トイレ作りに挑戦
去年、絶対にやりたかったのに出来なかったことの一つに、トイレ造りがある。
下痢気味で食後に必ず💩がしたくなる僕としては、トイレは必須条件。💩を我慢して農作業は出来ない。
いちご園の隣のテースバンにある美しいトイレが使えることが分かってからは、僕はあまりトイレに悩まなくなったが、もっと大切なことが残っている。
それは言うまでもない、お客さんのためのトイレだ。
実際に多くのお客さんからトイレは有るかと聞かれた。いちご狩りはしたいけれど、先ずは出す物を出さないと落ち着いていちご狩りなんて出来ないという様子がありありで、僕は痛いほどその気持ちが分かるので、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
ただ、トイレを作るのはそう簡単じゃない。
一番の問題は、土地のオーナーがそれを許可するかどうか。駄目というオーナーが多い。
トイレの場所も問題。近すぎると臭いし、遠すぎると行くのが面倒くさい。方角とか、家屋の前は駄目とかの風水めいたこともある。
それと、木の近くは根っこで穴が掘れないとか、下が岩盤だと掘れないととかいう作業上の制約。
トイレには水が必要なので、ウォーターラインが近くに来ていることも要件となる。
僕らのいちご園の場合、上記を鑑みて、ちょっと遠いが、施肥用第二ポンプの隣に作るとにした。
お店から200メートル程離れていて、歩いて行くと途中で失禁してしまいそうだが、バイクや車では行き易い場所。お客さんの場合は、車でも良いし、いちご園の中を突っ切って歩いて言ってもよし。
ここで、タイの大都会以外のトイレの構造を説明しないといけない。
大都会の市街地以外、タイにはまともな下水路はない。市街地でさえあまりない。浄化槽を設置することもあまりない。
では、どうするかというと、地下に染み込ませる。
ぼっとん便所でも、水洗便所でも同じ。
💩は活発な微生物や昆虫によってかなりな程度分解される。おしっこや水は地下に染み込んで行き、そのうちに地中の微生物によって分解される。
だから、時々は汲み取りバキュームカーで掃除しないといけないが、その頻度は低くてよい。
つまり、排泄物が溜まる穴の底は、土なのだ。炭を敷く場合もあるが、コンクリートで底を閉じることはない。
だから、穴の底は地下水位より高くないといけない。穴の深さは普通1.5メートルくらいなので、地下水位がそこまで浅いことはあまりない。
ところが、カオヤイ農園の場合、掘ってみたら地下水が染み出してきた。
雨季だし、雨降った後だからか?
これはタイ式トイレにとって、すごーくまずい。
排水路からも水が。。。
つまりこの一帯の現在の地下水位は僅か数十センチってことみたい。
コンクリート土管を生めて様子を見たら、地下50センチまで水が上がってきて、💩する前から浄化槽は満タンになってしまった。満タンになると、💩が便器から浄化槽に落ちなくなるので、トイレが悲惨なことになる。
これじゃあ使えない。困った。どうしよう?
排水路からも水が湧いて来ていることからして、この辺り何処も地下水位は同じだろうから、場所を変えてもダメそう。
選択肢は2つ。トイレを諦めるか、乾季には使えることを祈って突き進むかだ。
でも僕には、トイレを諦めるなんて無理。やるしかない!
浄化槽はタイ式だが、便所は濡れたタイ式のは嫌だ! どうせ作るなら日本式の床が乾いたトイレが欲しい。
そこで、僕はツーバイフォー方式で床が高床木造のトイレを作ることにした。タイにはツーバイフォーのSPF材はなく、サイズが不揃いな超硬くて重い南洋材しかなく、丸鋸でのカットも釘打ちもとても大変だった。
日本から買って持って来ていたインパクトドライバーも盗まれていたので(これ凄いショックだった)、ドリルで下穴を開けて、それから釘打ちしたのだが、釘が入らず苛ついた。
当初はこの倍位の広さを考えていたが、浄化槽の問題で使えないかもしれないので、最小限の広さにした。
柱のない構造の家に皆さん驚いた。
ペンキを塗って、扉を付けたら、日本式トイレに近付いてきた。
緑色がどぎついが、周りの緑に溶けて目立たなくなる。
屋根はトタンだが、このトタン、丈夫で錆びないから不思議。
入り口はコンクリートを敷いて、葉っぱで模様を付けた。
既に買ってある水洗便器と水源のタンクを設置したら完成予定。
さて、このトイレ、使える日が来るのだろうか?
つづく。