昨日の午前
モンは黙々とホームページをタイ語に翻訳する作業を続けていた。
社長の僕は、会社の生命線である「売れる仕組み」をどう作っていくのか、ぼんやり考えていた。
「こんな風に考えていたって、らちが明かないよなあ。」
時々睡魔に襲われながら、インターネットで何かためになる話は載ってないかとググっていると、THAIFEX ーWolrd of Food Asia 2014 という展示会がここから近いチャーン・ワタナのインパクトという国際展示場で開催されているのを知った。
「ねえモン、THAIFEXって知ってる?」
「知ってるわよ。今インパクトでやってるでしょう。」
「ええ? なんで知ってんの?」
「大学の友だちがTHAIFEXに参加するためにインパクトに来ているってFACEBOOKに書いてあったから。でも、あれは普通の食品の展示会だから、私達の会社には関係ないわよ。」
「どんな食品?」
「魚とか、フルーツとか、お菓子とか、とにかく普通に売ってる食べ物。」
「まあ確かにあんまり関係なさそうだけど、JETRO(日本貿易振興協会)が日本から食品会社をたくさん連れて来ているみたいなんだ。僕はJETROの人と話がしたいし、タイに進出したい日本の会社の人とも知り合いになりたいから、行ってみたい。インパクトも見たことがないし。」
デスクで考え事をしていても、大したアイデアが浮かんでくるわけじゃないし、考えは堂々巡りで一歩も進まない。これはきっと時間の無駄だ。こんな時は、出かけて新しい風に当ってきたほうがいい。
「展示会に来ている日本の会社の中には、食品以外にもいろいろやってる会社があるかも知れないし、JETROが役に立っているかどうかも知りたいので、行ってみよう!。実は、僕が日本にいた時はJETROと縁が深かったんだよ。JETROに聞いてみたいことたくさんあるけど、会場に行けば話ができると思う。」
「そうね、行ってみましょうか。私、眼も疲れたし。」
行くとなったら話は早い。タクシーを捕まえて30分後にはインパクトに到着。
インパクトとは民間の巨大なコンベンションセンターで、面積は14万平方メートルもある。THAIFEXが開催されていたのは、インパクト・チャレンジャー・ホールで、ここだけで 60,000m²もある。世界最大の柱のないエキシビションホールなのだそうだ。
日本で最大の東京ビックサイトの東展示棟よりも広い。

それにしてもでかい。

くそ暑いのにスーツ姿で頑張った。

レジストレーションは2階。


ここか展示会場チャレンジャーの入口。どうも背広までは必要なかったようだ。

登録はモンに任せて、僕はJETROブースに。

ここが展示会場の外のJETROブース。展示会場の中にも、ジャパン・パビリオンと称してブースがある。
「あのう、タイで自分の商品を買ってくれる人をどうやって探したらいいですかあ?」
「会費が高いので、まだ会員になるかどうか考え中ですけど、非会員でも相談に乗ってくれますかあ?」
「どうやって相談を申し込んだらいいのかも分からないんですけどお。。。」
とおバカな質問を連発してみたが、丁寧に答えてくれた。
こうして日本人が一人で異国に来て頑張っているんだから、見捨てないでねJETROさん。

これがチャレンジャー内のブースの見取り図。見る人が見れば分かる巨大さ。

チェンマイの山岳民族の農園が出しているタイ・コーヒー。
農園の標高は1300メートルで、マシュマロちゃんの故郷に近い。
試飲したら、驚くほどいい香りで、最高級のコーヒーだった。
聞いてみると、まだ日本に輸出したことはない。USDAオーガニックというアメリカの無農薬認証もついた優れもの。実は、近年タイのコーヒーの質がいいのが世界で認められ始めていて、タイのコーヒーしか飲まない通もいる。

400グラムもあるUSDAオーガニック無農薬茶のケーキ。1日に6個しか生産できないとか。これ一つで5000円以上の価値があるのは間違いないと思う。興味を示してサンプルが欲しいと言ったら、社長さんは喜んで上のコーヒー4パックとお茶パックケーキ1つとお茶のパック2箱をくれてしまった。山岳少数民族が作る自然茶は希少で本当に価値があるが、なかなか入手できない。モンと僕の目がキラリと光った。

ミャンマーのマンゴーのコーナー。タイのマンゴーより香りがよくて丸っこくて甘い。
実に美味しかった。オーストラリアマンゴーと違って、外見も真黄色で素敵だ。同じく日本に輸出したことはない。
モンが手に持っているのは、双子の珍しいマンゴーで、幸運の証とか。

何やら積極的に説明を聞くモン。やはりタイ語同士だとよく通じる。

この可愛い娘は、ジャパン・パビリオンにいたフリーランスの通訳兼コンパニオン。タマサート大学の現役学生。日本の会社のブースをお手伝いしていた。その会社の社長に聞いてみると、この娘たちは皆JETROが手配したらしい。
その時、モンと僕の目がキラリと光った。
そして、この娘の他にも3人、計4人の美人通訳の名刺をゲット。4人共、日本語のレベルは高く、言葉使いも丁寧で、ちゃんとした教育を受けたのが分かる。翻訳も請け負っている。
ジャパン・パビリオンを離れて各社のブースを回ってみると、綺麗なプリティーがいっぱいいるではないか。
プリティーとは、日本で言えばコンパニオン。商品の説明をしたり、愛想を振りまいてサンプルを配ったりしているプリティーな女の子たちのこと。
マイクを持って綺麗なタイ語で商品の説明をしている人は、プリティーより格の高いMD。
この時、モンと僕の目がキラリと光って、ここに来た目的が突然プリティー・ハンティングに変わった。

それにしても、可愛くて綺麗。

中でもこの娘は僕のお気に入り。日本語もOK。

タイ語しか出来ないが、可愛い系モデルのプリティー。

この娘も日本語が少し出来る。性格が良さそう。

モンはせっせと連絡先を聞いている。

皆さん細くて色白で、胸は大きい。

この娘も僕のお気に入り。可愛くて彼女にしたくなる。

給料と電話番号を聴きまくってきた。皆さん、1日2500B。

結局、20名弱のプリティーの電話番号と名前を聞き出すことに成功した。

この胸に釘付けになってしまった。
「巨乳だね。ソレ本物それとも手術?」と聞いてみたら、シリコンだと素直に答えてくれた。
後でモンから、「あんな下品な聞き方をしちゃダメでしょ。」と叱られた。
モンが言うには、胸が大きいプリティーは9割方シリコンなのだそうだ。

上の巨乳ちゃん。お酒のブースなので流石にポーズもエロい。この娘は他より高くて3500B。
人工巨乳でも、こんなにぷよぷとするなら悪くないかも。

国際展示会は実に楽しくて興味を引くところだ。
珍しいものがいっぱいあるし、サンプルはもらえるし、可愛いプリティーはいるし、ビジネスのネットワークも拡げられる。
日本の展示会ではあまりないことだが、海外の展示会では、会場で実際の取引がどんどん決定していく。展示会は、商品を手に取って見れることもさることながら、相手の顔が見えるのが何より一番のメリット。
ブースにいる売る側の担当者は、英語が使えたり、たまに日本語が使えたりするレベルの人たちなので、意思疎通もしやすい。
思わぬ収穫に満足した二人だったが、この時すでにクーデターは発生していたのだった。
Topic : タイ・バンコク
Genre : ForeignCountries