ガチンコ渇水対策
今年の乾季の乾き具合は半端じゃない。
僕が事故に遭ってから三ヶ月以上経つが、カオヤイにはまともな雨は一度も降ってない。
我らが水源の沢ラムタコーンは流れなくなった。
流れはないが、川底から少し水が湧くのか、一晩置くと水位が7センチ位増えるので、この濁った水はまだ数時間汲み取ることができる。
しかし、こんな時のために整備してきた溜池が活躍している。
これが溜池。ここの水は澄んでいて匂いもない。魚や小エビも沢山いる。
ラムタコーンが涸れる以前に、オーバーナイトで沢の水をここに溜めた。その為に今水が割と入っていて、この水位だと恐らく後一週間水が使える。電気代だけで人晩800バーツかかるが、水がなくなっていちごを枯らすより良い。
しかし、この溜池の水も不十分なので、もう一つの池から水を汲み上げるシステムを作った。この池は他人の土地にある池だが、使われていない上、底が地下水に接していて今まで一度も涸れたことがない。魚も沢山いるが、池の水はドブ臭い。
この池に取水用の塩ビパイプを延ばした。取水口が一定の深さになる様に浮きを着けた。取水口にはゴミや魚が入らない逆流防止弁が付いている。
池からいちご園までの間には車が通る脇道がある。そこを掘って厚めの塩ビパイプを埋めた。
ラムタコーン迄這わせた電線からポンプへの電力が取れるようにした。ポンプは新調した。
ポンプの格納庫は、愛犬ベリーの為に作った犬小屋である。
ベリーが一度も使ってくれなかった犬小屋が生まれて初めて役に立った。
これで、隣の池からの水を直接いちご園に汲み上げることが出来るようになった。
それだけじゃなく、この池の水を溜池に汲み上げて溜めることもできる。そうすることで水質が改善されて、住込みワーカーのシャワーにも使えるようになる。
僕の計画では、この池の水とラムタコーンの水を交互に溜池に込み上げて、普段は溜池に溜めた水を使う。
それで、多分後三週間水が使える。
その間に雨は降るだろうと思う。
5年前、カオヤイの土地を探しに来た時、ラムタコーンは数ヶ月間枯れっぱなしで、住民の生活も農業も大打撃を受けていた。
それで、この土地の開墾の際には、溜池の整備に時間とお金を掛けた。
いまこそ、その恩恵を受ける時が来た。