取り敢えず退院
チュラロンコーン大学で食堂と胃を繋げる手術を受けた住込みワーカーの子供が、術後始めて取り敢えず退院した。
取り敢えずと言うのは、未だ余り良くなっていないが何もせずに入院してても仕方がないから退院したという感じ。
食堂と胃は繋がったものの、未だミルクすら口から飲めない。飲めないと言うより、医師からそうさせてもらえてない。相変わらず、胃瘻からの注入のみ。
体重も一年になるのに、僅か7㎏。手術して半年経つのに、手術数ヶ月前の体重から、1kgしか増えていない。
しかし、子供は余り病気もせず、機嫌も良いので退院する運びとなった。
退院してみると、今のところ母親も子供も上機嫌で、院内に閉じ籠っているよりも生き生きして見える。
砂埃や蚊やチンチョー(ヤモリ)の糞等で感染症を起こしやしないかが心配だが、院内だってやばい病原菌がいっぱいいるので、それよりも安心なのかも知れない。
母親は、元々デブだったが、病院でゴロゴロしているだけだったので、何と90キロ超えになってしまった。これで、ますます働けなくなったと思ったら、今日は短時間ながら早速働き出していたので驚いた。
この乳房一房10kgの女性が、そのお母さん。
入院なんかしているより幸せそうな家族。
チュラロンコーン大学の医師は、ワンナムキアオの住込み用掘っ立て小屋が不衛生過ぎて、胃のない胎児が住むには適さないと心配していたが、勘違いして貰ったら困るのは、僕らが彼らのために用意した掘っ立て小屋は立派で衛生的なのに、そこに住む住込みワーカーの生活習慣が不衛生なんだということ。
例えば、食べ残ったご飯は、そこら辺の木の麓に投げ捨てる。そのために、害虫が集まってくる。
扇風機は元々僕の所有の立派な高級品を泥だらけにして使っていて、ホコリまみれのファンを二年間一度も洗ってないのだ。洗えと10回以上注意したにも関わらず。
布団を干したのも見たことない。
子供をあやしたりする時に手も洗わない。
衛生観念や習慣は教育の賜物なので、頭や性格が良くても無教養な人達は持ち合わせていない。
今は、胃から逆流したものが肺に入る可能性が出て来た訳なので、家にある体温計位は進呈して、使い方を教えないといけない。