豊穣の土地の不安
マシュマロちゃんと僕の今年のいちご園は、多くのフルーツが実る豊かな土地のようだったが、2つの大きな問題を発見した。
彼女は平気だが、僕は絶望感を感じた。
いちご園にする借りた土地の端から向こう側は下り坂になっている。初めは緩やかだが、だんだんと急な坂になる。サンダル履きの彼女はどんどん先を行くが、足場が悪く、老体の僕は靴履きなのに付いていけない。
「早く来てー!」と呼ばれても足元が気になって早く歩けない。
「ヘビがいるかもしれないから気をつけろ!」としか言えない。
この辺りはトウモロコシを栽培していた形跡がある。最近開墾した土地のように思えた。
木は刈られ、土がむき出し。雨で土が流れ出している。
まだ水場の池は見えない。思ったより高低差がある。グーグルマップで上から見ると、せいぜい15mくらいの窪地だろうと思ったが、上から彼女の位置までで30mはあるように思える。
坂を下から見たところ。
それにしても、かなりの急斜面。
直線で300mほど降りた所に水場の池があった。
池の近くはより急な坂。頂上との高低差は40m以上ありそうだ。
こんなに高低差があって、水は揚がるのだろうか。オフィスのポンプが壊れたとき、ポンプについて調べてみたが35m以上揚がるポンプは特殊で高い。40mも揚げることが出来るのか僕は不安。
彼女のお兄さんは、「かなりキツイが可能」と判断したそうだ。
それにしても、高低差40m、水平距離300mの揚水システムなんて、僕には出来るとは思えない。
ウォーターシステムは必須で、それが出来なければいちご園は出来ない。
池は10mx20m程度。足場が悪く、これ以上近寄れない。魚やトカゲが沢山住んでいる形跡はない。
濁っていて水深は分からないので、知りたかった水量に関しては不明のまま。水草が茂っていないので、ある程度の深さはあると思われた。今は乾季の終わりなので、これから水量は増えると思う。
この池は天然のものではなくて、土地のオーナーが果樹に水をやるために作ったものだそうだ。とすれば、ウォーターシステムは出来るということか。
ウォーターシステムには、強力なポンプと大量のPVCチューブが必要だ。彼女はそれを30000Bと見積もったが、50000でも出来ないような気がする。ちょっとネットで調べたところ、日本で35m以上揚げるのは5万バーツ以上する水中投げ込みポンプだけだった。
もう一つ心配なのが、この果樹の根。ところどころ太さ3センチ以上ある根が土の表面に出ている。1センチ程度のものは幹から2m以上離れても沢山ある。
これではクボタでも耕せないのでは。
耕せたとしても、果樹に全部栄養分が吸われてしまって、痩せた土になっているかも知れない。
ウォーターシステムと土の問題から、土を使った栽培は断念しないといけないかもしれない。その場合、発酵済みココナッツを用いる。ココナッツのほうが、はるかに病気や害虫に侵されにくく、栄養管理もしやすい。上手く行けば、収量は3割アップする。
その反面、水の管理がたいへんで、しっかりしたウォーターシステムと、ビニール製のココナッツ鉢に2本ずつ適切に水やりが出来る水路末端を設置しないといけない。そして、それが高い。ウォーターシステムが万一壊れて水が数日止まったら、いちごは水切れになってしまう。
もう人ごとじゃないので心配で仕方がない。
マシュマロちゃんは、土とココナッツを半分づつやったらどうかという。リスクヘッジにはなるのと、全部ココナッツにするより安くなるが、作業量は増える。
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