今期のカオヤイショップの売りは、
① 赤くて目立つ大きな屋根
② お客さんが寛げる日陰のウッド調デッキ
③ シックでオーガニックなコーヒーコーナー(美味しいケーキとさつまいもデザートもある)
の3つ。
ここ数日は、②のウッドデッキを作っている。
ウッドデッキと言っても、タイには良い木が無いので、ウッド調にエンボスと二重塗りが施されたファイバーセメントをスマートボードの上に貼って作る。
天然の木の暖かさはないが、コンクリート丸出しよりはナチュラル感が出る。タイには良い木が無いのに加え、シロアリやカミキリムシ、カビといった木を腐食する生き物がわんさと居て、未処理の木なら一年でボロボロになってしまうことから、彼らが食わないセメント系の材料は郷に合っている。
何もかもやったことが無いことだったが、16ミリのスマートボードを鉄骨にビス止めし、防水防カビの塗料を塗って、その上にタイル貼り用の接着セメントを薄く塗って、厚さ8ミリのウッド風セメントボードを貼る。

スマートボードに防水塗装したところ。
清潔感はあるが、泥んこの靴で上がれば直ぐに汚くなる。
1.5%の傾斜を付けていて、水が店に流れ込まないようにしてある。

接着セメントを塗ったところ。


ウッド風セメントボードを貼り終わるとこんな感じになる。
ちょっと色が赤過ぎだったが、ぱっと見、古いウッド調のデッキになった。
お店とウッドデッキの堺目になるショーケースや棚が未だ無いので、やけに広々と感じる。デッキとショップの床の総面積は、約90平方メートル。
このデッキは、泥んこの靴で上がっても問題なし。雨で濡れても大丈夫。シロアリも食わないので、重量がかかり過ぎて割れない限り数年は使えるはず。泥で汚れたら洗い流せば良い。塗装が剥げたら塗り直せば良い。
未だ未完成だが、床材だけで24000バーツも掛かった。
ちょいとお金の掛け過ぎで、単年度では最終的な収支に痛く響くけれども、いちごの時期以外にもコーヒーショップ等として営業出来て、且つ数年以上使えるなら、元は取れるのではないだろうか?
ともかく、この赤い屋根のショップとウッドデッキとコーヒーコーナーは今期の戦略の柱なので、出来るだけのことはしたつもりだ。
何事も真似しっぺの他のモン族いちご園も、財政的な制約からここまでは出来ないだろう。
先日、土地のオーナーが友人を大勢連れてきて農園の現状を見に来た。
彼の友人は、
「どうして職人に頼んでやってもらわないのか? 頼んだ方が速くて安全で綺麗に仕上げるよ。紹介しようか?」
と僕に聞いてきた。
僕が答えに窮していると、オーナーは、
「この日本人は、なんでも自分の手でやるのが主義なんだ。」
と答えた。
本音を言えば、僕もお金で解決出来るなら、その方が楽でそうしたいのだが、肝心のお金が十分に無いので、仕方なくなんでも自分で(ワーカーと有り難い助っ人の協力で)やっているに過ぎないのだった。
ただ、未知の領域を試行錯誤で手作りしていくことは、とても面白い。思い通りに出来た時の満足感は、お金で買っただけの場合とは違う。
価値は物にあるのではなくて、体験と感動にあるのだから。