哀れないちご園
マシュマロいちご園があるワンナムキアオには、カオヤイ以上に競合いちご園が多いが、既にいくつかのいちご園が壊滅した。
僕らのいちご園に近いところで9軒のいちご園が有ったが、先月3軒いちごが壊滅して閉店してしまった。
壊滅の理由はいくつかあるが、
① 競合いちご園にお客さんを取られてお客さんが来なくなった。
② スリップス(アザミウマ)という害虫が大繁殖して、まともないちごが成らなくなった。
このスリップスという害虫は手強く、日本のいちご園でも最強の害虫のようだ。
雨が降らないで乾燥が続くと大発生しやすい。
一度大発生させてしまうと、強い農薬を頻繁に掛けても駆逐出来ない。また、虫の世代交代が速く、すぐに薬に抵抗性を持ってしまうので、出来るだけ虫を増やさないようにしなければいけない。
さて、潰れた3軒の内の一つに、ワンナムキアオにいちご狩り園を拡げた大御所兄貴からいちご園を譲り受けた夫婦が経営するいちご園があった。
奥に見えるいちごは全部枯れている。
大御所兄貴がやって駄目だった場所なので、やる人が代わってもやはり駄目なんだ。
夫はパクチョンのイサーン出身者、妻はモン族。とても真面目な働き者夫婦で、僕らのいちご園の定植にも手伝いに来てくれた。全財産を掛けた挑戦だったが、注ぎ込んだお金の三分の一も回収出来ずに閉店してしまった。実に気の毒な話だ。
駄目だった理由は、上の①と②の両方。
恐らく、僕らがやっても結果は同じだっただろう。
閉店した別のいちご園では、②だけの理由で1月にいちごが全滅した。
ワンナムキアオのいちご園の勝ち組は4軒のみ。
カオヤイのいちご園でも、数件は水が悪くていちごの出来が良くなくなった。井戸水はカルシウムが多過ぎて、2月にはいちごの木が下手ってしまう。
自分で言うのもなんだが、今日現在では僕のカオヤイ農園が一番いちごが美しい。
しかし、何度か書いているように、使える水が残り少なくなったので、このいちご園もこの先どうなるか分からない。
天気予報に依ると、月末と来月初めに一雨来そうだ。
今成ってるいちごが全部腐っても良いので、カオヤイに土砂降りの雨が降ることを期待している。