そして誰もいなくなった
これまでカオヤイ、ワンナムキアオは、コロナ感染者の少ない地域だった。森と畑しかない田舎だから、それが当たり前と思っていた。
でも最近のコロナ(多分オミクロン)はちょっと違う。
マシュマロいちご園のあるワンナムキアオでは、集落全体に蔓延して、感染者の居ない家庭の方が少ないくらいだった。
発症しても病院にも診療所にも入れてもらえず、自宅に帰させられる(ベッドがないので)。
同様に、チェンマイ近郊やマシュマロちゃんの田舎である天空の村でさえ、どの家庭も数人は寝込んでいるようだ。マシュマロちゃんの家族も数人やられているらしい。
マシュマロちゃんの兄さんの娘さんも感染し、兄さんは心配してワンナムキアオからチェンマイに帰ったが自分が感染してしまった。
タイのコロナ感染状況を見ると、漸増状態が続いていて、県別ではチェンマイがとても悪い。けれども、マシュマロちゃんの家族からの話を聞くに、政府発表の数は実際よりも遥かに少なそうだ。
故意に隠しているのではなくて、実態が把握出来てないように思える。
病院に行ってもろくな薬も貰えず家に帰されるだけじゃ、家族内で感染が拡がっても、重症化しない限り誰も病院に行かないだろう。
嫌な感じと思っていたら、遂にウイルスはここカオヤイにもやってきた。
何時誰からとは特定出来ないが、潜伏期間を3~4日とすると、豚を精霊に捧げる会で僕らのワーカーに広まったようだ。2回目に生贄を捧げた日の翌日、住込みワーカーの二人が喉の痛みと倦怠感を覚え、市販の抗原検査ATKでチェックしたところ、二人とも陽性だった。自覚症状がないその他6名(ガキンチョを含む)は、その時点では陰性だった。
不吉なことに、マシュマロちゃんも喉が痛いという。
幸い、僕の家に住むワーカー二人とマシュマロちゃんと僕は陰性だった。
しかし、2回も宴会で豚を一緒に食べたし、直ぐ近くで仕事をしていたので、実際にはもっと大勢が(ひょっとして全員が)感染した可能性がある。
住込みワーカー達は、皆感染しているかもしれないし、2家族が看病のために休みたい言った。また、ここら辺の病院は高いけど、田舎の診療所だとタダで治療が受けられるので、帰りたいと言い出した。
彼らの気持ちは兎も角として、お店で感染者が出ると、多分お店を2週間閉鎖して消毒しないといけなくなるし、感染が僕らに迄広がるのは嫌なので、直ぐに彼等を遠避けたいと思ったので、彼らが帰りたいと言うのは好都合だった。
彼らが居なくなると、花の管理が出来なくなってしまうが、元々彼等は3月いっぱいまでという予定だったので、居なくなるのが僅か数日早まるだけだ。
そこで、すぐに帰ることを了解して、昨日田舎に帰した。
彼等が帰った翌日の今日、感染者がいた家族の子供(巨乳幼妻の娘)が発熱し、感染が確認された。おそらく3家族の殆ど全員が感染するのではないかと予想する。
また、新居に一緒に住んでいたマシュマロちゃんの親戚のワーカーは、コロナとは無関係に以前から昨日帰る予定だったので、予定通りチェンマイに帰った。
彼女は、昨日は抗原テストで陰性、且つ無症状だった。しかし、チェンマイに戻った今日喉が痛くなり、再度の検査(ATK)で陽性が確認された。
これで4人目である。
やっぱり大部分の人に感染っているようだ。
今のところ、僕の新居に同居する僕自身とマシュマロちゃんとマシュマロちゃんの友人の3名は、抗原検査で陰性であるが、今後どうなるか分からない。
僕らは毎日イベルメクチン3mgを飲みだした。
僕は更にアビガンことファビピラビルを初日は1600mgx2回、2日目移行は1日3回800mgを飲んでいる。
アビガンは感染のごく初期に効果を発揮すると作用機序から考えられるので、発症前ながら試験的にそうしている。
ただ、アビガンは催奇形性があるので、妊娠の可能性が僅かでもあるマシュマロちゃんと友人には飲ませてない(この件については後日別途記載予定)。
アビガンもイベルメクチンも、何の副作用も感じられなかった。万一感染すると、一番年齢が高くて重症化リスクが高いのは僕自身だが、薬との関係はわからないが今のところ発症の気配はない。
整理すると、子供も入れると17名のワーカーと家族がいたが、そのうち14名が昨日帰っていった。そして、帰って行った14名のうち、今のところ4名の感染が確認された。
僕は、マシュマロちゃんも感染している可能性が高いと思っている。毎日、抗原検査する必要がある。
マシュマロちゃんは、万が一自分が感染していて、彼女から僕に感染すのを恐れて、僕とは別の部屋で寝るようにした(その部屋は昨日感染が確認された親族が寝ていた部屋である)。もちろん、しっかりアルコールで消毒はした。同じ布団は使ってない。窓は2つ開放して空気を入れ替えている。
この感染拡大は始まったばかりなので、毎日状況は変わるだろう。
精霊は、僕らが捧げた生贄に満足しなかったのだろうか?