うことになる。
今回は僕の言うとおりにやったので、一発で太い静脈に入った。
いつも4-5mlも採血する。そんなに必要ないだろうが、いつも同じようにやるのが肝心なのだろう。
採血が済むと、「検査結果は一時間後に出ますので、一時間後に来てください。」と言われる。しかし、僕の経験では一時間で結果がもらえた試しはなく、たいてい1時間20分から30分かかる。
この間、院内にいても仕方がないので、隣のルンピニ公園でのんびり過ごすのがいい。
病院に戻って順番を待っていると、「一階に降りて待て」と言われた。いつもは2階なのになんだろう?
一階は、男性同性愛者専用の診察室だったはすだが。。。
しかし、呼ばれて診察室に入ると、いつもと違って、ちゃんとした医者らしい男性が待っていて、綺麗な英語で要領よく作業してくれた。一本指打法でパソコンを使うおばあちゃんでなくてよかった。
「ええっと、はいネガティブですね。大丈夫です。2月に検査してますね。その後危険な行為をしたのですが?」
「えっ? いや、まあそれほど危険じゃないですけど、一応定期的に検査しておきたいので。」
「ああそうですか。最後にセックスをしたのは何月か覚えていますか?」
「はあ? ええっと、たしか三日前です。」
「なに人ですか?」
「タイ人です。」
「男性ですか、女性ですか?」
「女性です。」
「どんな女性ですか?」
「普通の女性です。」
「検査結果(メディカル・サーティフィケーションは必要ですか?」
「はい。」
以上で終了。
検査結果をもらうまでに来院してから3時間かかった。お昼時間を挟む場合は、プラス1時間を見たほうがいい。
自分のために記録しておこう。検査日は2015年9月9日。
多分、僕はもう当分ここに来ることはないだろうと思う。もう一生来ないかもしれない。
色々お世話になりました。
この病院に来る人は、ほぼ全員HIV検査目的か、HIV検査感染者なので、来やすいし、検査は安いし信頼できるので、皆さんにもお勧めです。