懐かしい雰囲気
先週、盤谷日本人商工会議所の会費を半年分納めに行った。
その時、ちょうど新しく医薬医療機器分科会の第一回会合があったので参加してきた。
僕は医薬はやらないと決めていたので、あまり関係ないといえば関係ないのだが、小さな一般医療機器のFDAライセンスを申請中であるし、少し前に医療機器の取扱事業者として登録されたので、今後のビジネスパートナー探しのきっかけにでもなればと思いメンバーになった。
自分がいままでそういう世界にいたせいもあり、参加者の人となりや性格などが僕にはとても馴染みやすく、楽しい会だった。以前から交友のある方とは会えなかったが、話してみるとその知人関係者が多くて、なんとはなしに急速に接近できた。やはり、馴染みの世界は住み心地がいい。前職の会社から、いくつかライセンスアウトした会社のタイ支社の社長さんにも会えた。
盤谷日本人商工会議所のメンバーは、たいてい日本にしっかりした経営母体があって、そこから事業拡大のために派遣されている人たちが大部分であり、各分科会の主要幹事も大抵は名の知れた大企業の上級管理職者で占められている。中には在タイ10年を超える人もいるが、多くは数年で本社に帰るか別の国に転属されるかのどちらかが多い。
分かりやすく言えば、いつも背広を着て、日本人と日本語で話し、日本食を食べて、トンロー辺りの高級コンドミニアムに住み、ゴルフが仕事みたいな人達だ。この点、和僑会とは大分雰囲気が違う。
僕もサラリーマンのままバンコクに来ていたならば、同じようなグループになっていただろう。企業戦士の辛さを知らないわけではないが、真面目になっていれば飯の食いっパクれにはならないのと、本社からの資金が羨ましい。
僕のような単身で来て、スタートアップでもたついている人はこの会には多くない。 しかし、多くの会社はタイでは数人から数十人程度の日本人しかいなく、タイ人やタイ社会のことで相当苦労されているようだ。
非公式二次会は狭くてこんな感じだったが楽しかった。
彼らの一番の課題は、やっぱり規制との対応のようだ。FDA審査の透明性と迅速性を高めて欲しいという希望と期待が目立った。確かにタイの審査が遅く、担当者間での統一性もないのは問題だ。僕の計画が思うように進まないのもそこにある。
「3年経ったけど、一歩も進んでない」と嘆く会社もあった。
しかし、申請書類の入った山積みのダンボール箱の中で、最先端科学が記述された書類を一つ一つチェックしている若い審査官を見ると、彼らのほうが気の毒になってくる。
日本だって独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)が機能するようになるまでは似たような状況だった。最近では薬事審査迅速化の日タイ合同シンポジウムで、日本のPMDAを成功事例として紹介していたところが笑ってしまう。