外国人に課せられた義務、90日レポート。
僕は今まで一度も提出したことがなかった。理由は、最長100日程度で出国していたから。
90日を越えようが、出国してしまえば勝ち。空港で指摘されると罰金だが、指摘された人の話を聞いたことがない。
しかし今回は、約半年若しくはそれ以上帰国の予定はないので、90日レポートを出すことにした。
一番手軽そうなのがインターネットでの報告。しかしこれはイミグレも認める通り、上手く稼働していない。
問題点としては
すべてのブラウザーから、危険サイトにつきこれ以上進まないようにとの警告を受けるようなセキュリティー上好ましくないプログラムである。警察が作ったシステムなので、入力端末の情報を読み取っていると邪推している。
インターネットエキスポローラー以外のブラウザーでは入力出来ないところがある。ウィンドウズ派でも今はEdgeだろうし、今時インターネットエキスポローラーじゃなきゃ使えないシステムを作ること自体が信じがたい。
一度でも入力を間違うと、近くのイミグレに問い合わせろというモーダルループのメッセージが出て、それ以上先に進めなくなる。
バンコク以外の地域で正常に機能しているのかどうか情報が少ない。
僕の場合、オフィスの自分が使うパソコン(ウィンドウズ10)では、セキュリティーブロックのため、どうしても90日レポートのサイトに入ることすら出来なかった。従業員用のサポートが切れたウィンドウズ7がインストールされているパソコンでも状況は同じ。
そこで、ネットショップにある20分間10バーツのパソコンで試してみた。個人情報を入力するのにネットショップにパソコンを使うのは抵抗があったが、どうなるのか試してみたかった。結果は、警告を無視すれば、90日レポートのサイトのサイトに入れた。しかし、パスポート情報を入れて次画面に進もうとすると、例の近くのイミグレに聞くようにとのメッセージが出て次に進めなくなった。
ネットで登録できる帰還も過ぎてしまったので、次に正攻法であるイミグレに直接行って登録することにした。ただここで問題なのは、どこのイミグレに行くべきかだ。
インターネット情報によれば、
住んでいる住所の近くのイミグレという説と、ノンイミグラントビザを発行したイミグレという説がある。僕の場合、諸事情のために前回のノンイミグラントビザはチェーンワタナで発行者してもらった。住んいるのはノンタブリなのにである。
なんとなく、ビザを発行したイミグレに行くのが正解だろうと思い、チェーンワタナに行った。例によって順番を待ち、僕の番が来て、TM47なる書類を出すと、
「あなたはノンタブリに住んいるのだから、ノンタブリのイミグレに行って下さい。ここでは取り扱えません。」と言う。予想通り。
「僕の場合、ビザはここで発行してもらったのここに来たんです。90日レポートのサイトにもそう書いてあります。」
と粘ったがお役人は聞く耳持たず。
仕方なく、タクシーでも行けないような田んぼのど真ん中のノンタブリのイミグレに行くと、フェイスブックやラインのアカウントや銀行口座情報まで聞く例の書類を渡された。これは任意方国との見解が出ているので、最低限の情報だけ書いて提出すると、
「あれ、あなたは今回が初めてのレポートですね。では、次の書類を提出して下さい。」
提出すべき書類は、
賃貸住宅の賃貸契約書のコピー
僕に部屋を貸しているオーナーのサイン入りIDカードのコピー
その部屋(建物)のタピアンバーン(登記書)
そんなの急に揃えられない。期限は後2日しかないし、オーナーは運悪く旅行中。間に合わない。
そこでノンタブリのイミグレで登録するのは諦め、実際に住んでいるカオヤイの住所を管轄するコラートのイミグレで登録することを考えた。
しかし、コラートに戻る途中、賃貸契約書が僕の名前でなく、マシュマロちゃんの名前で契約したことを思い出した。僕の名前は単にウィットネス(契約立会人)としてサインしただけだった。
マシュマロちゃんと僕の関係は特に何もないし、その契約書ではどうみても僕がそこに住んでいることの証明にはならない。
ということで、八方塞がり。ただ90日レポートを出すだけなのに、どうしてこんなに難しいのか。
やもなく、僕のビザを取ってくれた灰色ビジネスの女に意見を聞くと、
「あ、それ、どうやってもの無理だわ。今、たまたま別件でノンタブリの役所にいるから、そこにパスワード持って来てくれれば、すぐやってあげる。」
車を引き返し、ノンタブリの役所で其の女に会いパスポートを渡すと、チェーンワタナで働く一回りも年下の旦那さんは、僕の住所も利かずサインも不要で
「やっておくから大丈夫。」と言った。
どうもバンコクの彼女家の住所を使うらしい。サインはどうにでもなるみたい。
一般に業者に90日レポートの代行を頼むと500バーツだが、僕のような特殊な場合で特殊な方法でやってもらうと幾らになるのか心配だったが、相場と同じ500バーツだけで済んだ。
ガソリン代、費やした時間、磨り減った神経を考えると、始めから彼女等に頼めば良かった。
こんなことの繰り返しで良いのだろうか。
